キックボクシング
レポート

【KNOCK OUT】トーナメント決勝は江幡塁が小笠原瑛作を返り討ちで初代王者に、日菜太はジョムトーンに一歩及ばず、ぱんちゃん璃奈がKO勝ちは逃すも無傷の4連勝

2019/08/18 15:08

▼第4試合 72.6kg契約 3分5R
○T-98(クロスポイント吉祥寺/WBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級王者)
TKO 4R 1分13秒 ※ヒジによるカット→レフェリーストップ
×斗吾(伊原道場/新日本キックボクシング協会日本ミドル級王者)


 T-98(たくや)は2007年11月にプロデビューし、ボディストレートとローキックを武器に70kg前後の階級で長らくトップに君臨。2016年6月にはムエタイ最高峰のラジャダムナンスタジアムで、日本人5人目となる王座を獲得し、同年10月には日本人初となる現地タイでの防衛にも成功した。今年2月にはNJKFでYETI達朗を破り、9本目のベルトとなるWBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級王座を奪取。戦績を38勝(19KO)21敗5分としている。

 対する斗吾は2005年11月にプロデビューし、強打を武器にKOを量産。これまで主戦場としてきた新日本キックボクシングでは、2015年9月にミドル級王座を獲得し、2017年3月には初防衛にも成功している。国内王者クラスだけでなく、タイ、カンボジア、韓国などの外国人刺客との試合経験も豊富。以前からKNOCK OUT参戦をアピールしており、今回は満を持しての初出場となる。

 1R、T-98が右ローをテンポ良く当てていき、左インローから左ジャブを突くコンビネーションも見せる。斗吾は時おり左ミドルを返し、細かい左ジャブの連打から右ストレートを繰り出すが、これはT-98のガードの上を叩く。終盤にかけてはT-98の右ローが攻めが目立った。


 2R、パンチの手数を増した斗吾は、右アッパーと縦ヒジで強襲。これがT-98を脅かし始める。T-98も負けじとパンチを返し、左ジャブから右オーバーハンド、さらに至近距離から左アッパーから左フックを振るう。

 3R、T-98は間合いを潰しながら斗吾のパンチを食い止め、至近距離からヒジと右ローを当てていく。終盤に斗吾は左まぶたをカットして出血。ドクターチェックから試合が再開されると、T-98はすぐにパンチをまとめるが、斗吾も打ち合いに持ち込んで追撃を食い止めんとする。

 4R、手数が落ちた斗吾に対し、T-98はパンチのコンビネーションからヒザ蹴りを突き刺す。さらにT-98の強烈な右ローで斗吾が大きくバランスを崩して転倒する。この直後に斗吾の出血が激しくなったの見て、レフェリーが試合をストップ。T-98が安定した戦いぶりで、TKO勝ちを収めた。

▼第3試合 62kg契約 3分3R
×良太郎(池袋BLUE DOG GYM/REBELS-MUAYTHAIライト級王者)
TKO 3R 2分35秒 ※ヒジによるカット→レフェリーストップ
○雅 駿介(PHOENIX/ムエタイオープン&スック・ワンキントーン認定ライト級王者)


 良太郎はパンチと首相撲からのヒザ蹴りを武器に、2017年11月にREBELS-MUAYTHAIライト級王座を獲得。今年2月には初防衛にも成功している。また、街を歩けば高確率で職務質問をされるという逸話を持ち、“千の職質を受けた男”としても知られる選手だ。戦績は11勝(4KO)11敗5分。

 対する雅は2014年に学生キックのライト級王者に輝き、同年のRISEアマチュア大会『KAMINARIMON』の全日本トーナメント65kg級で優勝した実績を持つ。その翌年にプロデビューし、今年2月にムエタイオープン、6月にスック・ワンキントーン(SUK WAN KINGTHONG)のライト級王座を獲得。戦績を14勝(6KO)2敗としている。

 1R、序盤から左ジャブと右ミドルをスピーディーに打ち合う両者。次第にワンツーや左右フックから組み合う展開が増える。組み際を縦ヒジで狙う雅。終盤には雅の細かい左ジャブの連打がたびたび良太郎の鼻っ柱をとらえる。


 2R、パンチのコンビネーションでこじ開けんとする良太郎に対し、雅が巧く間合いを取りながら右ローとパンチの連打を当てていく。しかし、雅が組みにきたところで、良太郎も強烈な右フックをヒット。雅は腰が一瞬落ちる。再びパンチの交錯から組みの攻防に入ると、雅は縦ヒジを連打。終了間際には両者が足を止めてパンチの打ち合いを見せる。

 3R、パンチの連打をぶつけ合う両者だが、右ローや右ミドルにも繋げるのは雅。組み際に再三、縦ヒジを落としていた雅は、残り時間1分に迫ったところでついにカットに成功する。ドクターチェックから試合が再開されると、良太郎はパンチをまとめて懸命に追い上げ。だが、再び雅との打ち合いに転じたところで、良太郎の出血が激しさを増す。ここでレフェリーが試合をストップ。雅がTKOで15勝目をあげた。

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