キックボクシング
レポート

【KNOCK OUT】トーナメント決勝は江幡塁が小笠原瑛作を返り討ちで初代王者に、日菜太はジョムトーンに一歩及ばず、ぱんちゃん璃奈がKO勝ちは逃すも無傷の4連勝

2019/08/18 15:08

▼第8試合 63.5kg契約 3分5R
○宮越慶二郎(拳粋会宮越道場/WBCムエタイ・インターナショナル・ライト級王者)
TKO 3R 2分05秒 ※ヒジ打ちによるカット→レフェリーストップ
×鈴木真治(フジマキックムエタイジム/元J-NETWORKスーパーライト級王者)


 宮越は昨年12月にスアレック、今年4月に新日本キックボクシング協会日本ライト級王者・勝次と強豪を連破して絶好調。KNOCK OUTには2018年2月以来の参戦となるが、意外にもKNOCK OUTではまだ白星を挙げられていない。

 対する鈴木は2005年にプロデビューし、40戦以上のキャリアを持つベテラン選手。2008年11月に開催されたシュートボクシング世界トーナメントS-cupでは決勝進出を果たしている。また、6月5日にはラジャダムナンスタジアムでタイ人選手を相手に2RでKO勝利を飾った。


 1R、右ローの蹴り合いでスタート。左ジャブと左フックを混ぜる宮越に対し、鈴木が徐々に右フックや左ボディをヒットさせ始める。鈴木は左インローも強烈。宮越がバランスを崩して転倒する場面も。


 2R、宮越は前に出てきた鈴木を両拳で突き放すと、すかさず右ローや左ミドルを蹴る攻め。さらに宮越は軽快なステップから左フックや右ストレートも当てにいく。しかし、鈴木はしっかりと構えたまま宮越の動きを見極め、動きが一瞬止まったところで強烈な左ボディと右フックを叩き込む。


 3R、宮越はなおも動き回ってさまざまな角度からパンチを打つが、なかなか鈴木をとらえることができない。逆に鈴木の強烈な右ストレートと左フックを被弾して、よろめいてしまう。

 しかし、組みの攻防になったところで、宮越が一瞬の隙を突いてエルボー。これが鈴木の顔面を深くカットする。鈴木はドクターチェックの末に試合続行が不可能に。劣勢だった宮越が逆転のTKO勝利を飾った。

▼第7試合 58kg契約 3分5R
×駿太(谷山ジム/Bigbangスーパーフェザー級王者)
KO 5R 1分18秒
○安本晴翔(橋本道場/REBELS-MUAYTHAIフェザー級王者)


 駿太は2003年2月にプロデビューし、6月のBigbangで60戦目を迎えた大ベテラン。国内とタイのトップ選手を相手に渡り合い、戦績は36勝(14KO)20敗4分。KNOCK OUTには2018年9月の大阪大会で初参戦し、メインイベントで高橋聖人と対戦。熱戦の末に判定勝ちを収め、まだまだ若手の追随を許さない実力を証明した。6月のBigbangでもKO勝ちしている。

 対する安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座を獲得した。今年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月のREBELSでは栗秋祥梧を破りREBELS-MUAYTHAIフェザー級王座を戴冠。現在19歳で戦績を13勝(4KO)1敗2分としている。


 1R、サウスポーの安本は前蹴り、左インロー、変則的な軌道の左ハイを連続で放ち、さっそく持ち味を見せる。安本はテンポを落ち着かせたかと思えば、突如パンチの連打を振るうなど緩急のある攻撃。駿太はこれに翻弄され、徐々に安本のパンチの連打を被弾して、懸命にクリンチで堪える状況に追い込まれる。安本はさらに至近距離から左ハイと左ミドル。駿太は終盤に右まぶたをカットしてドクターチェックを受けた。

 2R、駿太の前進に対し、安本は巧みなステップで回り込み、左右フックから右ハイをヒット。さらに駿太のワンツーに安本はカウンターの右フックを合わせる。駿太は至近距離からでも飛んでくる安本の左ミドルと左ハイを前に、なかなか反撃の糸口が見つからない状況が続く。


 3R、巻き返したい駿太は左ジャブから右フックと右ローに繋げていくが、負傷箇所の出血が増し、ドクターチェックを受ける。試合が再開されると、安本は駿太がコーナーに詰まったところで、飛び上がるようにして左右ハイ。安本は勢い余ってリングから落ちそうになる。駿太も右フックと右ローを返すが、終了間際に安本のバックハンドブローを被弾した。

 4R、ややペースダウンした安本に対し、駿太が右ハイからワンツーを叩き込む。すぐに右ストレートを返す安本。駿太は前に出て右ボディストレートやエルボーを振るうが、安本はこれをロープ際で待ち構え、打ち終わりにパンチのコンビネーションや左右ハイを豪快にまとめる。


 5R、打ち合いになると、安本の鋭いワンツーが駿太の顔面にヒット。顔面が血で真っ赤になった駿太は再びドクターチェックを受ける。ここから試合が再開されると、直後に安本が堰を切ったかのように怒濤のパンチラッシュ。駿太は何度も頭を揺らされ、ついにダウンを喫する。

 立ち上がろうとするもバランスを崩して再び倒れ込む駿太。レフェリーは試合続行は不可能と判断し、ここで試合を止めた。安本がKO勝ちで力を見せつけた。

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