キックボクシング
レポート

【KNOCK OUT】トーナメント決勝は江幡塁が小笠原瑛作を返り討ちで初代王者に、日菜太はジョムトーンに一歩及ばず、ぱんちゃん璃奈がKO勝ちは逃すも無傷の4連勝

2019/08/18 15:08

▼第2試合 46kg契約 3分3R
○ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)
判定2-0 ※30-28、29-29、29-28
×祥子(JSKキックボクシングジム)


 ぱんちゃんは今年2月のプロデビューから3戦全勝と快進撃を続ける女子キック界のホープ。6月のREBELSでは韓国の新鋭パク・シウを相手に初の国際戦に臨み、熱戦の末に判定勝利を飾った。また、最近では雑誌のグラビアを飾り、大会ポスターにも大きく掲載されるなど、“キューティーストライカー”としてリング内外で活躍を見せている。

 対する祥子はアマチュアで試合を重ね、2012年6月にプロデビュー。出産から約6年間のブランクを経て、昨年1月にリングに復帰した。現在は2人の子どもを育てながら選手として活動するとともに、所属ジムとフィットネススタジオを代表として切り盛り。戦績は4勝6敗だが、平岡琴や佐藤レイナといった強豪たちと拳を交え、4月にはJ-GIRLSピン級王座決定戦に抜擢されるなど、着実に経験を積んでいる。


 1R、ぱんちゃんが右ストレートと右ミドルの2連打で先制。祥子が右ローを返すと、ぱんちゃんは右ストレートをねじ込むようにしながらロープ際へと押し込んでいく。距離を取り直すと、左右のパンチと前蹴りを当てていくぱんちゃん。祥子も次第にパンチの連打で仕掛けるようになり、ぱんちゃんと荒々しく組み合う展開が増えた。


 2R、ぱんちゃんは前蹴りで祥子を突き飛ばすと、すぐにストレート系のパンチを連打しながら迫る。祥子が組んでくれば、ぱんちゃんは片手クリンチから右ストレート、さらにヒザ蹴りの連打。祥子は時おり左右ローを返すも、なかなか連続した攻撃を出すことができない。

 3R、ぱんちゃんがなおも前蹴り、パンチの連打、組んでのヒザ蹴りで優勢。祥子は体勢を崩されたところで、ぱんちゃんの顔面ヒザ蹴りと右ボディアッパーを喰らう。組みの展開が増える中、ぱんちゃんはワンツーから左ミドルのコンビネーションを決める場面も。


 判定はジャッジ1名がドローをつけたが、残り2名はぱんちゃんを支持。ぱんちゃんが初参戦のKNOCK OUTで勝利し、4連勝を飾った。

▼第1試合 63kg契約 3分3R REBELSルール
×大月晴明(マスクマンズ/元WPKC世界ムエタイライト級王者)
判定0-3 ※26-30×3
○丹羽圭介(TEAM KSK/REBELS 63kg級王者)


 大月はプロデビューが1999年10月という45歳の大ベテラン。これまでにWPKC世界ムエタイライト級王座、第3代Krush-60kg級王座、全日本ライト級王座、ISKAムエタイ・インター コンチネンタル・スーパーライト級王座などを獲得し、戦績は42勝(29KO)12敗。“爆腕”と呼ばれる強打を武器に、昨年5月のKNOCK OUTでは山口侑馬をKOするなど、いまだ若手の追随を許さない。

 対する丹羽は2010年2月にプロデビュー。同年にRISEの新人王トーナメントで優勝し、2015年11月には11連勝でRISEライト級王座に挑むなど活躍した(水町浩に判定負け)。2017年5月にはタイであのロッタン・ジットムアンノンとの試合も経験(判定負け)。2018年10月からはREBELSに定期参戦し、4連勝で今年4月にREBELS初代63kg王者となった。現在はTEAM TEPPENで練習を重ね、独特の間合い操作に磨きをかけている。36歳で戦績は19勝(2KO)7敗。

 1R、両腕を大きく広げて相手の攻撃を待ち構える大月に対し、カウンターを警戒してか、なかなか手が出ない丹羽。両者がまったく攻撃しない状況が続き、レフェリーが警告を与える。

 試合が再開されてもしばし同様の状態が続いたが、終盤に入ると大月がついに左右フックで襲いかかる。しかし、丹羽は大月の攻撃が一瞬止まったところで、巧く右ストレートをヒット。丹羽が先制のダウンを奪う。


 2R、丹羽は間合いが遠めの時は前蹴りと左右ローを当て、大月が迫ってくるとパンチのカウンター。大月は打ち終わりに左ジャブと右ストレートをもらう場面が目立つ。大月は左ボディを返し、さらにワンツーを打つがこれは届かず。大振りになる大月に対し、丹羽がストレート系のパンチとアッパーで有効打を重ねる。

 3R、丹羽が右ミドルから打ち下ろしの右ストレートをヒット。大月の腰がたびたび落ちる。丹羽はさらにパンチをまとめてフィニッシュにいくが、大月は左右フックを思い切り振るって追撃を食い止める。終盤に左まぶたをカットした大月にドクターチェックが入るが、試合は再開。大月は最後のラッシュで迫ると、丹羽は懸命にクリンチで潰し続けた。

 ダウンを奪った丹羽が大差の判定勝ちで、ベテランの大月を破った。

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