キックボクシング
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【KNOCK OUT】トーナメント決勝は江幡塁が小笠原瑛作を返り討ちで初代王者に、日菜太はジョムトーンに一歩及ばず、ぱんちゃん璃奈がKO勝ちは逃すも無傷の4連勝

2019/08/18 15:08
【KNOCK OUT】トーナメント決勝は江幡塁が小笠原瑛作を返り討ちで初代王者に、日菜太はジョムトーンに一歩及ばず、ぱんちゃん璃奈がKO勝ちは逃すも無傷の4連勝

撮影/安村 発 文/黒崎貴寛

KNOCK OUT「K.O CLIMAX 2019 SUMMER KICK FEVER」
2019年8月18日(日)東京・大田区総合体育館

▼第10試合 メインイベント KING OF KNOCK OUTスーパーバンタム級初代王座決定1DAYトーナメント決勝戦
○江幡 塁(伊原道場/新日本キックボクシング協会日本バンタム級王者/WKBA世界スーパーバンタム級王者)
判定3-0 ※29-28、30-28、30-26
×小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/REBELS/ISKA K-1ルール世界バンタム級王者)
※江幡がトーネメント優勝、KING OF KNOCK OUTスーパーバンタム級初代王座に就く。

 KING OF KNOCK OUTスーパーバンタム級初代王座決定1DAYトーナメント決勝戦の顔合わせは、新日本キックボクシング協会日本バンタム級王者・江幡とISKA K-1ルール世界バンタム級王者・小笠原となった。両者は昨年6月のKNOCK OUTで一度対戦しており、その時は江幡が小笠原からKO勝ちを収めている。

 今回のトーナメントでは、江幡が1回戦でWMC日本スーパーバンタム級王者・大野貴志に苦戦を強いられながらも、ダウンを奪っての判定勝ち。一方、小笠原は1回戦でミケール・フェルナンデス(スペイン)に左ローでダメージを与え、しっかりと差をつけて判定勝ちしている。共に決勝へ駒を進め、1年越しの再戦に臨む。

 1R、構えは小笠原がサウスポーで、江幡がオーソドックス。小笠原が左ミドルを蹴れば、江幡もすぐに右ミドルを返して応戦。小笠原も前蹴りで江幡を吹っ飛ばす。

 パンチが冴える江幡は左右フックから鋭い右ロー。小笠原もクリンチに持ち込んで離れ際を右フックで狙う。江幡はパンチを打ち分け、たびたび右ボディストレートをヒットさせる。

 2R、左ミドルを積極的に蹴る小笠原に対し、パンチのコンビネーションを返していた江幡が、強烈な左ストレートで先制のダウンを奪う。立ち上がった小笠原も江幡の追撃をかわすと、ほどなく右ストレートをヒット。江幡は鼻から出血する。


 3R、ワンツーから左ミドルを連打して懸命に前に出る小笠原。江幡もワンツーや左右フックから蹴りを振り抜いていく。以降も小笠原が左ハイからバックスピンキック、江幡が右アッパーから左ハイをぶつけ合うなど、一進一退の攻防が続いた。

 勝敗の行方は判定に持ち込まれ、2Rにダウンを奪った江幡に軍配。江幡が小笠原を返り討ちにし、KING OF KNOCK OUTスーパーバンタム級初代王者に輝いた。


 試合後、マイクを向けられた江幡は「みなさん、応援ありがとうございました。KNOCK OUTのベルトを巻くことができました。初めてのトーナメント戦だったのでドキドキでした。大野選手は試合前の『噛みつく』という言葉通りの力強さでしたし、小笠原選手も気持ちが見せてくれました。僕は新日本キックボクシング協会とWKBAの世界ベルトを持っています。僕には双子の兄(江幡睦)がいて、彼もチャンピオンです。ここからがスタートです。これからもっとキックボクシングが盛り上がると思います。もっともっと白熱した試合が届けられると思います、みなさん、応援よろしくお願いします」と勝利のコメントを述べた。

▼第9試合 セミメイン 70.0kg契約 3分3R
×日菜太(クロスポイント吉祥寺/REBELS 70kg級王者)
判定0-3 ※28-29、28-29、27-30
○ジョムトーン・チュワタナ(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム・フェザー・スーパーフェザー級王者、元OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者)


 日菜太はK-1 WORLD MAXからREBELS、そして新生K-1のリングで活躍してきた日本キック界のベテラン。今年2月REBELS 70kg級タイトルマッチでは、当時のラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者シップムーン・シットシェフブンタムからKO勝ちを収め、3度目の王座防衛を果たした。続く6月の試合では、シュートボクサーの坂本優起に苦戦しいられながらも判定勝ち。好調のまま、今大会で念願のジョムトーンとの一戦を迎えることとなった。


 そのジョムトーンはラジャダムナンスタジアムで3階級制覇を制覇し、2008年には同スタジアムのMVPにも選ばれたムエタイの世界的強豪。2010年からはプロボクサーとしても活動し、2015年5月にはあの内山高志とWBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチを争った(内山が2RでTKO勝ち)。ムエタイ復帰後は2016年にクンルンファイトの70kg世界トーナメントで準優勝、今年5月には5年ぶりのラジャダムナン復帰戦で、トップ選手のサッグモンコンにヒザ蹴りでKO勝ちしている。

 1R、共に構えはサウスポー。日菜太は序盤から積極的に右ローを蹴っていくが、ジョムトーンはこれを巧くキャッチして、左ハイや左ストレートで顔面を狙う。たびたび転倒させられる日菜太。鋭いワンツーも見せ始めたジョムトーンに対し、日菜太は左ストレートをかわすことができずダウンを喫してしまう。立ち上がった日菜太は懸命に左ローを返すが、ジョムトーンは右ジャブから左ストレートで追撃していく。


 2R、左ローを蹴りまくる日菜太。ジョムトーンはクリンチからのヒザ蹴りで応戦する。日菜太はさらに左右フックの連打を振るうが、これがやや雑になったところでジョムトーンのワンツーを被弾。それでも日菜太はあきらめずに左ローを返し続け、終盤にはついにジョムトーンが嫌がり始める。

 3R、日菜太は開始早々に左ローの連打からバックハンドブローを放つも、これは空振り。左ミドルが届かなかったジョムトーンは、すぐにクリンチに持ち込んでヒザ蹴りを連打する。日菜太の左ローを受けるとジョムトーンは足をかばいながら後退。日菜太は左ハイからのバックハンドブローで奇襲に出るが、これはジョムトーンがかわず。残り1分を切ったところで、日菜太はワンツーもヒットさせたが、ジョムトーンは左右ミドルを返した。


 怒濤の左ロー攻めで追い上げた日菜太であったが、序盤に喫したダウンを挽回するまでには至らず。ジョムトーンが判定で勝ち名乗りを受けた。

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