「フェザー級に地殻変動を起こす好カード! 高橋が序盤にどれだけカーフを当てられるか」(大沢)
注目試合②
▼第7試合 フェザー級 5分3R
高橋遼伍(KRAZY BEE)14勝7敗
キム・サンウォン(KOREAN TOP TEAM)#8位 11勝6敗1分
「高橋遼伍くんとしては多分、トップでやれる自信を持ちつつ、新天地で自分の力を示したいと思っての今回PANCRASE参戦だと思うので、そこで当てられた相手としてキム・サンウォン選手って最高じゃないですか!?『ROAD TO UFC』初戦でSASUKE選手をカウンターの右で倒しているし、準決勝でイー・ジャーと善戦しました(※判定でキムが惜敗)。PANCRASE初参戦では名田英平選手に完勝しています。高橋選手とキム選手が継続参戦することになるのだとしたら、なかなか他団体や他の国とのレベルを測る物差しがなくなっていたところだったPANCRASEのフェザー級は地殻変動を起こしますね。ウチの中田大貴とやっても面白いのはもちろんですし、ファン目線で非常に楽しみな一戦です」
──両者オーソドックス構え。高橋選手の必殺技のカーフ・キックが炸裂しますか。
「カーフはめっちゃ当たるんじゃないですか! ただちょっと……狙い過ぎてしまって、見過ぎてしまっているところは気がかりです。いろいろな流れのなかでのカーフというよりは、カーフを意識させて右を当てるとか、カーフをジャブのように使っているような感じがします。カーフをあんまり意識しないでほしいですね、他をやりながらカーフ、の方がいい!
試合のリズムがスローテンポになって見ている時間が長くなると、キム選手はSASUKE戦を見ても前半やられていても一発でああやって倒せるので、チャンスを与えてしまいます。ただそれも、カーフが当たれば崩せるわけだから、なんとも言えないところなんですよね!? キム選手には飛び込みの右とかもあるし、遼伍くんはカーフを蹴るために距離をとらずに体を立てているので、パンチをもらいそうだなというのもあるし。そのあたりどちらがどう行くか、注目です。カーフが当たり始めたら断然遼伍くんのペースになりますが、1Rでどれくらい当てられるかですね。だからこの試合は立ち上がりに注目です」
──今のお話で、カーフは対策されているというのもあって狙い過ぎてしまうのでしょうか。むしろその逆で、当てる自信があるから?
「得意だというのもあるし、カーフが当たる距離にいられる時って、あんまり自分がやられる心配が少ないんですよ。それで遼伍くんは相手に中に入らせたくないから、安全な試合をするためにリスクを背負い辛くなっているのかもしれないです。だから遼伍くんはもうちょい自分から行けるといいかなと。前述の通り、最近のMMAって距離を取らせないようにするし、相手の思考を奪うというか、考える時間をどれくらい与えないかという、やってきたとこ勝負のようなところがあります。いろんな武器を用意していても、そんなの出させないような近い距離で、やってきたところだけで勝負する展開を作る選手が多い。ただキム選手は距離を見たりもするので、キム選手には当たると思っていますけどね」
──今仰ったように安全圏で勝負するということが消極的だと取られて判定で惜しくも落とすという経験をしています。そこは踏まえてくるだろうと。
「そう思いますけどね。ただ、人間って、染み付ついたクセは抜け辛いですからね……。朝倉未来選手も、カウンタースタイルになっているのを変えられずにみんなにそこをつかれていますよね。運動能力の高い人の多くは、できてしまうだけに、相手の攻撃を見る自信があったりして相手を見る癖がつきやすくて、遼伍くんもそのタイプ。すごく厳しい試合ですよね。といっても、SASUKE選手もやられた場面でミスをしていなければ勝っていたと思うし、願いも込めつつ、これは勝てる試合です」