▼第8試合 ライト級(71.0kg)5分3R
×ナリマン・アバソフ(アゼルバイジャン)
[判定0-3]
〇アリ・アブドゥルカリコフ(ロシア)
アゼルバイジャンのアバソフは、現AMC Fight Nights Globalライト級王者。プロ戦績33戦で試合決定率60%超えのフィニッシャーだ。
シャハリヤル・アバソフの指導の下でトレーニングを積み、プロデビューとなった2013年6月のGEFC-アゼルバイジャンに参戦し3連勝で優勝を果たす。14年の連戦で2連敗となったが、その後は12連勝。16年12月のAMC Fight Nights Globalでマゴメドサイギッド・アリベコフに敗れ連勝ストップも、再び連勝街道を走り22年6月までに13連勝。
19年に4月にはカザフスタンのカウト・ハミトフに判定勝利しAMC Fight Night Globalのライト級王者に輝いた。21年4月のAMC100周年記念トーナメントでは、シャミル・アミロフとのタイトルマッチに臨み1R終盤にパンチによるTKO勝利を挙げ、22年6月にマリフ・ピラエフを破り3度目の防衛。その勢いで9月にはアゼルバイジャン代表としてDWCSに出場し、現UFCのイズマエル・ボンフィムに判定負け。再起戦となった23年3月のNaiza FCではカザフスタンのカニベック・シャハニベクウールにリアネイキッドチョークによる一本勝ちを収めている。
MMA29勝4敗、どっしりと構えたオーソドックスからの右の強打とクリンチボクシング、シングルレッグテイクダウンと一つひとつの強度が高いアバソフは地元でどんな試合を見せるか。
対するアブドゥルカリコフは、散打の世界的名手。2013年9月にロシアのREAL STEEL 2013でプロMMAデビューを果たすと、14年からはアマチュアMMA世界大会にも参戦し、9戦7勝2敗。プロ2戦目の15年4月のM-1 Challengeでは現UFCのヨエル・アルバレスを34秒、スピニング・ヒール・キックでKO。2019年7月のRIZIN参戦まで7連勝を記録。しかし、川尻達也にテイクダウンを許し、初黒星となる判定負けを喫した。
その後、3連勝を含む5勝1敗。UFCをリリースされたばかりだったアレクサンダー・ヤコブレフにも判定勝ちしたが、2022年8月にジョージアのKSWファイター・ラウル・トゥタラウリにスプリット判定負け。しかし、RCCで再起を果たすと、23年4月の「RIZIN LANDMARK 5」で負傷欠場したジョニー・ケースの代役の雑賀“ヤン坊”達也に1R右フックでKO勝ち。RIZIN初白星を飾っている。
アブドゥルカリコフは、早いフットワークと打撃のコンビネーションで試合を組み立てていくストライカー。そのパンチの距離は長く、散打の蹴りにも注目だ。
勝者が一気にライト級トップ戦線にからむ強豪対決となる。
1R、左右のパンチから入るアバソフ。アブドゥルカリコフは右前蹴りも、それを肩口で掴んだアバソフが金網まで詰めるも足を抜くアブドゥルカリコフ。バッティングで中断後、再開。
詰めるアブドゥルカリコフは右を振りバックハンドも、詰めるアバソフは再び蹴り足を掴んで押し込み、放し際で右を振る。
再びアブドゥルカリコフのローブローで中断。サウスポー構えのアブドゥルカリコフは左の蹴り、さらにオーソに戻し右の蹴り。遠間に立つアバソフは強引に左右で詰めて左で差して押し込み。
右で小手に巻くアブドゥルカリコフ。右でシングルレッグ狙いも金網背にするアブドゥルカリコフは尻を着いてもすぐにスイッチで立ち上がる。圧力かけるアブドゥルカリコフにアバソフが左オーバーハンドを見せてゴング。
2R、すぐに詰めて左で差して金網に押し込むアバソフ。突き放すアブドゥルカリコフが左のショートフック。大きな左右のアバソフはシングルレッグへ。しかしケージ背にするアブドゥルカリコフは、足を手繰り頭が下がるアバソフにヒジを落とすがブレーク。
左、さらに右ショートフックのアブドゥルカリコフに、詰めてシングルレッグのアバソフだが崩せず。離れるアブドゥルカリコフは左前蹴りも、詰めるアバソフにローブローが入ったとアバソフは主張。再開。
Ali Abdulkhalikov with the spinning backfist in round 2!
— RIZIN FF English (@rizin_English) November 4, 2023
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サウスポー構えになるアブドゥルカリコフに、シングルレッグから足に挟んで引き出しスタンドバックにつくアバソフだがゴング。
3R、ともにオーソドックス構え。左前手を振るアバソフは左右で前に。下がりながらジャブを突くアブドゥルカリコフはワンツーも。いったんサークリングしたアバソフに、オーソから左ミドルを当てるアブドゥルカリコフ。アバソフは胴に組んで押し込み、シングルレッグも左を差すアブドゥルカリコフ。四つから体勢を入れ替えて離れるアブドゥルカリコフ。
右の前蹴り、バックフィストのアブドゥルカリコフをかわすアバソフはジャブを受けながらも右を振って押し込みシングルレッグへ。ここも頭が下がると鉄槌、ヒジを受けるシングルレッグで倒せないアバソフ。ブレーク。
アブドゥルカリコフは左三日月蹴り。さらに左右からアブドゥルカリコフから組んでダブルレッグテイクダウン! アバソフの立ち際をもう一度、ダブルレッグでテイクダウンしてゴング。
判定は3-0でアブドゥルカリコフが地元アバソフを下して勝利。試合後、アブドゥルカリコフは「アゼルバイジャンの皆さん、応援ありがとうございます。勝利は勝利、言葉で表すことは難しいです」と語った。