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2023年8月27日(日)『ROAD TO UFC(RTU)シーズン2』(シンガポール・インドアスタジアム)が開催された(U-NEXT配信)。優勝者がUFCとの契約を獲得するトーナメント準決勝。
日本からはフライ級で鶴屋怜(vs.マーク・クリマコ)、バンタム級で上久保周哉(vs.シャオ・ロン)、フェザー級で神田コウヤ(vs.リー・カイウェン)、ライト級で原口伸(vs.パク・ジェヒョン)の4選手が準決勝を戦った。
前日の『UFC Fight Night: Holloway vs. Korean Zombie』では、本戦で中村倫也が完勝も、風間敏臣と木下憂朔がTKO負け。RTUでも中国、韓国、モンゴル、タイなどアジア各国の台頭もあり、重苦しい空気のなか、鶴屋は日本人トップバッターとして2日目のシンガポールインドアスタジムに登場した。
フライ級準決勝で鶴屋怜が対戦する25歳のマーク・クリマコは、北米AKAで練習。LFAでも白星を重ねており、キャリア唯一の敗戦が日本の堀内佑馬との1戦で、堀内がクリマコの前足を踏みつけての右ストレートで1R KO勝ちを収めている。2023年5月のRTU1回戦ではイ・ジョンヒョンをテイクダウンで下している。
対する鶴屋は、MMA7戦無敗でこれまで全試合をフィニュシュしている21歳のプロスペクトだ。
現在PANCRASEフライ級王者でもあり、初の国際戦となった5月の1回戦では、インドネシアのロナル・シアハーンを2R、父・鶴屋浩ゆずりのVクロスアームロックで極めている。
パラエストラ千葉ネットワークでのフライ級勢──征矢貴、杉山廣平、内田タケル、松井斗輝らとの練習に加え、ロータス世田谷、TRIBE TOKYO MMA、ALLIANCEなどにも出稽古。若松佑弥、堀内佑馬、上久保周哉、藤井伸樹らとも肌を合わせていることを事前インタビューで語った。
▼RTU2 フライ級トーナメント準決勝 5分3R
〇鶴屋 怜(日本)8勝0敗・3KO/TKO 4SUB ※PANCRSEフライ級王者 126ポンド(57.15kg)
[判定3-0] ※30-27, 29-28, 29-27
×マーク・クリマコ(フィリピン)9勝2敗・2KO/TKO 1SUB 126ポンド(57.15kg)
1R、ともにサウスポー構えから、いきなりクリマコからダブルレッグテイクダウンを奪った鶴屋。金網際でのクリマコの立ち際にバックを奪うが、立ち上がるクリマコにスタンドバックからシングルフックからパウンド、前転して回して再びバックにつき、正対するクリマコにパウンド。
小手巻き内股投げから足関節へ! ヒザ十字を抜けたクリマコの立ち際に上をキープ。バックを奪う鶴屋はクリマコのスクランブルについて行くが息が荒い。
2R、右ジャブ、左オーバーハンドをガード上に当てる鶴屋。さらにクリマコの左ローに右ジャブを合わせる。ダブルレッグは深追いしなかった鶴屋。
ローシングルでテイクダウンを奪った鶴屋! クリマコの立ち際でスタンドバックを奪うが、スイッチするクリマコに鶴屋はダブルオーバーフックで座り、かんぬきで回して立ち上がり! 追うクリマコが右を突くと右ハイ、左ローも。ガードする鶴屋は下がりながら左フックをかぶせて当てる。打撃でクリマコが追い上げた2Rに。
インターバルで鶴屋はセコンドに「取られてる?」と聞いて「ホーッ!」と声を挙げた。
3R、右前足にローシングルからダブルレッグに切り替えてクラッチして持ち挙げてテイクダウンを狙う鶴屋、着地したクリマコを引っこ抜き、立ち際にバックを奪うと、両足を束ねてからシングルバックからツイスター狙い!
4の字ロックからクリマコの正対際にバックテイク、コントロール。鶴屋を背負うが、着地した鶴屋は正対。頭が下がるとクリマコは細かいヒザ、ヒジ。鶴屋は前転して足関節狙いもヒザは抜けており、鶴屋はバックから股を潜り、脇を抜けてタックル。そこをがぶろうとしたクリマコから頭を抜いて立つ。
サウスポー構えの鶴屋に、クリマコは歩きながら詰めて右ミドル! テイクダウン狙いで頭を下げながらも左手でガードしていた鶴屋。蹴りは頭ではなく、脇の下に当たり、バランスを崩してダウンした鶴屋! すぐに上体を立てると、そこにクリマコは右アッパー! 一瞬、後方に大の字になった鶴屋だが、ここもすぐにクリマコのパウンドの右手を巻き込み、ホレッタでスイープ! 上四方から三角で頭だけを固めてホーン。
判定は3-0(30-27, 29-28, 29-27)で鶴屋が勝利。全試合フィニッシュでのUFC契約を狙っていた鶴屋は、厳しい場面も乗り換えて決勝に進出、「ちょっと……一本で極めたかったけど判定になって悔しかったですね。ここで攻め勝てたのは成長できたと思いますね。どちらが相手でも決勝はしっかり一本で勝ちます」と語った。
鶴屋は試合後、韓国のチェ・ソングクを判定で下したジー・ニウシュイエ(中国)と、年末までにアジアで行われるというフライ級トーナメント決勝に向けてフェイスオフを行った。
日本からはフライ級で鶴屋怜と、ライト級で原口伸が決勝進出。バンタム級の上久保周哉とフェザー級の神田コウヤは惜しくも判定負けで準決勝敗退となっている。
戦績を8戦無敗とした鶴屋は試合後、本誌およびU-NEXTのインタビューに答え、「決勝はフィニュシュしたい」と語った。