日本時間15日24時頃の「本計量」でのパトリシオ・ピットブル。その隣には長男のダヴィ君が同じポーズでパス(C)Bellator/Lucas Noonan
2023年6月16日(日本時間17日)米国シカゴのウィントラスト・アリーナにて開催される『Bellator 297: Nemkov vs. Romero』(U-NEXT配信)に向け、15日(同16日)前日計量が行われた。
コメインイベントのBellatorバンタム級選手権試合では、バンタム級正規王者セルジオ・ペティス(米国)が134ポンド(60.78kg)でパス。
三階級制覇を目指す、現Bellator世界フェザー級王者で、元ライト級王者でもある挑戦者パトリシオ・”ピットブル”・フレイレ(ブラジル)が134.2ポンド(60.87kg)でパスした。
【写真】本計量でバンタム級リミットをクリアしたパトリシオ。この身体が当日、どう変わるかにも注目だ。
驚異の身体を披露したのは、パトリシオだ。ライト級が155ポンド(70.3kg)、フェザー級が145ポンド(65.8kg)でいずれもベルトを巻いてきた闘犬は、このバンタム級の135ポンド(61.2kg)リミットを0.8ポンドアンダーでパス。
本誌既報通り、チカオ・フレイタス トレーナーの長期的な減量計画を遂行した姿でガッツポーズし、兄のパトリッキーは「Easy !!!」(楽勝)とつぶやいている。
Easy !!! pic.twitter.com/LVxFoAucfQ
— Patricky Freire (@PatrickyPitbull) June 15, 2023
「RIZIN王者のクレベル・コイケを倒して以来、このダイエットを続けてきた」というパトリシオだが、そのパトリシオのバンタム級王座挑戦の報にいち早く「可能だ」と反応していたのもクレベルだった。
6月24日(土)『RIZIN.43』北海道大会で鈴木千裕の挑戦を受けるフェザー級王者クレベルは、本誌『ゴング格闘技』(NO.326)のロングインタビューで、「みんなが心配しているのは彼が体重を落とせるかどうかだろうけど、問題ないと思う。彼はライト級王者でもあったけど、身長で言うと小柄だから。パトリシオはBellatorで三階級を制覇したというヒストリーを刻むことになるだろうね」と、バンタム級挑戦に懐疑的な声が多いなか、「減量できる」と断言していた。
続けて「実は、僕もバンタムに落とせる」と衝撃の発言後、クレベルは「注目は、パトリシオがどうリカバリーして、どう試合で動けるか、だよ」とも語っていたのだ。
【写真】本計量から約4時間後の公開計量ですでにリカバリーを見せているパトリシオ。
今回、Bellator PRから公開された「本計量」から約4時間後の「公開計量」では、すでに若干のリカバリーを実行している両者の姿を確認することができる(写真上)。
約10秒、フェイスオフで向き合ったパトリシオとセルジオ。正面を向くと、右肩に正規王者のベルトを掲げたセルジオに対し、パトリシオはベルトを指差し、“俺のものになる”と示している。
現在、バンタム級には「2人の王者」がいる。
堀口恭司も参戦したバンタム級ワールドGPでは、決勝でラフェオン・ストッツを1R、ヒザ蹴りでKOに下したパッチー・ミックスが、「暫定王者」として待ち構え、統一戦を控えている。ミックスはSNSに「セルジオvs.パトリシオを見に行き、どちらが次の相手になるのか確かめる」と記している。
【写真】「暫定」王者のパッチー・ミックス。バンタム級とは思えない大きさだ。
さらに、7月30日の『超RIZIN.2』で新王者が決まるRIZINバンタム級勝者(朝倉海vs.フアン・アーチュレッタ)とのダブルチャンピオンシップもプランに上がっているという。そして、パトリシオ自身は、Bellatorに新設されるフライ級王座(7.30 堀口恭司vs.神龍誠の勝者が初代王者)も視野に入れて「四階級制覇」も可能だと発言している。
しかし、堀口恭司をハイキックからのバックフィストで4R 逆転KOに下した正規王者も堀口との再戦を求め、二階級制覇を望んでいる。ヒザ十字靭帯の損傷から1年半ぶりに復帰し、5Rを戦うセルジオ。階級を下げたパトリシオにとっても長丁場の王座戦の5Rをいかに戦うかは課題となるだろう。
【写真】上は直近の大晦日フェザー級でのクレベル戦。写真下は2019年5月にライト級でマイケル・チャンドラーを1R TKOに下して戴冠したパトリシオ。
さまざまな展開を秘めた「バンタム級タイトルマッチ」。最後にベルトを巻くのは誰か?