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インタビュー

【RIZIN】鈴木千裕、ボブ・サップ殺法でクレベルの寝技を封じるか「ぶっちゃけ、寝技には力。『パワーの前には技術は無意味』」=6月24日(土)『RIZIN.43』

2023/06/15 19:06
 2023年6月24日(土)北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナで開催される『RIZIN.43』のメインイベントで、RIZINフェザー級王者クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)に挑戦する鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が15日、所属ジムにて公開練習。クレベルの寝技に対し、「ぶっちゃけ力で防げる。ボブ・サップが言ったように『パワーの前には技術は無意味』」と、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラを苦しめたパワースラムの再現を予告した。  初代KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者として、キックとMMAの二刀流で戦う鈴木は、公開練習でキックのタイマーのまま、1R3分のミット打ち。“疑似練習”ではなく、オープンフィンガーグローブを着用して気合の入ったパンチ・キックでは、ヒジ打ち、ボディ打ち、アッパーなど、テイクダウンを狙う相手にかち上げるような動きも見せた。 「コンディションはいつも通りですね。特に変わりは無く、風邪を引かなければバッチリです」という鈴木は、ガチモードの公開練習について、「今日の3分のラウンドは二刀流をやっているので、キックの要素入れてその中で倒し切ると。(試合への)覚悟を見せようかなと思って。みんなが見たいのは僕の打撃だと思うので、思いっ切り振っていこうかなと」と、「思いっ切り」のキーワードで語り始めた。  試合のテーマは「もちろんKOしてチャンピオンになること」ときっぱり。  その展開を「一方的に引き込まれるか、一方的に打撃で倒すかのどっちかだと思うので、僕はもちろん打撃の展開に持っていこうと思っています」と、あらためて打撃勝負を語った。 クレベルは打撃も「ものすごく強い」  寝技が武器の王者クレベルの打撃については、「自分はものすごく強いと思ってます。寝技が突出してるあまり、打撃はそんなに評価されていないと思うんですけど、打撃も上手いですね。細身の人の方がパンチ力は強いんですよ、実は。見た目ががっちりしている選手よりも一発はあると思います。なので一切、気は抜かないで仕上げているので大丈夫です」と、自身のフィールドでも油断はないという。 「タックルに繋げる打撃と当てる打撃のメリハリが強い。“誘い打撃”と“ダメージを与える打撃”の2種類を使い分けている」というクレベルのスタンドについて、“誘い”とは、もちろん組み技に繋げるための打撃だ。  その動きについても「研究したところで……と自分は思っているんで、思いっきりバーンとぶつかって倒そうかなと思っています」と、天才肌の表現で語る。  序盤から打撃で一気に行くのか、と問われた鈴木は、「もちろんチャンピオンになるには、勝つためには何かを賭けないと。何もリスクなくチャンピオンになった人はいない。僕にとってはその最初じゃないですか。1発目に勇気を出して前に出る、というのは。倒されるかもしれないし、別に行かなくてもいい、見合って作っていくというのもありますけど、そういうリスクを取って攻めるのが価値があって代償もある」と、スロースターターのクレベルに対し、もっとも勝機の高い序盤に、リスクを背負って勝負をかけると宣言した。 「僕のこれまでの経験上、駆け引きする選手はそんなに強くないですね。練習してれば勝手に動きに出るんで。練習が足りないと“どうしようかな、作戦うまく行くかな”という考えが出ちゃう。ちゃんと練習していたら目を瞑っていても試合が出来る。身体に入っているので。あとはセコンドのコーチングを聞ければ」と、駆け引き無しだという。 [nextpage] テクニックとしてのパワーを使う──思いっ切り当てて、思いっきり剥がせばいい  強く打てば、倒すチャンスが生まれる。一方で組まれる可能性も高まるが、組み技対策については「特に考えてない」という。 「来たら思いっ切り当てて、来たら思いっきり剥がせばいいので。それ以外ないんじゃないですか。試合なんでお互いさま。来たら倒せばいい。そんなに難しくないですよ、格闘技って」  さまざまな出稽古先、パラエストラ八王子や沖縄での組み技の練習も経た上で、鈴木は寝技についてシンプルにとらえている。 「ぶっちゃけ力ですね、寝技は。フィジカルだと思いますね。どんなに腕十字とか三角(絞め)とか来ても、思いっきり持ち上げてバーンってやったら外れるじゃないですか。ボブ・サップも言ってたんですよ。『パワーの前には技術は無意味だ』と。その要素はすごくあると思って。  みんな硬く考えすぎなんですよ。『テイクダウンされたらどうする?』とか。倒されなければいい話だし、倒されても立ち上がればいいし。テクニックで対応してやろうとか、そういう余計なことを考えるからやられちゃう」  ボブ・サップがアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラをスラムしたように、鈴木がクレベルをスラムすることも可能なのか。日系ブラジル人のクレベルに対し、ペルー人の父と日本人の母を持つハーフの鈴木も、そのフィジカルには自信を持っている。 「踏ん張るしかないんですよ、結局、寝技とか関節技とか極められたときに、そこでただで負けるのは一番、嫌じゃないですか。がむしゃらに踏ん張るしかなくて、そこで踏ん張るためには力が必要」と力説するが、それは鈴木にとって「テクニック」のひとつだともいう。 「その外す技術を使うにも、動く・外す・持ち上げるっていうのもパワーとテクニックが必要なわけで。そのテクニックを活かすためにもパワーが必要で、結構、誤解されるんですけど、“フィジカル練習もテクニックのひとつ”だと自分は思っていて、そういうアドバンテージが自分に効いていると思う。ある意味、矛盾はしているんです。テクニックのパワーを使って勝負しようかなと思っています」 [nextpage] イメージは五味さん。合同練習で「パウンドや打撃力が勝手に強くなっちゃう」  もちろんそこにはリスクも伴うが、下の選手にとってもっとも危険でリスクがあるのも、上からの打撃だ。 「逆に極められるということもあると思うんですけど、そこは漢として一発勝負ですよ。(サップがノゲイラを持ち上げたようにやる?)しかないんじゃないですか」と鈴木は勝負の際(きわ)を語る。そのイメージはいま練習をともにしている“火の玉ボーイ”五味隆典だという。 「(寝技のロジックは)自分には合ってないですね。来たら剥がして殴って。イメージでいえば五味(隆典)さんですね。ネチネチしないで豪快に倒す、豪快に(組み技を)剥がす、その戦い方が一番いいのかなと思って。みんなそれが見たいじゃないですか。変になんか膠着して“何やってるんだろう”という試合よりも、やられるんだったら豪快にやられて、やるんだったら豪快にやる──そういうMMAが僕はしたいんで。  五味さんからは『もう行くしかないよねー』って。僕も『そうですよねー』って(笑)。もうほんとうに(クレベルは)寝技が上手いから『今さら技術をやってどうすんの?』とは言われますよね。『僕もそう思ってました』という会話をして。今日もこれから五味さんのところに練習で気合入れてきます」と、試合まで10日を切っても、五味のラスカルジムで自身の身体をいじめに行くという。 「それぞれ、いろんなところで練習しているので、それぞれの強みがあって、五味さんのところでの練習は、もちろん技術うんぬんはあるんですけど、一番大きいのは“身体全体の強さ”というか。全身を使うトレーニングがすごく多いので、パウンドとか打撃力とか勝手に強くなっていっちゃう。そういう練習というか、いまの時代、賛否両論あると思うんですけど、自分は必要だと思っています」と、「自然につく」身体の力を持って、スタンドでもグラウンドでも打撃を叩きこむとした。 [nextpage] 立ち技からの転向組には「5、6倍やらないと追いつかない」  近年、立ち技競技から、平本蓮、久保優太、芦澤竜誠、皇治とMMAへと転向する選手が増えているが、中学生時代から総合格闘技を習い、2017年2月のPANCRASEでプロデビューを果たしている鈴木は、立ち技出身選手の転向について、「各々、好きにやればいいと思うんですけど、MMA選手の5、6倍くらいやらないと追いつかないんじゃないですか。みんな同じように練習しているわけで、マイナスから穴を埋めるというのはやっぱり難しいこと。才能とかも関係すると思うんですけど……もしその人たちがチャンピオンになっていたら、自分は世界チャンピオンになっていると思うんで。そんな甘くないですよ」と、「簡単ではない」という。  立ち技も並行し、RIZIN5連勝で掴んだMMA6年ごしのベルト挑戦を成功させた後は、「世界」と戦うつもりだ。 「年末のBellatorとの対抗戦でRIZIN、日本側が全敗してすごく悔しかったんで。やっぱりやり返さないと。日本最高峰を謳うなら、やっぱり1勝を取らないと負けてらんないんで、チャンピオンになったらパトリシオ・ピットブル選手とか、Bellator勢に乗り込むというのが面白いと思います」と、目標を見据える。  鈴木は二刀流のなかで“本物のチャンピオン”になりたいという。 「“本物”というのは誰とでも戦う選手。デビュー数戦で挑戦とかじゃなく、ある程度、スジはあると思うんですけど、“この人と戦いたくないな”って選択をするのは、チャンピオンとしてどうなの? って。誰が来ても“いいよ、やろうよ、俺はチャンピオンだから負けないよ”っていう構えられる強さが本物だと思う。自分が納得したうえで逃げない。総合でチャンピオンになっても“キックでは勝てないでしょ”とか、そういう文句がつかないよう“キックでもムエタイでも総合でも全部で勝てるよ”というのが本当にかっこいい選手、本物だなって。何でも黙らせられるのが一番かっこいい本物の選手」と、外野に文句を言わせない強さを獲得したいと語る。  その意味で、欧州KSW、RIZINでの連戦でパトリシオとも戦ったクレベルは、鈴木が目指すべき“本物のチャンピオン”だ。  鈴木は最後に、「やっとここまできたので、しっかりKOして二刀流を体現して。キックでチャンピオンになったので、第1章は終わり。第2章の最終章を楽しみにしてください。絶対KOして、RIZINを世界へ持っていけるように頑張るので、皆さん応援よろしくお願いします」と第2章の集大成として、KOでの王座奪取を誓った。
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