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【Bellator】パトリシオ・ピットブル、王者セルジオ・ペティスに勝るのは「俺の意志だ。誰も俺のような意志は持っていない」、堀口vs.神龍のフライ級制覇にも意欲「日本で毎年戦いたい」=6.16『Bellator 297』

2023/06/15 09:06
 2023年6月16日(日本時間17日)米国シカゴのウィントラスト・アリーナにて開催される『Bellator 297: Nemkov vs. Romero』(U-NEXT配信)に向け、13日(同14日)記者会見が行われた。  現Bellator世界フェザー級王者で、元ライト級王者でもあるパトリシオ・”ピットブル”・フレイレ(ブラジル)が三階級制覇を目指し、現バンタム級正規王者セルジオ・ペティス(米国)に挑戦するタイトルマッチに向け、メディアインタビューに応じ、まさかの「四階級制覇」への意欲と、セルジオの元コーチのダニエル・ワンダレイがピットブルブラザーズ陣営入りしたことなどについて語った。  まずは、冒頭で「歴史に名を刻む」と宣言したパトリシオ。 「長いことフェザー級王者で、マイケル・チャンドラーを1分15秒でKOして手に入れたライト級王座は返上し、それを兄が勝ち取り、“ピットブル兄弟王者”という新たな歴史を刻んだ。そして、今度はこの機会、バンタム級王座をかけてセルジオと戦う時がきて、この機会に感謝している」と、さらなるレガシーを築くと語った。  ライト級からフェザー級、そして今回のバンタム級での王座挑戦のための身体作りについて、無理なく順調に減量できたといい、既報通り、チカオ・フレイタス トレーナーの長期的な減量計画を遂行したことを明かした。 「階級を落とすということがこんなに簡単だなんて信じられないくらい。RIZIN王者のクレベル・コイケを倒して以来、このダイエットを続けてきた。あれからずっと落としていたんだ。体重は8ポンドしか増えていなくて、これ以上ないくらい簡単だった。フェザー級の身体を作るよりも簡単だった。自分の体重を自然と落としながらも、その練習によってスピードを維持して、というか、より速くなることができ、強さを維持しながらやれた。これは、最高のコーチ、フレイタスのおかげだ。準備は万端。世界に衝撃を与える準備は整っている」  報道陣から「多くの王者は一度でも階級の頂点に立てば、そこにいることに安寧したいし、勝利にすがり、大金を得たいと思うもの。にも関わらずあなたは新たなチャレンジへと向かう。快適なところにいようとせずに階級を変えるなどという挑戦をなぜできるのか」と問われると、パトリシオはそれが自身の生き方だという。 「俺には安住なんて考えはない。俺は常に前進したい。挑戦することを愛してる。だからこそ常にハードな生き方を選択して来れているんだ。今回のようにね」ときっぱり。  また、これまでメジャープロモーションにおいて三階級制覇王者はおらず、前人未到の快挙を成し遂げたいのかと聞かれ、「そんなことを考えてるんじゃない。自分は、他の誰かが自分をどう思ったり何を望んでいるかを気にしない。俺の目の前には、とても危険で、とてもテクニカルで、そしてとても優れた世界王者が立ちはだかっている、その名は、セルジオ・ペティス。俺は、135ポンドの世界王者になる、ということに集中している。その目標を達成してから先に、皆が、俺になってほしいと思っている景色を見ることになるのさ」と、バンタムを制することに集中していると語る。  そのバンタム級での戦いに向けての練習では、5分5Rの王座戦のために、+1Rと1分長いラウンドで練習を積んできたという。 「すごくいい準備ができていて、自分の戦略として、2人のフライ級とバンタム級の選手を入れていて、彼らはセルジオ・ペティスより速い。だから、6ラウンド×6分の練習を彼らとやってきたんだ」  また、その練習にはかつてセルジオ・ペティスをコーチしていたダニエル・ワンダレイが合流している。  アルバラシンコーチは、「ダニエルはペティス兄弟を8年間指導してきた。ダニエルと初めて会ったとき、『自分はペティスとは仕事をしない』と言った。『家庭を支えなければならないし、これは私の仕事であり、私自身はピットブルブラザーズの一員となることに興味がある』と言ったんだ」とチーム入りの経緯を語る。  強力な援軍に、パトリシオもSNSで「この試合のために自分のキャンプにダニエルコーチが来てくれたこと、プロ意識に本当に感謝している。彼は8年間、セルジオを指導していたが、ここしばらくは一緒に仕事をしていなかったので、こちらの招待を受け入れてくれた。ダニエルはこのキャンプだけでなく、自分にとって大きな財産となった」と手ごたえを記している。  また、日本のRIZINで大晦日の対抗戦に出場したことについて、今後も参戦を望むかと問われ、「毎年出たい」という。  兄のパトリッキー・ピットブル・フレイレは、パトリシオと1勝1敗のライバルだったAJ・マッキーと7月30日の『超RIZIN.2』で試合に臨む。  この対戦については、「俺たちは、彼についてはよく知っている。いい選手で、タフで。俺は、兄が彼(AJ)をノックアウトすると信じている。自分がやるかどうかについては、分からないけれど、おそらく、ライト級に自分が上げることがあるならば、であって、きっと彼はもう落とさないんじゃないか」と、さいたまでの兄のGP初戦突破に自信と、3戦目があるとしたらライト級での戦いになるとした。  セルジオ・ペティスもパトリシオもともに危険なストライカーだ。どんな試合になるかと問われた“ピットブル”は、「スナイパー同志の戦争になるだろう。そして、俺のパワーは、別物だ」とシンプルに力強く答える。 [nextpage] 三階級制覇のその先は──  三階級を制した先に、パトリシオは何を見据えるのか。 「どうだろう、パッチー・ミックス戦か、RIZINチャンプ(7.30 朝倉海vs.フアン・アーチュレッタの勝者)とやるのか、もしかしたら4つ目のベルトを狙いに行くかもしれない。どうなるかはわからないけれど、自分は気分もよく、とても健康な状態だから」と、バンタム級GP決勝でラフェオン・ストッツを1R KOに下し暫定王座についたパッチー・ミックスとの王座統一戦、RIZIN新バンタム級王者とのダブル王座戦、さらにBellatorに新設されるフライ級王座(7.30 堀口恭司vs.神龍誠の勝者が初代王者)も視野に入っていることを明かす。  この壮大な挑戦の始まりのために、アルバラシンコーチはいかなる戦略で向かったのか。 「まずは体重を作れるかどうか。パトリシオ・ピットブルは135ポンドを簡単に作れるし、155でチャンドラーを1分で倒すこともできる。チャンドラーとマクレガーは185でやるだろうから、その事実は彼をより偉大にする」と前置きし、その取り組みについて語った。 「まずは可能性について、体重を作れそうかを専門のコーチに聞いた。自分は疑っていなかったが。この勝利を成し遂げられると。UFC288でセフードは(アルジャメイン・スターリングとの)世界王座戦で、3年の離脱を経て、皆の知る通り、僅差のスプリット判定負けを喫した。その瞬間は自分としては燃え尽きたような気分だった。このままではいけない、と思って、前人未到の偉業を成し遂げて覇者となろうとしているパトリシオのために、自分は全てを投げ打つ決心をした」と、セフードの3年ぶりの復帰戦にしてバンタム級王座挑戦が、気づきを与えたという。 「UFC288のあとアリエル(ヘルワニ)のショーに出て、ブラジルに戻りジムに行くと、パトリシオはペティス兄弟を8年指導してきたコーチを引き入れていた。彼はあらゆる手段を用いる決意をしていた。この勝利のために。何でもやってやるという意志も感じた。普通のアスリートでは6月かけてだってできないような食事療法を8週間でやってのけたんだ」 「GOAT」(Greatest Of All Time)とはどんな存在か。その肩書きを確固たるものにするのに、タイトルをより多く獲得するのか。  パトリシオは「分からない。たくさんのGOATと呼ばれる人がいるけれども、誰も三階級覇者ではない。それが違いだ」と答えると、アルバラシンコーチは、「6.16、パトリシオ・ピットブルは最も神に近いGOATに、GOATマウンテンの頂きに立つ、俺はそう思ってる」と鼓舞。パトリシオも「まずは、スウィングしようじゃないか」と頂点に向け臨戦態勢にあることを語った。 「自分は別に誰が最高かなんてことを語る権利はない、それは他人がすることだ。自分が気にかけていることといったら、“己の使命を完遂する”ということだけ。それは他の人が判断すればいい。数字や事実を見てみればいい」  最後に「あなたがこの試合で有利だと思う点は?」と問われたパトリシオは、こう語った。 「俺の意志だ。誰も俺のような意志は持っていない。誰もだ」  6月16日、新たな歴史が生まれるか。
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