これまでのテイクダウンの攻防とは異なるものになる
──アルダナ選手はストライカーとして見られることが多いですが、寝技も見逃せません。2022年9月の前戦でメイシー・チアソンを破った下からのレバーへの蹴り上げ、ヒールキックにも驚かされましたが、チアソンのダブルレッグに、カウンターの腕十字を仕掛けた動きは狙っていたように見えました。あなたはチアソンの組みに右手でオーバーフックしてまたいで……。
「ああ! あれはたくさん積み重ねてきた動きです。あの試合のためだけではなく。確かにもう少しで十字固めで仕留められたと思いますが、対戦相手が少しタップしたので、放してしまったんです。それは間違いでしたが。でも本当にもう少しで、あの技でフィニッシュできるところでした」
──しかし、アルダナ選手は柔術が出来るがゆえに、下を選択することもあります。ヌネス選手のジュリアナ・ペーニャとの再戦でのテイクダウンゲームを見る限り、いまのヌネス選手を相手にボトムになることはかなりリスキーに感じますが、その点についてはどう考えていますか。
「アマンダとはどのように戦っても危険です。でも、どのような試合運びになってもどのポジションになっても戦えるように準備してきました。
テイクダウンとそのディフェンスについては、素晴らしいコーチやチームメイトがいて、レスリング、柔術のコーチたちにたくさん助けてもらっています。テイクダウンディフェンスの質を高めなくてはいけませんでしたし、私自身はテイクダウンディフェンスのパーセンテージがあまり高くありませんでしたが、この試合に関しては例外になると思います。私は彼女のテイクダウンを止めることができると思いますし、もしできなくても何をすべきかは分かっています。たとえバックを取られても、グラウンドに行っても。また、上を取る・取られる可能性もありますが、どのようなポジショニングになっても、対応できるように準備しています」
──なるほど。ヌネス選手に勝った数少ない選手は、自ら打撃でプレッシャーをかけることに成功しています。
「そこも全方位で準備しています。特にストライキングに関しては、特に改善しようとしてきましたし、ボクシングはよりテクニカルになっていると思います。アマンダに対して打撃を当てることができると思っています。
クラシックなメキシコのボクシングをMMAに融合させた打撃を見せたいと思います。そして、メキシカン・ハート(メキシコ魂)というのが自分が(この世界にもたらせたもの)=持ち味なのでそれを見てほしいです」
──おおっ、それは楽しみです。ところで、あなたは大学でグラフィックデザインで学位を持ち、プロの写真家でもありました。ヌネスの動きを写真で撮るとしたら、特徴はつかめていますか?
「“ライオネス(ヌネスの愛称)”のように撮るでしょうね。そして私は、メキシカン・ジャガーとして、彼女の隣で。UFCのカードにとてもいいと思いますよ。私たちはそういったものがなかったので、作ってみます(笑)」
──さて、いよいよ試合です。23歳という決して早くない年齢から格闘技を始めたあなたにとって、このチャンピオンシップはどいういう意味を持ちますか。
「自分にとって素晴らしい業績だと思っています。メキシコ人にベルトを渡せる存在になれることにエキサイトしていますし、メキシコ人としての誇りを持っています。
メキシコに4本目のベルト(フライ級王者ブランドン・モレノ、フェザー級暫定王者ヤイール・ロドリゲス、女子フライ級王者アレクサ・グラッソ)をもたらせること、メキシコ人であることを誇りに思います。私はただ、この喜びを分かち合いたいです。私のキャリアを通じてずっと応援してくれるみんな、それはメキシコ人だけでなくて、全世界の人々に対してそう思っています」
──最後に日本のU-NEXTやUFCでの配信で試合を見るファンにメッセージを。
「たくさんのMMAを見る中で、私はアジアンファイターの戦いも見ています。特に日本人選手のハードに戦う姿に尊敬の念を抱いています。今回、日本でも配信される私の試合にもぜひ、注目してみてください!」
──ファイトウィーク中のインタビュー、ありがとうございました。Les deseo buena suerte!
「グラシアス!」