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【RISE】大激闘のフルラウンドを制したのは中村寛、大﨑一貴が後ろ廻し蹴り一閃、華麗なKO勝ちで世界王者に。ラウンドガールの宮原華音が秒殺KO勝ち

2023/04/21 18:04
【RISE】大激闘のフルラウンドを制したのは中村寛、大﨑一貴が後ろ廻し蹴り一閃、華麗なKO勝ちで世界王者に。ラウンドガールの宮原華音が秒殺KO勝ち

撮影/安村発

RISE 167
2023年4月21日(金)東京・後楽園ホール

▼メインイベント RISEライト級(-63kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R
×直樹(BRING IT ONパラエストラAKK/第7代RISEライト級王者)
判定0-2 ※48-49、48-48、48-49
○中村 寛(BK GYM/挑戦者・同級3位)
※中村が第8代王座に就く。直樹は初防衛に失敗。


 直樹は伝統派空手出身で、2015年RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級で優勝後、独特の間合い操作と当て感の良さでRISEライト級の上位選手として長く活躍。2019年11月にはムエタイ大会『スックワンキントーン』でスーパーライト級王座決定戦に勝利し、プロ初戴冠を果たした。2020年10月の「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」では準決勝で優勝候補の白鳥大珠をTKOで破る番狂わせを演じ、決勝では原口にKOで敗れるもインパクトを残した。2021年1月には第7代ライト級王座に就き、9月には白鳥との再戦で返り討ち。2022年4月に山田洸誓との王者対決でKO負け、8月にはGLORYのドイツ大会で判定負け、10月にチャド・コリンズにKO負けと3連敗中。戦績は19勝(10KO)8敗。


 中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも評される。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群のパンチを武器に、2021年7月には大雅からダウンを奪って判定勝ち。11月にはYA-MANに判定負けを喫したが、大激闘を演じて強烈なインパクトを残す。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではレオナ・ペタスから番狂わせの勝利を収めた。しかし、10月のチャンヒョン・リー戦では2RにTKO負け。12月の再起戦では伊藤澄哉を2RでKOした。戦績は13勝(11KO)5敗。第6代DEEP☆KICK -60kg王者。


 1R、右カーフを蹴るサウスポーの中村に、直樹は右ミドル&右ハイ、そして右インローを蹴っていく。飛び込むような左ストレートを放つ中村。直樹は右ハイを浅くヒットさせた。オープンスコアはジャッジ1名が中村を支持。


 2R、直樹はジャブを出し、左手を前に出して中村をけん制。強い右インローを蹴る。中村も左インロー、直樹はすかさず右ボディを打つ。中村が前に出てくると直樹は右ボディ。そしてジャブを突いて右インロー。中村も左インロー。直樹は左手を伸ばして中村の突進をけん制する。左へ回り込み、右の蹴りを放っていく直樹。中村は右カーフから前へ出ようとしたが、直樹がジャブ、右ストレートでそれを許さない。間合いを操作する直樹が右ストレートをヒット、さらに細かくパンチを当てていく。中村は入り込もうとするもそこへ直樹が左を伸ばす。ジャッジ1名ずつが直樹と中村をそれぞれ支持。


 3R、一気に入り込む中村とそこへ左右のパンチを合わせに行く直樹。中村は強烈な左インローで直樹の体勢を崩す。ジャブと右ストレートで中村の侵入を防ぐ直樹に中村は不敵な笑みを浮かべる。すると直樹はボディへヒザ。細かく中村の顔面にパンチを当てていく直樹に中村が左ストレートの強打。しかし、直樹も右フックで逆襲。この右フックが何度も中村を捕らえる。一発の強打か、手数のヒットか。ここはジャッジ3名とも直樹を支持。


 4R、左でけん制して間合いを操作する直樹は右ストレート、左ミドル。中村は飛び込んでの左から焦ったかつかんでのヒザを連打して注意を受ける。直樹はヒザ蹴りから左右連打も、ヒザがローブローと判断された。さらに細かく左右のパンチを当てていく直樹。右ストレート、左フック、ヒザ蹴り、またも右ストレートと直樹がヒットを奪う。


 しかし、中村の左フック強打に直樹がグラリ。前へ出て勝負をかける中村に直樹は左フック。これに中村が多きくグラつく。中村も左ストレートで逆襲。直樹は右ストレートを連打、中村も左ストレート。互いに被弾してグラつく。互いのパンチがヒットするたびに場内から大きな歓声が沸き上がり、両者とも相手の攻撃を被弾。直樹はヒザをボディへ突き刺す。ジャッジ1名が中村を支持。


 5R、中村の左ミドルに直樹は右アッパーを連続で突き上げる。中村は前蹴りから左ストレート、直樹が大きくグラついて後退し、中村は左ストレート、左フックの追撃。直樹は右で反撃も中村の左フック、左ストレート、ヒザをもらう。直樹の右ストレートは力がなく、中村の力強い左フックが目立つ。


 勝負を懸けて左フックを大振りする中村。さらに左インロー。が、今度は直樹の左フックで中村は棒立ちに。一気に連打をまとめる直樹。中村も打ち返し、激しすぎるシーソーゲームに場内は割れんばかりの大歓声に包まれる。両者打ち合いで中村の左フックがヒット。それでも立ち続ける直樹。最後まで打ち合いが続き、終了のゴングが鳴ると場内は悲鳴のような歓声に包まれた。


 判定は2-0で中村の勝利に。大激闘を制して王座を奪取した。両者は笑顔で抱き合い、言葉を交わす。敗れた直樹はリングを降りる寸前、こらえきれず涙も場内は大きな拍手で元王者を称えた。


 中村はマイクを持つと「俺は1RでKOして俺以外が比べ物にしてる人に証明すると言ったんですが、直樹選手は尊敬する人で認めています。直樹選手はもちろん、直樹選手を応援に来てくれた皆様に俺の応援団から拍手を送ってください。元チャンピオンだとは思っていません。チャンピオンを受け継ぎました」と、試合前は舌戦を繰り広げた直樹を称えた。


 続けて「僕、足が外に向いて生まれて立つことも出来ないと言われて。0歳の時に母親が必死こいてリハビリしてくれて僕は健常者になることが出来ました。この場を借りてかあちゃんに言いたいです、産んでくれてありがとうございました。もっともっと成長してやりたことを必死こいてやったら王者になれると証明したので、これから日本の期待を背負ってもっと強くなります」と、脚に障害を持っていたという意外な過去を打ち明けてさらなる成長をしていくとマイクアピールした。

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