僕にとっては、妻が「自分の番」を迎えることが重要なんだ
試合前の本誌のインタビューでヘンダーソンは、今回のGPがキャリアの最終章になることを語っていた。
「まずはGPを戦い抜くこと。僕にとって、僕の最期はこの3戦で、それで終わりになる。次は妻の番だ。マリアがBellatorと契約したからね。妻は、多くの妻がそうであるように、自分のキャリアを先延ばしにした。妻は4人の子供を産み、今はジムでトレーニングをしているから、次は僕がその世話をする番だ。
トム・ブレイディ(元NFL選手)を見れば分かるように、定年退職を迎える人は皆、もう1回プレーできると考えていると思うけど、僕にとっては、妻が自分の番を迎えることが重要なんだ。彼女はトレーニングに集中する必要があるし、MMAで良い成績を残すために必要な仕事量もある。子供たちの世話をするのが主な仕事である以上、その時間を確保するのは難しいんだ。だから今度は僕が子供の面倒を見たり、学校の送り迎えをしたり、そういうことをやっていって、妻のキャリアの育成に集中していければいいなと思っている」
マリアと最後のケージなかでキスをかわしたヘンダーソンは、今後、妻のBellatorでの試合のセコンドにつくことになる。
そして、MMA17勝無敗、王者のウスマンは、5月12日のパリ大会で1回戦を戦うマンスール・バルナイウとブレント・プリムスの勝者と準決勝で対戦することになる。この両者も柔術黒帯。そして元ROAD FC王者のバルナウイは、今回のトーナメントの優勝候補ともいわれている。この勝者との対戦も注目だ。
【写真】現UFC世界ライト級王者で盟友のイスラム・マカチェフと現Bellator世界ライト級王者のウスマン・ヌルマゴメドフ。(C)Bellator
Bellator王者として、元UFC王者に完勝し、GPを勝ち抜こうとするウスマン・ヌルマゴメドフは、強力なケージレスリングを誇るダゲスタン軍団のなかで、ダゲスタンレスリングのみならず、独自のキック、柔術でも極めて、いまなお進化を見せている。
「これで僕にムエタイのベースがあることが分かったでしよ?」と笑ったヌルマゴメドフは、王者のままGPの頂点に立つか。