MMA
レポート

【Bellator】ウクライナから帰還したアモソフがストーリーを完封し統一王者に! フェザー級でケネディがカルバーリョに判定勝ち

2023/02/26 06:02

Bellator 291: Amosov vs. Storley 速報

2月25日(日本時間26日)アイルランド3Arena Dublin
午前1時30分~U-NEXT生配信

▼Bellator世界ウェルター級王座統一戦 5分5R
〇ヤーソラフ・アモソフ(ウクライナ)正規王者・27勝0敗 169.4lb(76.83kg)
[判定3-0] ※50-45×3

×ローガン・ストーリー(米国)暫定王者・14勝2敗 169.4lb(76.83kg)
※アモソフが統一王者に

 正規王者のヤロスラフ・アモソフ(29=ウクライナ)と暫定王者のローガン・ストーリー(30=米国)が対戦。

 アモソフは世界コンバットサンボ選手権で4度優勝するなどサンボをベースとし、2012年のプロデビューか26勝無敗。2022年6月に当時のウェルター級王者のドゥグラス・リマに判定勝ちで王座を獲得した。

 元UFC世界王者ハビブ・ヌルマゴメドフの持つ記録「29」にあと3勝に迫っていたウクライナの王者は、当初は2022年5月にロンドンでマイケル・“ヴェノム”ペイジの挑戦を受け、初防衛戦に臨む予定だった。


 しかし、2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まり、アモソフは家族を移動させてから戦地に戻ることを決断、母国の防衛活動に入った。

 その5月のロンドン大会でアモソフの代役としてペイジと暫定王座決定戦を戦い、ベルトを巻いたのが、今回戦うストーリーだ。

 6月中旬に復帰に向けてのトレーニングを再開したアモソフは、ウェルター級王座統一戦にして、2年3カ月ぶりの再戦に向かうきっかけを、破壊された自宅の地下からBellatorのベルトを見つけ出したときに友人たちからかけられた言葉にあったという。

「『ヤロスラフ、君はこのベルトを防衛しに行かなくちゃいけない』と言われた。長い時間、考えたよ。行くべきか、行かざるべきか。でも多くの人が『行くべきだ』と。だから、僕は行く」

 対するストーリーは、ミネソタ大学ツインシティー校時代にNCAAディビジョン1で4度のオールアメリカンに輝いたレスリングエリート。2022年5月のウェルター級暫定王座決定戦をペイジと戦い、MVPを強いテイクダウン&コントロールで塩漬けにしてスプリット判定で勝利、「暫定」のベルトを手にした。


 アモソフとは20年11月の『Bellator252』で対戦し、スプリット判定でアモソフが勝利。ストーリーはキャリア初黒星を喫している。

 試合前にストーリーは「3Rを十分に戦えたと思っていた試合だ。今回の試合ではペースを上げて、彼の得意なポジションにさせないようにしなければならない。それを解決するには5Rある。それがこの試合の大きな要素だ。25分間、世界最高の2人が戦う。彼はオールラウンドで非常に堅実だ。どの局面でもいいし、弱点がない。ハイペースで戦うこともできるから、最初の戦いはとても接戦だった。両者が疲れているときに、誰が削り続け、そのハイペースを維持できるかにかかっている。だから5Rなんだ。そして最初の戦いからボクシングが劇的に改善した」と、王座戦の5Rで優位に立てると自信を見せている。

 両者ともにタフファイトを覚悟している5Rの王座統一戦。最後にベルトを巻いているのはアモソフかストーリーか。

 青と黄色のウクライナ国旗色のシャツとバンダナで入場のアモソフ。戦地からの復帰でどこまで仕上げられたか。中央でグローブタッチ。


 1R
、ともにオーソドックス構え。先に中央を取るのはストーリー。右ボディを打つ。ヒザを触るストーリーはシングルレッグも切るアモソフはワンツースリー。

 左を当てて右アッパーのアモソフ。下がるストーリーも右を返す。アモソフは右ローキック。インロー、左右から左ハイに繋ぐアモソフ。右目尻から出血のストーリーはアモソフの左ジャブを被弾する。


 ワンツーから右ハイをかすめるアモソフ。ストーリーは長期戦見据えるか手数もアモソフ。ストーリーの入りに細かい左右アッパーをまとめる。ストーリーはテイクダウンを初回後半は見せず。


 2R
、先にシングルレッグはアモソフ。足を抜くストーリー。右を振るストーリー。アモソフに低いシングルレッグもアモソフは反応よく両足を後方に飛ばして切る。

 ジャブのダブルから右ハイをかすめるアモソフ。詰めるストーリーに近距離でクリンチアッパーはアモソフ。ジャブでアゴを上げさせ、左ミドルハイも。詰めるアモソフに抜群のタイミングでダブルレッグに入るストーリーだが、ここも回りながら切るアモソフ。


 すぐに詰めて左右、右カーフと反撃する。アモソフの右カーフについにスイッチして前足を変えるストーリー。アモソフは右ハイをガード上に当てる。さらにシングルレッグへ。ここは固執せずに放してゴング。


 3R
、サウスポー構えになるストーリー。アモソフは左ハイ。その打ち終わりにシングルレッグはストーリーも、頭を押さえ足を抜くアモソフ。ストーリーは右前手でストレート。しかし、アモソフも右ミドルをヒット。さらに左ジャブ、左ロー。左フックを当てるアモソフは打ち合いから一転シングルレッグ、放して右ハイをガード上に当てる。


 右ミドルを打ち込むアモソフ。さらにワンツースリーからアッパーも当てて金網に詰めると、ダブルレッグテイクダウンをストーリーから奪う!

 立つストーリーにスタンドバックにつくアモソフは、背後から左ハイを打ちこみ離れる。追うストーリーにサークリングするアモソフは近距離で右アッパー。最後もシングルレッグに入ってゴング。


 4R
、蹴りをインロー、ミドルと打ち分けるアモソフ。さらに詰めて右フックを打ち込む。ストーリーの入りにスタンドバックについて崩し。放して左ハイまで繋ぐ。ついに四つから脇差し組もうとするストーリーだが、ここもアモソフは突き放す。


 左ジャブを突くアモソフ。ストーリーのシングルレッグで片足を上げられるが、これも足を抜いたアモソフはすぐに反撃。ダブルレッグテイクダウン! ストーリーの立ち際に蹴りを放つ。さらに右ミドル! 右目尻から出血のストーリーに、スタミナを切らすことなくバックフィストから蹴りまで繋ぐアモソフ。左ローを当ててゴング。


 最終5R
、大きく深呼吸するアモソフ。グローブタッチ。シングルレッグのストーリーは、背中を見せて立つアモソフのバックを取ろうとするが、すぐにアモソフは正対。蹴りを放ち、ニータップのフェイク。さらにストーリーのタックルを切る。右ストレートを打ち込み、左前蹴り。なおもシングルレッグのストーリーを切ると、逆にアモソフがシングルレッグを見せて、放す。アモソフのジャブに合わせてタイミングよくシングルレッグに入るストーリーだが、すぐに切るアモソフ。


 足を触り右アッパーのストーリーだが、かわすアモソフは、左前蹴りでストーリーを後方に飛ばすと、前手争いから右ロー、右ミドル! さらに左ジャブ。左右で前に出ると、ストーリーはカウンターのシングルレッグも、その頭に左を突いて足を抜くアモソフがシングルレッグを放して左ハイ、残りわずかでアモソフがダブルレッグテイクダウン! ストーリーに尻を着かせてゴング。


 両者はハグし、アモソフはコーナーに戻り、ATTのマイク・ブラウンコーチらとハグをかわした。


 判定は3-0(50-45×3)でアモソフが完封勝ち。ストーリーのテイクダウンをすべて防いだアモソフは、ウクライナ国旗を肩に、統一したベルトを腰に巻いた。


 ケージの中でビッグジョン・マッカーシーによるインタビューでは、「1分間時間をください」と呼びかけ、「愛しています。私の人々、ウクライナの人々。1年前におかしな男が私の国に攻め込み、子供たちを殺した。どうかウクライナのことを忘れないで。国を守っている人達、ありがとう」とマイク。次の対戦相手を問われ、「スコット・コーカーと相談する。ありがとう」と語った。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント