シュートボクシング
レポート

【シュートボクシング】壮絶決着!山田虎矢太がKOで新王者に、延長3回の死闘を笠原弘希が豪快バックドロップで制してラムナムムーンレックを振り切る、笠原友希がテクニックで完勝、川上叶がムエタイに勝利

2023/02/12 18:02

▼第7試合 65.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R
○笠原弘希(シーザージム/SB日本ライト級王者)
延長3回 判定3-0 ※10-8×2、9-8
×ラムナムムーンレック・ティーデット99(タイ/2022年RWSライト級リーグ戦優勝)
※本戦の判定は29-29×3。延長1回と2回は10-10×3。


 笠原はフェザー級・スーパーフェザー級・ライト級とSB史上初の三階級制覇を達成し、前口太尊、スアレック、重森陽太など他団体の王者クラスを相手に10連勝だったが、昨年12月にチャド・コリンズに判定で敗れ連勝が途絶えた。これまでタイ人選手には3戦全勝の笠原が復活の狼煙をあげるか。


 ラムナムムーンレックは兄のラムナムムーンとラムナムコーンの影響を受け、7歳でムエタイを始めた。2019年9月にS-1スーパーフェザー級王座を獲得し、2022年にはWMC世界ライト級王座も獲得。さらに2022年はラジャダムナン・ワールドシリーズ(RWS)ライト級リーグ戦で優勝した。2021年にはタイのスポーツ局が選定するファイター・オブ・ザ・イヤー(MVP)にも選ばれている。


 現在タイのビッグマッチに欠かせない一流のトップ選手であり、人気も絶大。テクニックはもちろん、力強さと旺盛なファイティングスピリットがあり、笠原は2023年初戦から大変な強敵を迎えることになった。


 1R、サウスポーのラムナムムーンレックが左ローを蹴ると2度続けてローブローに。笠原が右ボディストレートを打つとラムナムムーンレックは左ミドル。その後も左ミドルを蹴っていくラムナムムーンレックだが、ラウンド終了間際には左ストレートをヒットさせ、さらに右フック、左ストレートと猛攻を繰り出してガッツポーズ。


 2R、強烈な左ミドルで場内をどよめかせたラムナムムーンレックだが、笠原は左カーフを徹底的に狙い撃ち。これが何度も決まり、ラムナムムーンレックはあからさまに嫌がる。ラムナムムーンレックのジャブや左ミドルにも左カーフを返していき、ラムナムムーンレックは下がる一方に。


 3R、ラムナムムーンレックは左ミドルや前蹴りを出して下がるが、笠原は左カーフで追い込む。さらにロープへ詰めると必殺の左ボディ。ラムナムムーンレックも左ストレートで応戦する。笠原の投げを抱き着いて防ぐラムナムムーンレック。笠原は蹴り足をキャッチしての左フック連打の猛攻。最後にラムナムムーンレックが首投げを見舞い、笠原がロープをつかんで防いだため協議対象となったが、「協議したが、つかんでいなかったとしても投げれないとの結論になったので判定に影響はない」との説明があり、判定はドロー。


 延長戦はラムナムムーンレックが左ミドルを蹴ってロープをリングを大きく回り込み、笠原がそれを追う展開。ラムナムムーンレックが左ストレートからの打ち合いを仕掛けると笠原もこれに応じて一歩も退かない。判定は再びドローで2度目の延長戦へ。


 ラムナムムーンレックは下がって笠原が来るところへ左ストレート、左ミドル。笠原は右フックと右ミドルで応戦し、両者一歩も譲らない展開。クリンチが増えたため差がつかず、判定はまたもドローに。






 3度目の延長戦、ラムナムムーンレックはパンチを的確に当てる作戦に切り替えたか、左ストレート、アッパー、左ボディストレートをしっかり当てては離れる。そのままラムナムムーンレックの逃げ切りかと思われたが、ついに笠原のバックドロップが炸裂! 高く持ち上げられ大きな弧を描いてラムナムムーンレックは投げられ、シュートポイント2が入った。その後のミドルの蹴り合い、パンチの打ち合いでも笠原は譲らず、判定3-0で強敵を退けた。


 マイクを持った笠原は「ヤバかった、ありがとうございました」とマイクで語った。

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