撮影/安村発
RISE 164
2023年1月28日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第9試合)RISEスーパーフェザー級(-60kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R
〇チャンヒョン・リー(韓国/RAON/王者)
延長R 判定3-0 ※10-9×3
×常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA/挑戦者・同級2位)
※リーが2度目の防衛に成功。本戦の判定は49-48、48-48、48-48。
“韓国の鉄拳”リーは強打を武器に数々の日本人ファイターを撃破。2017年にRISEスーパーフェザー級王座を戴冠。2018年KNOCK OUTアジアトーナメント(ヒジあり)に出場すると町田光、森井洋介をTKOで下し決勝戦へ駒を進めたもののヨードレックペットに敗れ準優勝。2019年3月より開幕した「RISE WORLD SERIES -61kgトーナメント」では1回戦で裕樹に勝利したが、準決勝で梅野源治に敗れた。2022年7月、約2年半ぶりに来日して暫定王者の一馬と王座統一戦を行い、ダウンを奪われるも逆転KOで初防衛に成功している。10月には中村寛から2度のダウンを奪ってTKO勝ち。戦績は28勝(15KO)12敗1分。
常陸はテコンドーをバックボーンに持ち、2016・2017年全日本学生キックボクシング連盟フェザー級王者の実績を持つ。2019年7月に清水将海にKO勝ちしたのを皮切りに現在8連勝中。2022年9月にはシュートボクシングのリングに乗り込み、7連勝していた笠原友希を2RにKOした。YA-MANと同門の強打の持ち主。戦績は9勝(7KO)2敗1分。
1R、圧を懸けていくのはリー。常陸はロープを背負いつつ右のフルスイングを放つ。リーはジャブ、右ロー。常陸は頭を動かしてリーのパンチをかわしていく。常陸が左ボディをヒットさせ、左フックも。リーの動きをよく見て常陸がパンチを当てていった。オープンスコアはジャッジ2名が10-9で常陸。
2Rも前に出るのはリーだが、常陸はジャブと右フックで迎え撃つ。頭を振ってリーのパンチをかわし、左フックを打ち込む常陸。リーも左フックを当て返すが、左フックの打ち合いでヒットを奪ったのは常陸。さらに左ボディ、右ロングフックも常陸がクリーンヒットを奪う。オープンスコアはジャッジ三者とも10-9で常陸。
3R、前に出て来るリーをジャブ、右ボディで迎え撃つ常陸。リーは右フックを当てていくが、常陸も左フックを打ち返す。リーは強烈な右ローを蹴り、左右フックを打ち込んでいく。やや常陸が圧を受けて疲れ気味か。リーは思い切り右ローを蹴り、ジャブと右フックを当てる。常陸も左フックを打ち返すが、リーの手数とヒット数が増えた。オープンスコアはジャッジ三者とも10-9でリー。
4Rも圧を懸けるリーがジャブと右ロー、常陸はこのラウンド、圧を跳ね返すために前へ出るがそこへリーが強烈な右ローと左右フック。リーの右ローが次々と決まり、常陸はワンツーを繰り出すが序盤ほどの威力が感じられない。徹底的に右ローを蹴るリーに常陸は飛び込んでの左フック、リーも左フックと右ストレート。リーの左ボディに常陸は右フックを返す。オープンスコアはジャッジ2名が10-9でリー。
5Rもリーは圧力をかけて前へ出ると右ロー、右フック。常陸も負けじと右を打ち返すが左は大振りに。リーの右ストレートに常陸も左ストレート、そしてヒザ。場内を覆う飛雄馬コールに背中を押されて打ち合いに行く常陸。リーも応戦し、互いに相手の右を被弾する。最後は常陸が右フック。
本戦の判定はドロー。延長戦へ突入する。右ローからパンチにいくリーに常陸は左右フックを繰り出すが、細かくヒットを奪うのはリー。強い一撃ではないが確実にヒットを奪う。動きが止まり気味の常陸へリーのショートのパンチ、右ローが決まる。常陸もボディと右を打ち返すがスピードがない。リーは右ローを蹴ってワンツーの連打をまとめる。ロープを背にした常陸は強い右を打つ。足を止めて打ち合いに行く常陸だが、パンチを当てるのはリーだ。常陸も右フックで逆襲するが、リーも右フックを返す。
判定は3-0でリーの勝利。最後はヒット数の差が出た。熱闘を展開した常陸にも場内から大きな拍手が送られた。
リーはマイクを持つと「今回の試合は凄く相手の選手が強くてRISEには強い選手が多いと思います。強い選手が挑戦してくることを嬉しく思います。皆さん、試合を見に来て下さりありがとうございます」と、強い挑戦者と戦うことが嬉しいと語った。