2025年1月18日(日本時間19日8時~)米国カリフォルニア州イングルウッドのインテュイット・ドームにて『UFC 311: Makhachev vs. Moicano』(U-NEXT配信)が開催されている。メインイベントに出場予定だったアルマン・ツァルキヤン(アルメニア)が「背中の痛み」により、試合を戦える状態ではないとして欠場。
代役としてヘナート・モイカノ(ブラジル)が王者イスラム・マハチェフに挑戦することが発表された。同大会でもともとモイカノと対戦する予定だったベニール・ダリウシュ(米国)は『UFC 311』に出場しない。
またアーリープレリミナリー第3試合では、日本の中村倫也が元ONEのムイン・ガフロフと対戦。ダウンを奪われながら3Rにテイクダウンを奪い返したが、判定3-0でキャリア初黒星を喫した。
▼UFC世界ライト級選手権試合 5分5R ※選手名からインタビューイスラム・マハチェフ(ロシア)26勝1敗(UFC15勝1敗)※UFC14連勝中ヘナート・モイカノ(ブラジル)20勝5敗(UFC12勝5敗)※UFC4連勝中※アルマン・ツァルキヤン(アルメニア)22勝3敗(UFC9勝2敗)が欠場。
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▼UFC世界バンタム級選手権試合 5分5Rメラブ・ドバリシビリ(ジョージア)18勝4敗(UFC11勝2敗)※UFC11連勝中ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)18勝0敗(UFC6勝0敗)※UFC6連勝中
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▼ライトヘビー級 5分3Rイジーー・プロハースカ(チェコ)30勝5敗(UFC4勝2敗)ジャマール・ヒル(米国)12勝2敗(UFC6勝2敗)
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▼ヘビー級 5分3Rジャイルトン・アウメイダ(ブラジル)21勝3敗(UFC7勝1敗)セルゲイ・スピバック(モルドバ)17勝4敗(UFC8勝4敗)
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▼ミドル級 5分3Rケビン・ホランド(米国)26勝12敗(UFC13勝9敗)ライニアー・デ・リダー(オランダ)18勝2敗(UFC1勝0敗)元ONE
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【プレリム】
▼バンタム級 5分3Rペイトン・タルボット(米国)9勝0敗(UFC3勝0敗)※UFC3連勝中ラオーニ・バルセロス(ブラジル)18勝5敗(UFC7勝4敗)
UFCデビューから3連続フィニッシュ勝利のタルボット。プロスペクトとして期待されている1人で、今回はプレリムのメインに抜擢されている。UFCデビュー戦はテイクダウンを奪われて苦戦する場面があっての3RKO勝ち、2戦目はUFC3勝1敗のキャメロン・サーイマンに2RKO勝ち。前戦はUFC0勝1敗のヤニス・ゲムーリに対し、ファーストコンタクトのワンツーでダウンを奪いパウンドアウトし、わずか19秒でのKO勝ちと、仕留める時間が短くなっている。26歳。
バルセロスはUFCデビューから5連勝で一時ランキング入りしたが、相手のレベルが上がると負けが込み始め、現在7勝4敗。セミでタイトルマッチに出場するウマル・ヌルマゴメドフには1RでKO負けしている。2連敗で迎えた前戦は、UFC1勝1敗のクリスチャン・キニョネスと対戦し、3Rにテイクダウンからバックを取ってのチョークで一本勝ちしている。バンタム級ではベテランの部類に入る37歳。
オッズでは今大会一番の大差でタルボットがフェイバリットとなっている。
1R、両者オーソドックス。ローを放ったタルボットにすぐシングルレッグを仕掛けるバルセロス。ギロチンに抱えるタルボットだがバルセロスがテイクダウン。背中を向けて立ったタルボット。バッククリンチから背中に乗ろうとしたバルセロス。防いで立ったタルボット。再び投げて膝をつかせると足をフックする。ハーフバックからチョークを仕掛けながら両足をフックしバックマウント。体が伸ばされているタルボットにパウンドを打ち込みまたチョークへ。 向き直り外したタルボットだがなおもマウントが続く。またリアネイキドチョーク。向き直るタルボット。ハーフに戻したが、バルセロフ今度は肩固めをセッティング。ハーフの足を抜かせないタルボット。自ら解除したバルセロス。残り30秒でマウントを取った。パウンド・ヒジを打ち込む。タルボットがブリッジから反転しようとするもバックマウントに。1R終了まで耐えきったタルボット。 2R、タルボットがジャブを放ち出る。ケージまで下がったバルセロスだが、サークリングして離れる。ローの蹴り合い。またシングルレッグを仕掛けるバルセロス。切ったタルボットだが、再びタックルに入るとドライブしてバックまで回りテイクダウン。ハーフで押さえ込んだバルセロス。タルボットはガードに戻すと起き上がってタックルに入りながら立ち上がる。スタンドに。パンチで出るタルボット。右がヒットしたが、バルセロスが左をヒットさせるとそのまま組み付いて四つから払腰で投げてテイクダウン。サイドで押さえ込んだバルセロス。マウントに。タルボットはハーフに戻すとフックスイープを仕掛けながら立ち上がった。 スタンドでパンチで出るタルボット。右アッパー。バルセロスは距離を取る。タックルのフェイントを見せるバルセロス。詰めて左ミドルをヒットさせたタルボットにバルセロスがシングルレッグ。テイクダウン成功。ハーフで固めたバルセロス。口が開いていて疲れが見えるタルボット。バルセロスがヒジを入れてサイドに出る。ホーン。 3R、距離を詰めるタルボット。下がってサークリングするバルセロスにアッパー。組み付いてきたバルセロスを反り投げでテイクダウンしたタルボットが上を取った。バルセロスはガードを取る。ケージ際まで移動し首をケージに押し込みながらパウンドを入れるタルボット。バルセロスガードからオモプラッタを仕掛けるが、ケージを掴んでおりレフェリーから注意が与えられる。グラウンドでの再開を希望したタルボット。インサイドからパウンド連打。立ったバルセロス。組んだバルセロスがバックに回る。背中に乗ろうとしたが前に落ちた。 スタンドに戻り、バックスピンキックを放つタルボット。しかしバルセロスまたシングルレッグからテイクダウン成功。ケージに上半身を預けて立とうとするタルボットだが、背中を向けたところでバックから足をフックしたバルセロスがチョーク。向き直って正対したタルボットだが今度はマウントに。パウンドを入れるバルセロス。背中を向けたタルボットから残り40秒でチョークに入った。向き直って外したタルボットだが、また体を伸ばされる。バルセロスバックからパウンドのラッシュ!向き直るとヒジ。バルセロスが殴り続けてタイムアップ。
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▼ミドル級 5分3R×ザッカリー・リース(米国)8勝2敗(UFC2勝2敗)[1R 3分4秒 KO]※パウンド○アザマト・ベコエフ(ロシア)11勝3敗
試合5日前にリースと対戦予定だったセドリケス・ドゥマスが欠場となり、ベコエフが緊急UFCデビュー。
リースはキャリア全勝・全試合1RフィニッシュでUFCと契約したが、UFC初戦は三角絞めに捕らえたところでスラムで頭から落とされてKOされ、キャリア初黒星を喫した。2戦目はわずか20秒でKO勝ち。前戦はUFCデビュー戦のホセ・アニエル・メリナとの対戦で、アグレッシブに攻めたもののはスタミナ切れし、仕留めきれずに初のフルタイムに。判定勝ちでUFC戦績を2勝1敗としている。30歳。
ベコエフはロシアのACAなどでキャリアを積み、2023年からフィーダーショーのLFAに参戦すると、2戦目でミドル級暫定王座を獲得、3戦目で正王者に。現在はATT所属。戦績18勝3敗の29歳。
サウスポーのリースにベコエフはサウスポー。ミドルを蹴るベコエフ。距離を詰めたベコエフの腹にヒザを入れたリースだが、キャッチしたベコエフ。片足でこらえるリース。テイクダウンしたベコエフだが、リースは下から腕十字を狙う。足をサバいてパスを狙うベコエフだが、リースがガードに戻すと下からパンチ・ヒジを入れる。ベコエフも上からパンチを入れる。上下で打撃戦。 リースが腕十字を狙うが、ベコエフのパンチが顔面に入り効いた。さらにパウンドを連打するベコエフ。左のパウンドを連続で顔面にもらったリースを見てレフェリーストップ!
1R3分4秒、KOでベコエフがUFCデビュー戦勝利。勝ったベコエフはインタビューで「トップ15と戦いたい。(所属するATTがある)第2のホームのマイアミで戦いたい」と、4月のUFC314マイアミ大会への出場をアピールした。
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▼ライトヘビー級 5分3R×ジョニー・ウォーカー(ブラジル)21勝10敗(UFC7勝7敗)[2R 3分33秒 ギロチンチョーク]○ボグダン・グスコフ(ウズベキスタン)17勝3敗(UFC3勝1敗)※UFC3連勝2KO1TO
ライトヘビー級。グスコフ13位。
当初はグスコフ vs. ジョニー・ウォーカーのランカー対決が組まれていたが、試合1週間前にウォーカーが欠場となり、UFC初参戦のエレカナが緊急出場。
ウズベキスタンのグスコフはキャリア16勝すべてがフィニッシュ勝利(14KO、2一本勝ち)。UFCデビュー戦でいきなりランカーのヴォルカン・オーズデミアと対戦して1Rチョークで一本負け。しかし2戦目でKO勝ちしてUFC初勝利を挙げると、前戦はランカーのライアン・スパンと対戦。1Rにはテイクダウンされマウントを奪われるピンチに陥ったが、2Rにパンチを効かせて、最後は引き込んで凌ごうとしたスパンをパウンドアウトしてKO勝ちし、ランキング入りを決めている。22歳まではボクシング、キックの試合に出場しており、23歳でMMA転向。32歳。
サモア系アメリカ人のエレカナはキャリア7勝1敗の29歳。23年にPFLの人材発掘イベント・チャレンジャーシリーズに出場し、ワンマッチにも出場して勝利したが、本戦には出場できなかった。今回、代役として、かつてのグスコフと同じくUFCデビュー戦でランカーと対戦するチャンスを得ている。29歳だが、プロデビュー戦は26歳と遅く、まだキャリア3年。
1R、オーソドックスのグスコフにエレカナはサウスポー。三日月蹴り、左ハイを見せたエレカナ。シングルレッグに入る。テイクダウンしたエレカナがすぐバックにまわ割った。両足フックしてバックマウントに。バックからヒジを入れるエレカナ。四の字ロックに切り替えた。バックからパンチを入れて削っていく。うつ伏せになったグスコフにチョークを狙う。防いでいるグスコフ。一瞬足のロックが外れたところで立ち上がろうとしたグスコフだが、エレカナは再び両足をフックさせてバックキープ。残り40秒でようやく足のロックを解除したグスコフ。逆にバックに回るとパウンドを入れていく。残り10秒でチョークに。喉元に腕が入っているが時間がない。1R終了のホーン。
リプレイでエレカナがタップした様子が流れるが、1R終了後のホーンが鳴った後とのことで、続行される。 2R、詰めていくグスコフ。エレカナがサークリングしながらワンツーを返す。しかしグスコフがパンチを打ち込むと、ケージを背負って足が止まった。グスコフのパンチをブロックしていたが、腹にパンチを打ち込まれた。腹を抑えて膝をついたエレカナにパンチを打ち込んでいくグスコフ。エレカナは膝を着いたまま立ち上がらず耐えるのみ。グスコフ首を抱えてギロチンに。立ったまま絞めるとエレカナがタップ!グスコフ「ジョニー・ウォーカーくたばれ!ジョークだよ、ジョニーは友達だ。ストライカーのジョニーを想定してファイトキャンプをしてきたが、相手がグラップラーに変わってプランが変わった。次の相手は誰でもいいよ」
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▼ライト級 5分3R○グラント・ドーソン(米国)23勝2敗(UFC11勝1敗)[判定3-0]※30-27×ディエゴ・フェレイラ(ブラジル)19勝6敗(UFC10勝6敗)
ドーソンはUFC10勝1敗1分のハイアベレージながら、現在ノーランカー。一時ランキングに入っていたが、23年に当時ノーランカーのボビー・グリーンに1R33秒でKOされ、UFCで唯一の黒星を喫するとともにランク外に。その後2連勝したものの、今回もランキング復帰のチャンスは与えられず、ノーランカー同士の対戦が組まれた。22勝中13の一本勝ちがあるグラップラー。前戦はバックマウントからのパウンド連打でKO勝ちしている。アメリカン・トップチーム所属の30歳。
フェレイラは2014年にUFCデビューし、ここまで10勝5敗。一時は6連勝し、こちらもランキング入りしていたことがあるが、現ランカーのマテウス・ガムロットやベニール・ダリウシュに敗れてランク外に落ちている。しかしその後は元ランカーのマイケル・ジョンソン、UFC3連勝中のマテウシュ・レベツキに連続KO勝ちし、2試合連続でパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞。試合当日に40歳の誕生日を迎える。
1R、お互いオーソドックスに構える。カーフキックを入れるドーソン。さらにバックスピンキックを頭部にヒットさせる。フェレイラはカーフキック。フェレイラもワンツーからミドルを返した。ドーソンシングルレッグに。両足に切り替えて尻もちをつかせた。バックからクリンチしたドーソン。立とうとするフェレイラを寝かせようとするが、フェレイラ振りほどいて立とうとする。 ドーソンはフェレイラの右足をキャッチしたまま、マットに手を着いているフェレイラの顔面に蹴りを入れる。改正ルールでは有効な攻撃。バックに回ったドーソンがハーフバックに。コツコツと殴っていくドーソン。フェレイラは向き直るが、背中を付けてガードを取る。体を起こして上からパウンドを入れるドーソンに対し、フェレイラは下から顔面を蹴り上げる。ドーソン優勢のまま1R終了。 2R、パンチで出てきたドーソン。ケージ際まで下がったドーソンに左右のパンチを入れる。ドーソンはシングルレッグに入るが、フェレイラが潰して上になる。背中を向けたドーソンからバックマウントを狙うが、足のフックがかかっておらず、外れて降りた。離れてまたパンチを打ち込みながら出るフェレイラ。しかしドーソンシングルレッグでテイクダウン。マットに背中を付けてガードを取るフェレイラ。ドーソンが押さえ込みながら殴っていく。フェレイラが上半身を起こそうとしたが、再び寝かせたドーソン。密着したままパンチを入れていく。フェレイラが下からハイガードで仕掛けようとしても、密着されてディフェンスされる。ドーソンが上をキープしたまま2Rが終了。 3R開始直後にシングルレッグに入ったドーソンだが、フェレイラは足を引き抜いて離れた。しかしまたシングルレッグに入ったドーソン。フェレイラは後方から足を絡んで横三角を狙う体勢になったが、足を絡ませずに正対したドーソンが上になり押さえ込んだ。体を起こさず殴るドーソン。しかしレフェリーがここでブレイクをかける。フェレイラがパンチを打ち込むと両者足を止めて打ち合い。 しかしドーソンまたタックルに。小外刈りでテイクダウンしたドーソン。ガードのフェレイラにパウンドを打ち込むとハーフにしてパウンド。ガードに戻すフェレイラだが、ドーソンはブレイクされないようにガードの中で休まず手を出し続ける。立ちに行けないフェレイラ。後転して亀になったフェレイラのバックに回るドーソン。両足をフックして四の字でロックするとリアネイキドチョークを狙っていく。タイムアップ。 ジャッジ三者30-27でドーソンが3連勝。試合後には、今日へナート・モイカノとの対戦が消滅して試合が無くなったベニール・ダリウシュとの対戦をアピールした。 試合後には、今日へナート・モイカノとの対戦が消滅して試合が無くなったベニール・ダリウシュとの対戦をアピールした。
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【アーリープレリム】
▼女子バンタム級 5分3R×カロル・ロサ(ブラジル)18勝7敗(UFC7勝4敗)[判定0-3]※28-29×2、27-30○アイリーン・ペレス(アルゼンチン)12勝2敗(UFC5勝1敗)※UFC5連勝中
女子バンタム級。ロサ9位、ペレス13位。
ブラジルのロサはUFC7勝3敗。負けた相手はすでにUFCからリリースされたサラ・マクマン、現ランキング4位のノルマ・デュモン、現6位のアイリーン・アルダナ。バックボーンは柔術だが、ここ2戦はカーフキックを効かせる場面を見せている。30歳。
アルゼンチンのペレスはUFCデビュー戦で一本負けした後4連勝中。11歳から始めた散打、20歳から始めた柔術がバックボーン。勝利後にトゥワーキング(腰振りダンス)のパフォーマンスを見せるのがトレードマークとなっているが、前戦はアウェイのパリ大会で、計量で体重オーバーした上に、試合中ダウンを奪った相手に対してトゥワーキングを見せたために批判を浴びた。30歳。
1R、両者オーソドックス。間合いを詰めたロサにペレスが胴タックル。引き剥がしたロサ。また詰めたロサにペレスが再び胴タックル。今度はテイクダウンに成功。ハーフで押さえ込んだ。フルガードに戻すロサ。右足を超えてまたハーフにしたペレス。足で引き剥がすロサ。蹴り上げをヒットさせると立ち上がった。ロサが間合いを詰める。ケージまで下がったがタックルに。切ったロサ。詰めてくるロサにバックブローを見せるペレス。カーフを蹴るロサ。プレスしているロサだが、やや手が出ていない。1R終了のホーン。 2R、ロサが関節蹴りで出るが、詰めてワンツーを入れるロサにペレスが組み付くが、振りほどいて離れたロサ。また詰めてくるロサにペレスはバックブローを見せる。タックルに入るペレスだが切られた。前に詰めていくロサだがやや手数が出ていない。ワンツーから飛びヒザを放ったロサだが、キャッチしたペレスがタックルへ。シングルレッグからボディロックに切り替えてテイクダウン成功。ハーフで押さえ込んだペレス。上半身を固められて背中を付けているロサ。ペレスは固めたまま細かいパウンドを入れる。2R終了。
3R、ロサが前に出る展開は変わらず。しかし詰めても打撃の手数がやや少ない。ロサのカーフキックで足が流れたペレス。ペレスがバックブローを見せる。ロサのインローで一瞬効いた素振りを見せたペレス。胴タックルに入るとケージに押し込みボディロックからテイクダウンを狙う。こらえて離れたロサ。インローを蹴ると明らかに嫌がっているペレス。ペレスがスイッチすると右足にカーフキックを入れる。スイッチすると今度は左足をインローで蹴られる。ペレスのバックブローは腕でブロックしたロサ。最後にバックヒジを見せたロサ。タイムアップ。
29-28、29-28、30-27の3-0でペレスが勝利。UFC5連勝とした。
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▼バンタム級 5分3R×中村倫也(日本)9勝1敗(UFC3勝1敗) ※見どころ[判定0-3]※27-30×3○ムイン・ガフロフ(タジキスタン)20勝6敗(UFC2勝2敗)
中村はRoad To UFCシーズン1優勝後、UFC本戦で2連勝。UFCデビュー戦はUFC0勝2敗のファーニー・ガルシアを仕留めきれずに判定勝ち。2戦目はTUF準優勝のブレイディ・ヒースタンド戦が組まれていたが、ヒースタンドが負傷欠場したため、TUF一回戦負けのカルロス・ヴェラとの対戦に。引き込みからの極めを狙い続けるヴェラの攻めを潰し、危なげなく勝利したが、またもフィニッシュすることができなかった。ガルシア戦で拳を負傷し、手術せず保存療法を選択したために回復に時間がかかり、11ヶ月ぶりの試合となる。29歳。
タジキスタンのガフロフはUFC1勝2敗。2019年まではONEに参戦しており、3勝3敗の戦績を残している。UFCデビュー戦はダウンを奪われ判定負け、2戦目はタックルにニンジャチョークを合わせられ一本負けで連敗。後がなくなった前戦は、UFCキャリア11年のベテラン・カン・ギョンホ相手にタックルを切って打撃を入れる展開で判定勝ちした(ギョンホはこの試合を最後にリリースされている)。バックボーンはコンバットサンボ。28歳。
1R、サウスポーの中村に対しオーソドックスのガフロフ。距離を取りジャブ、ローで牽制する中村。ガフロフは右オーバーハンドを見せる。中村がミドルを入れる。ロー。ガフロフがワンツーをヒット。右をを見せたガフロフだがスリップ。中村はボディを打ち込む。左ミドル。ガフロフもミドルを返す。右オーバーハンドを見せるが距離を取った中村。ガフロフもボディをヒット。中村がミドルを入れたがややローブロー気味。ダメージはなくレフェリー流した。中村の蹴りにガフロフが右オーバーハンドを合わせると、軸足をローで蹴って倒した。上になったガフロフ。中村はガードで凌ぐ。残り1分。ケージ際まで移動した中村が上半身を起こそうとするが、ガフロフが上から固めたままパンチを入れて1R終了。
インターバル中、倒された場面はダメージがないとセコンドに語る中村だが、セコンドからはラウンドを落としていると言われる。
2R、前に詰めてきた中村。ガフロフのミドルをかわすと飛び込んでワンツー。詰めたガフロフ。ヒザがヒット。さらに右ハイ。ケージ際をサークリングする中村。またミドルを入れるガフロフ。右オーバーハンド。ブロックした中村。バックスピンキックをボディに入れるガフロフ。中村は右ストレートを入れた。
ガフロフの右がヒットし中村ダウン!すぐに起き上がりタックルに入るが、ガフロフはがぶる。中村が立つとがぶったままヒザを頭部に入れていく。残り30秒で振りほどいた中村がキムラを狙うが。ヒジを入れて離れた。残り10秒でワンツーから左ハイを入れたガフロフ。2R終了。
中村のセコンドからは「腹をくくって倒しに行け」と指示が出る。 3R、ガフロフの右オーバーハンド。被弾した中村がバランスを崩す。すぐに詰める中村だが、ガフロフはサークリングで距離を取りながらサイドキックをボディに入れる。カーフを蹴るガフロフ。さらにバックスピンキック。中村のミドルをキャッチしたガフロフ。軸足を払ってバックにつこうとしたガフロフだが、スクランブルで上を取り返した中村。ハーフで押さえ込み初めて上になる。 体を起こすガフロフの首を抱える中村。力を入れて絞めるが、湿られているガフロフには余裕が見える。放した。下から足で距離を作り立ったガフロフ。スタンドへ。ガフロフの左でまたバランスを崩して倒れた中村。すぐに立て直して出ていくが、大振りのパンチを見せて近寄らせない。中村の左ハイが頭部にヒットしたが当たりが浅い。詰める中村だがガフロフのパンチを貰う。タイムアップ。 ジャッジ三者とも30-27のフルマークでガフロフ勝利。中村はキャリア初黒星を喫した。
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▼バンタム級 5分3R×リッキー・トゥルシオス(米国)12勝5敗(UFC2勝2敗)[判定0-3]※27-30×2、28-29○ベルナルド・ソパイ(アルバニア)12勝3敗(UFC0勝1敗)
バンタム級。当初11月に組まれていた試合だが、トゥルシオスが計量後にメディカルチェックをクリアできず延期となっていた試合。
トゥルシオスは2021年のTUF29ウィナーだが、TUF後は1勝2敗。柔術がバックボーンで、下からも仕掛けられるが、スタンドでは打撃で打ち負け、テイクダウンを切られる展開が多いために苦戦している。前戦はUFC最年少のラウル・ロザスJr.との対戦で、お互いグラウンドで攻め合う好勝負となったものの、2Rにバックを取られてのチョークで一本負けしている。31歳。
アルバニアのソパイは昨年3月にファイトウィークに入ってからの欠場選手の代役としてUFCデビュー。15歳でプロデビューし、17歳でギリシャのMMA王者になっている。キックの試合経験もあるストライカー。前戦はDWCS出身で同じくUFCデビューとなるヴィニシウス・オリベイラとの対戦で、2RにバックマウントからのパウンドラッシュでKO寸前まで追い込んだものの、緊急出場の影響もあってか後半スタミナ切れ。最後に飛び膝をもらって逆転KO負けした。24歳。
1R、オーソドックスのソパイに対し、トゥルシオスはスイッチを繰り返す。ソパイがプレッシャーを掛けていく。距離を取り蹴りで牽制するトゥルシオスだが、ケージに詰められる。ソパイの右ハイがヒット。詰めてくるソパイにローを蹴るトゥルシオス。トゥルシオスが出たところに右を合わせるソパイ。またカーフを蹴る。組みに行くトゥルシオス。振りほどいて距離を取ろうとするが、トゥルシオスは首相撲でケージに押し込もうとする。振りほどいて離れたソパイ。ソパイの蹴りにタックルを合わせたトゥルシオス。スイッチを狙ったソパイだが、バックに回ったトゥルシオスがテイクダウン。すぐに背中に乗るが、乗りすぎて前に落とされたトゥルシオス。ケージを使って立ったトゥルシオスだが、ソパイは立ち際にヒザ。離れ際にヒジを入れる。トゥルシオスもパンチを打ち返す。打ち合いからタックルに入ったトゥルシオスだが1R終了のホーン。
2R、またプレスしていくソパイ。トゥルシオスがミドルを入れながら出ると、ソパイのパンチをかいくぐってタックルへ。切って引き剥がしたソパイ。左右のパンチを打ち込むと背中を向けて距離を取ったトゥルシオス。ソパイがカーフキック、左右のパンチを入れていく。トゥルシオスタックルへ。小手投げで投げて上になるソパイだが、トゥルシオスはハーフから潜ろうとする。小手に巻いて防いだソパイ。立つと四つからヒザを打ち込み離れる。詰めてくるトゥルシオスを受け止めてヒザを入れるソパイ。組もうとするトゥルシオスだが引き剥がされていく。残り1分。組んでケージに押し込んだトゥルシオスが首相撲からヒザを入れる。ソパイもヒザを返した。お互い消耗が見える。トゥルシオスのタックルを切ってヒジを入れたソパイ。ソパイがシングルレッグから軸足を払ってテイクダウンを狙ったが倒しきれず。2R終了。
3R、ソパイの右ミドルがヒットし一瞬効いたトゥルシオス。蹴り足を掴んでテイクダウンを狙ったが、トゥルシオスにパンチを打ち込まれダウン気味に倒れた。足を掴んでテイクダウンを狙いしのごうとするトゥルシオスだが、ソパイにパンチを打ち込まれる。トゥルシオスの立ち際にヒザを入れたソパイだが、トゥルシオスがキャッチしてテイクダウンへ。しかし倒されずにこらえてパンチを入れたソパイ。お互い疲れが見える。トゥルシオスが詰めるとタックルへ。テイクダウンすると背中に乗るが、すぐに前に落とされる。逆にバックに回ったソパイがテイクダウンするとサイドで押さえ込む。トゥルシオスはスクランブルで立ち上がりスタンドへ。腹に前蹴りを入れるソパイ。飛びヒザ。詰めるトゥルシオスにヒザを入れるとタックルを切ったソパイ。残りわずかで胴回し回転蹴りを見せたソパイ。そのまま下から三角に捕らえると、そのままヒジを入れる。タイムアップ。
30-27、30-27、29-28の3-0でソパイがUFC初勝利。
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▼フライ級 5分3R〇タギル・ウランベコフ(ロシア)16勝2敗(UFC5勝1敗)[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×クレイトン・カーペンター(米国)8勝1敗(UFC2勝1敗)
フライ級。ウランベコフ11位。
ウランベコフはUFC4勝1敗で、唯一の敗戦は2022年のティム・エリオット戦。昨年は6月にランカーのアレックス・ペレス戦が組まれていたが、ペレスの相手は平良達郎に組み替えられ、ノーランカーのジョシュア・ヴァンとの対戦に変更となる。それでモチベーションが落ちたのか、計量で3.5ポンドオーバーしてしまい、試合は中止に。1年以上のブランク明けとなる。ロシア・ダゲスタン共和国出身で、チーム・ヌルマゴメドフ所属。チームメイトがセミとメインでタイトル戦を行うイベントの第1試合を務める。33歳。
カーペンターはUFCデビューから2戦連続での一本勝ちで、早くもランカーとの対戦が実現。柔術は色帯時代に世界大会で道着・ノーギの両方で優勝している他、ボクシング・ムエタイの経験もあり、寝技だけでなく打撃も強い。キャリア8戦全勝のプロスペクトだが、オッズではアンダードッグとなっている。28歳。
1R、両者オーソドックス。カーペンターがパンチで飛び込んだところにカウンターの右フックを合わせるウランベコフ。前蹴りを顔面に入れる。カーペンターが出るとまた下がりながらの右を合わせる。詰めたウランベコフがカーペンターのパンチをかいくぐってタックル。受け止めたカーペンターが入れ替えてケージに押し込んだが、再び入れ替えたウランベコフが四つ組みから投げてテイクダウンに成功。
カーペンターはハイガードに。ウランベコフがガードの中でパウンド・ヒジを打ち込む。右のヒジが連続でヒット。ラバーガードでしのごうとするカーペンターだが、上半身を起こして解除したウランベコフ。カーペンターが下から蹴って離した瞬間に立ち上がることに成功。残り1分。リードしているウランベコフは距離を取ったまま打撃を入れていく。残りわずかでカーペンターがタックルに入るが受け止めたウランベコフ。1Rはウランベコフが押し気味のまま終了。
2R、カーペンターが飛び込んでパンチを打ち込んでいく。リーチで上回るウランベコフは遠い間合いからジャブを打ち込んでいく。ウランベコフの左ミドルをキャッチしたカーペンターがテイクダウン。ハーフにして上半身を固めて押さえ込むカーペンター。下から足をすくって入れ替えようとするウランベコフ。
バックに回ろうとしたカーペンターだが、回らせずに立ったウランベコフスタンドに。ウランベコフのタックルをがぶって切るカーペンターだが、ウランベコフが四つでクラッチすると、1Rと同様に四つから投げてテイクダウンに成功。ガードを取るカーペンターが下からヒジを入れていく。上のウランベコフは頭を起こさないままパウンドを入れていく。上下で打撃を入れ合う。残りわずかで足関節を狙っていくカーペンターだが2R終了。
3R、ウランベコフはジャブを打ち込み、カーペンターの飛び込みにはバックステップで距離を取る。ウランベコフの打ち下ろしの右がヒット。カーペンターは右のカーフキックを入れる。カーペンターがパンチから飛び込んでタックルに。ボディロックでケージに押し込むとテイクダウンを狙う。左腕を小手に巻いて耐えるウランベコフ。差し返したウランベコフがまた四つからテイクダウン。残り1分半。カーペンターは2R後半と同じく下からヒジを入れていく。下から足関を狙ったカーペンターだが、回転して外したウランベコフがパスガードに成功。サイドについてパウンドを入れる。タイムアップ。
判定は二者30-27、一者29-28の3-0でウランベコフ勝利。セミとメインでタイトルマッチを行うチームメイトにつなげた。試合後、ウランベコフは亡きアブドゥルマナプコーチ、さらにセコンドのハビブ・ヌルマゴメドフに感謝の言葉を語り、王者パントージャの名前を挙げた。