12月のGP準決勝ストッツvs.サバテーロ、マゴメドフvs.ミックスに注目を
──なるほど。プロモーターとしてもっともな考えだと思います。さて、現在進んでいるバンタム級ワールドGPですが、決勝戦はいつになりますか?
「バンタム級GPの準決勝が、まず12月9日(日本時間10日)にコネチカットのモヒガンサンアリーナで行われる。準決勝として現王者のラフェオン・ストッツにダニー・サバテーロが挑戦し、マゴメド・マゴメドフとパッチー・ミックスも戦う。日本でもU-NEXTで生配信されるから楽しみにしていてほしい。
その後、2023年2月後半か3月前半に100万ドルをかけたGP決勝を行う。2023年にはさきほど話したライト級GPも予定している。そして、ヒョードルの引退試合だ。対戦相手はライアン・ベイダーかアンデウソン・シウバか、誰になるかは分からない。でも、アンデウソンには、もう一度聞いてみようと思っているよ。それが叶わなくても、ヒョードルは『ベイダーとリベンジマッチをしたい』とも言っている。ライアンは現チャンピオンだから実現できるかは分からないけれど、ヒョードルの引退試合の為に、最大限頑張って調整するよ。
2023年は、年間18大会を想定している。今は、Strikeforce以来と言っていいほどの選手が揃っているので、何ができるかと考えるとワクワクするよ。205ポンドにはRIZINでも活躍したワジム・ネムコフがいて、11月18日にコーリー・アンダーソンと対戦する。ライトヘビー級もUFCと当たっても負けない。135(バンタム級)も145(フェザー級)もだ。どの団体と当たってもね。いい選手を揃えるのが本当に重要なビジネスだと思っている」
──先日、ネイト・ディアスがUFCとの契約満了を迎え、フリーエージェントとなりました。コーカー代表はネイトとはStrikeforce時代から交流があったと思います。今後、ネイトと交渉することもありますか。
「知っての通り、ネイトの初期の頃は自分がプロモートしたんだ。彼の兄弟であるニックの試合も色々とプロモートしている。UFCに行ったけど、その頃の関係もあって今もいい関係を築けているよ。彼はジェイク・ポールとも戦いたいだろうし、12月まで(3カ月間)独占交渉期間中だから、話せる状況になったら話そうと思う」
(※その後、RIZIN榊原信行CEOが海外メディアに「フロイド・メイウェザーの対戦相手は日本人である必要はない。ディアス兄弟は朝倉兄弟のグローバル版のようなもの。キャラクターもファイトスタイル素晴らしい。フロイドの対戦相手としても、それ以外でも興味を持っていて話したい」と発言。
──UFCでは、コンテンダーシリーズや「ROAD TO UFC」(10月23日)が登竜門となっています。Bellatorがそういった企画を行うことはありますか。
「以前、『ストライクフォースチャレンジャー』を行っていたように、企画はある。そこからはロンダ・ラウジー、ダニエル・コーミエー、タイロン・ウッドリーらを発掘して試合経験を積ませて、最終的にベストファイターに育てていくコンテンツだった。UFCが今やっていることは特に目新しいものでもない。今後、実行したいと思っているのが、何らかのベルトを目指すか、チャレンジャーシリーズかは分からないけど、世界の各地域から、例えば日本だけでなくアジアとヨーロッパとラテンアメリカなどの地域で、予選を行い、将来のスターを育成するということは考えているんだ。
だから、回答としては『イエス』だ。ただ、どう運用していくのかは考えなければいけない。実際、米国ではナンバーシリーズのサーキットが回っているから、日本でも試合をして、ラテンアメリカでも試合をして、ヨーロッパでも大会を行い、そこで予選も兼ねて、勝ち上がった選手でワールドカップのような形にする。リーグ戦でね。実際にそういった企画もあったのだけれど、コロナで2年半もの間、全てが止まってしまった。今少しずつノーマルな状況になってきているので、いずれかは見せられるかもしれない。選手にチャレンジをする機会を与える。日本だけでなく世界で、ワールドカップシリーズのようにして、勝ち上がってメインカードになっていくような選手を育てたいんだ。日本にもラテンアメリカにもヨーロッパにもいい若手の選手が揃っているのは知っているからね。2023年に何か実行できたらと思っているよ」
──勝ち上がった先に、世界がある。それはぜひ、実現させてほしいです。ハワイではRIZINと協力した大会もありそうですね。
「ハワイについては、夏から秋にかけてを考えていたのだけれど、ブレイズデルアリーナが6月から工事に入るらしいから、2022年にやったように、4月か5月頃に行かなければいけないかもしれない。ハワイでのイベントは最高だよ。ハワイの選手も最高の選手がいる。イリマレイ・マクラーレンの故郷でもある。そもそも、うちのスタッフがハワイ大会をやらなかったら多分怒ると思う(笑)」
──ダブリン大会もそうですが、ハワイ大会のあの雰囲気もBellatorらしさを感じます。本日はロングインタビューをありがとうございました。最後に、日本の格闘技ファンへメッセージをお願いします。
「K-1から始まった自分の格闘技プロモーターとしてのキャリアで、日本は常に自分にとってとても特別な場所でした。日本では、信じがたいことに、ほぼ毎日のように大会を見ることが出来たんです。K-1に行って、次の日はPRIDE、その次の日は修斗やPANCRSE、ほかにもいろいろな団体が生まれた。そこで格闘技プロモーションがどれだけ大きくなれるのかの可能性に気づけました。私のそれ以降の基盤となった場所で、色々な事を学びました。これからの日本のMMAやキックボクシングの業界をサポートしていきたいと思っています。そして、いつも支えてくださっている事に感謝します。
Bellatorにもこれからもっと日本人選手を入れていきたいと思っています。堀口恭司選手ともいい関係を築けているし、エージェントのティキ・ゴーセンや各団体とも繋がっているので、これからも色々な可能性があると思っています。メディアの親会社(Viacom CBS)を持つ格闘技団体として、日本ではU-NEXTで配信しているように、世界全国に配信をしている団体として、日本に早く行きたいと思っています。RIZINとの共催のみならず、我々の単独の大会も将来的には開催できるよう検討していますし、日本でのこれからのBellatorの拡大の為にもコミットしたいと思っています。どうかこれからもBellatorの大会に注目してください!」