(C)ONE Championship
2022年9月29日(木)シンガポール・インドアスタジアムにて『ONE 161: Petchmorakot vs. Tawanchai』が開催されている(ABEMA格闘チャンネル/ONE Super App配信)。
メインイベントは「ONEムエタイ世界フェザー級選手権試合」(3分5R)で、王者ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)は155.00ポンド、挑戦者タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)は154.50ポンドで、ハイドレーションテストともにパスしている。
なお、フライ級(※61.2kg)で、若松佑弥(TRIBE TOKYO MMA)の対戦相手のワン・シュオ(中国)が体重超過(※最終体重は主催者に確認中)で試合が不成立に。当初、若松は中国のシェ・ウェイと対戦予定も怪我で欠場。ワン・シュオに変更されていた。
ONE 161: Petchmorakot vs. Tawanchai
2022年9月29日(木)19時30分~ABEMA格闘チャンネル
シンガポール・インドアスタジアム
▼ONEムエタイ世界フェザー級(-70.3kg)選手権試合 3分5R
×ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)王者 155.00 lbs, 1.005
[判定0-3]
〇タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)挑戦者 154.50 lbs, 1.0053
※タワンチャイが新王座に就く。ペットモラコットは4度目の防衛に失敗。
ペットモラコットはタイのビッグマッチ常連の超一流選手として活躍し、ルンピニースタジアムではミニフライ級王座とスーパーフェザー級王座に就いた。2015年4月には初来日し、梅野源治の挑戦を退けている。ONEではジョルジオ・ペトロシアンと2度対戦、1度目は首相撲&ヒザ蹴りを多用したペットモラコットが判定勝利を収めたが、「試合中に複数の違反であるクリンチ行為が発生した」との理由からノーコンテストとなり、7月の再戦では判定負け。しかし、2020年2月にポンシリ・PK センチャイムエタイジムと初代ONEフェザー級ムエタイ世界王座を争い、判定勝ちで王座に就いた。2020⃣年7月にはヨードセングライ、9月にマグネス・アンダーソン、2022年5月にジミー・ビエノに判定2-1で3度目の防衛に成功した。
タワンチャイは地方で試合経験を積んだ後、14歳でルンピニースタジアムに上がった。2018年にはクラップダムを3度破り、同年のルンピニースタジアム・オブ・ザ・イヤーとタイ国スポーツ局ファイター・オブ・ザ・イヤーなど4つの年間MVPを受賞。シントンノーイ、ヌンラーンレック、センマニー、モンコンチャイ、フェラーリらにも勝利を収め、2021年5月にONE初参戦。ショーン・クランシーをハイキックでKOに葬った。しかし、8月の2戦目ではバンタム級からフェザー級に階級を上げてシッティチャイに挑むも判定2-1で惜敗。2022年1月にセーマペッチを1Rに2度のダウンを奪ってKOし、再起を飾ると6月にはニコラス・ラーセンをKO。長身を利したフィームー(テクニシャン)で、近代ムエタイでも1、2を争う実力者&人気選手。
1R、両者サウスポー。まずは前蹴りとローで両者距離を計る。ペットモラコットはじりじりと前へ出ていき、タワンチャイの前足へ左ローと左太ももへの前蹴り。両者近距離でパンチを繰り出すがヒットはない。タワンチャイがワンツーで前へ出るとかわしてペットモラコットが右ストレートをヒットさせる。
2Rも左ローを蹴って前へ行くペットモラコット。両者とも前蹴りを多用して相手を下がらせる。ワンツーで入り込むのはペットモラコット。タワンチャイはスピードのあるパンチで前へ出るが、ペットモラコットはかわす。“来いよ”と手招きするタワンチャイだが、ペットモラコットはジャブで距離をとる。タワンチャイは左のカーフキックを狙い撃ちにし、左ストレートを繰り出す。ペットモラコットがワンツーから左カーフ。後半は激しさを増した。
3R、前蹴りの蹴り合いとなるが、大きく下がったのはペットモラコット。タワンチャイはハイキックからワンツー、さらに左カーフ。ペットモラコットも負けじとワンツー、左ストレート連打を繰り出すが、ペットモラコットが左右フックとアッパー、ペットモラコットは左ヒジを放つ。タワンチャイの左カーフでペットモラコットの足が流れる。左ストレートの打ち合いから、タワンチャイがワンツー・左カーフ。さらに連打で畳みかける。ペットモラコットは組み付いてヒザにいくが、タワンチャイが投げ。ワンツーで前へ出るタワンチャイにペットモラコットは組んでのヒザ。タワンチャイの激しい攻撃が目立った。
4Rはペットモラコットがパンチで前へ出る。ジャブで突き放して右ストレートを伸ばし、アッパーまでつなぐ。タワンチャイもペットモラコットの蹴り足をキャッチし、左ミドルから背後に回って右アッパー、そこから詰めるところにペットモラコットが左ヒジ。ペットモラコットはどんどん前へ出るがタワンチャイは下がりながらも左ストレート、左カーフ、前蹴りを当てていく。ペットモラコットが得意の首相撲からのヒザに持ち込む。タワンチャイは捕まれる前にミドル、前蹴り。タワンチャイが左ローを蹴って押し返す。攻撃のヒットはタワンチャイが上回ったが、下がったことがどう評価されるか。
5Rも前に出るのはペットモラコット。ジャブから左ストレートを放つ。タワンチャイは左ミドル、前蹴り、ペットモラコットのミドルをキャッチしてのコカしを見せる。ならばとペットモラコットはつかみに行ってヒザ蹴り。タワンチャイの左ロー、左ストレートにペットモラコットはヒジで対抗。しかし、ペットモラコットの左カーフで大きく足が流れる。攻めるタワンチャイだが、カウンターの左ストレートを当てるのはペットモラコット。
両者かなりの疲労を感じさせた接戦は判定3-0でタワンチャイが勝利。新王者となった。タワンチャイは右手の人差し指を突き上げて勝利をアピールすると、リング上に大の字となった。
タワンチャイは「1Rから5Rまで攻めることを意識した。ペットモラコットは強かったよ。非常に興奮しています。そして疲れました。王者になれて幸せです」と勝利者インタビューに答えた。