圧倒的な不利予想も「終わったら『朝倉未来ってすごいな』ってなる」(朝倉)
そのほかのボクサーやファイターたちもメイウェザーが圧倒的に有利だと語る。
◆内山高志(元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者)
「押し相撲だったら負けない、グイグイ押して行ったら……」
「(朝倉のミットを持って)右はやっぱありますね。だいぶ力んでいるところがありますが、左ストレートも重心の乗せ方が出来ています。伸びきったりしていない。脱力するとスピードも若干速くなってミットが合わせ辛くなっている。パンチは見えたら効かない。もっとスピード無いかなと思ったら結構、速い。ミット持って、スピードもあるし威力もあるし、スピードってなかなか練習してつくものじゃない。もともと持っているもの。
メイウェザー戦は、普通に考えたら100%無理じゃないですか。世界の何階級も獲った選手がみんな負けてる。普通に考えたら無理だと思うんですけど、ただ、メイウェザーの年齢が45歳ということと、日本人のボクサーじゃない相手が挑戦してくるとなったらなおさら余裕というかナメてそこまで必死にやろうという感じじゃない。そういったところで実は(朝倉に)勝機があるんじゃないかと。リズムがボクサーのリズムじゃないんで、総合のちょっと変わったパンチの打ち方をするんで、それが当たるんじゃないかと思う。俺だったら(メイウェザーに)逆に当たんないと思う。ボクシングの動きなんで。でも未来選手の場合は結構動きが読みづらいから。マクレガーもそう、結構当たっていた。そう考えるとちょっと面白いかなって思う。メイウェザーも体幹凄いと思うけど、身体の強さは未来選手にもある。押し相撲だったら負けそうにない。グイグイ押して行ったらスタミナも減っていいかなと思う」(※メイウェザー公開練習後のコメントはこちら)
◆那須川天心(RISE 二階級制覇王者)
「もし当たっても、メイウェザーは同じパンチをもらわない」
「(自身との試合で)最初、メイウェザー選手は避けて避けてくるかと思っていたけど、左ストレートが1発入ったら、凄くプレッシャーが強くなって、打とうとするだけで全部フェイントをしてきた。動こうとするところを潰そうとしたり、プレッシャーのかけ方が、普段は下がるのに、前に前に来たので、体格差を生かしてきたのかと思います。正面のストレートはブロックしたけど、左フックを打たれて、スリップ気味でも、立とうとして立てなかった。(頭が)ぐわんぐわんしてしまって。
体格的には未来さんが有利だと思うんですけど、正直、勝てないと思います。やっぱりボクシングのテクニックだったり戦い方はメイウェザー選手の方が全然上なので。未来さんがやるなら、ほんとうに奇策というか、そういいうもので打って当てていかないと。でもそれが当たったとしても、メイウェザー選手はもう同じパンチを次はもらわないので、1発で仕留められるものを未来さんが見つけて当てられればチャンスは無くはないかなと思いますけど……確率的には低いとは思います。未来さんも打たれ強いので、もらいながら打つとか。でも、メイウェザー選手はダウンを取りに来ないと思います。普通に3分3Rを遊んでやるって感覚でいるんじゃないかなと思います」
◆亀田和毅(元WBC世界スーパーバンタム級暫定王者)
「1回でも負けてれば弱点があるけど、負けてないから」
「メイウェザーは金もらえるところならどこでも行く。おっさんやで45歳。でもミット打ちとか結構いい動きしてるからな、(朝倉の)パンチが当たることもないと思うわ。3カ月でボクシングのことやっても無理や。パンチが重いいうても知れてる。ボクシングの打ち方も出来ひんのに、そんなパンチ、まず貰わへんから。貰ったところで今までいろんなトップのボクサーとやってきて効かないようにしっかり流すから。どんだけデカいヤツが来ても。圧倒な、99%勝つ。負けるところが想像できない。(これまで)1回でも負けてるところがあれば、弱点みたいなところがあるけど、負けてないから」
◆魔裟斗(K-1 WORLD MAX 2003・2008世界王者)
「専門職の人と戦うのは無謀、見られた後が怖い」
「万が一、ダウンなんか取っちゃったらすごいことだよね。本人が言うように世界から『朝倉未来とやらせろ』という話が出る可能性は高いよね。でも相当、難しいと思う。メイウェザーが倒れたシーンも、顔にパンチをもらうシーンもほとんど見たことない。マニー・パッキャオのスピードで、(サウル)アルバレスだって当たらないんだからね。振り回して行く? 振り回して身体をぶつけて、ほんとうに至近距離にしないと、振り回してもたぶん足でさばかれる。1R、(動きを)見られた後が怖いな。ボクシングの手だけのほんとうの専門職の人に、その専門職で戦いに行くのはちょっと無謀だなと思う。MMAだから強いんだから。この試合が楽しみなのに変わりはないけど」
◆堀口恭司(RIZINバンタム級王者、元Bellator同級王者)
「メイウェザーの速さについていけないんじゃないか」
「未来くんが様子を見ながら打っていくと思うけど、メイウェザーの速さについていけないんじゃないかなとは思う。メイウェザーは防御が上手いので、パンチはガードの上からは当たると思うけどクリーンヒットはないと思う」
これらの「圧倒的不利」の勝敗予想を朝倉は「嬉しい」という。
「すげー嬉しいですね。楽な気持ちにさせてくれてありがとうと。“絶対勝てる”という方がめっちゃプレッシャーなんで。(負け予想が多いのは)それはそうだと思います。50戦無敗でダウンも取られたことが無いやつが、MMA選手に負けたら大事件ですからね。でもそれをやる可能性があります、俺は」
そして、試合後に、その評価は一変するだろうとも語る。
(メイウェザーを)タダでは帰さないし、好き勝手にはさせないよって感じです。俺は本当に勝つ気でいるけど、世間の99%くらいは勝てないと思ってると思うので、今の時代はやる前から不可能って決める人が多いけど、やってみたら何か変わることがあるかもしれない。そういう勇気を見てもらいたいですね。自己満(足)じゃないですか。自分が勝てると思っているから、それを証明するだけって感じです。あとはシンプルに戦いたい欲もあるんで、男として、格闘家として、同じ人間だけど“世界最高峰のボクサー”ってどのくらいなんだろうって。そこの興味もあります。PPV?(これまでの記録を)超えるんじゃないですか、普通に、と思いますけどね。(試合後は)“朝倉未来ってすごいな”ってなると思いますよ。終わってみたら」。