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【超RIZIN】どうなる!? 朝倉未来とメイウェザーの3分3R、朝倉がメイウェザーに“触れる”ために──直前予想

2022/09/14 20:09

京口紘人「メイウェザーはみんなが思っている以上に届く位置の選手じゃない」

 ボクシングが本職のプロたちや打撃の専門家は、このエキシビションをどう見るか。

 多くのボクサーたちが口を揃えて、朝倉が勝つ(※勝敗はつかない)、すなわちKOやTKOでメイウェザーを倒すことは困難だという。

「塩漬け判定かレフェリーストップ、未来さんが勝つ確率は10%も無いんじゃないですか。1万回くらい試合をして1回勝つくらいかもしれない。でもそれはしょうがない。ボクシングルールでやるという完全なメイウェザー寄りのルールなんだから」というのは、現WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人だ。

 YouTubeでの対談で、その京口に朝倉は、「最後はごちゃごちゃにしようかなと」と語る。

 京口も「マイダナとか、ああいうパンチは有効だと思うんですよ。(脇を)開きながら打つ方が軌道が分からないんで。セオリーじゃないから、メイウェザーにとっては、そっちの方が厄介だと思います。未来さんが真っ直ぐ打てるのはもちろんいいんで、外から、アッパーと組み合わせたら、メイウェザーにとってどれが来るか分からない状況にさせた方が有効かなと思います。それに、距離感を保つボクサーに対し、歩きながらボクシングされると嫌。クリンチの時間が長くなる」と朝倉にアドバイスする。

 スタンスが広めで重心が真ん中に残っているからスウェイやステップバックが速く、ステップインの蹴り足も飛び込める、というオーソドックス構えのメイウェザーに対し、朝倉は、いかにサウスポーとして外足を取るか。

「メイウェザーのパンチでは倒れないと思う」という朝倉の根拠は、「(メイウェザーは)ディフェンスに寄ってて、自分の攻撃をしているときは、相手の攻撃を警戒しているから弱まっている。攻撃に全振りしていない感じがします。(当たっても)全然怖くないですね」というもの。

 しかし、京口はメイウェザーのジャブが厄介だと指摘する。

「ジャブがキーになるかな。相手のジャブにどう対応できるか。未来さんは大きく構える。左のカウンターと右フック(が強い)。その間のジャブは結構もらうパンチになる。メイウェザーは近い距離のリスクを負って攻める必要はないから、一番自分が当てられて安全なパンチがジャブ。そのジャブが世界一級品。引退しているといえども。そのジャブ対策が必要になる。それが結構重要かなと思います。リーチもあるし。塩漬けにする展開も考えられる。打ちに行くと外される、ジャブを当てられる。白熱せず一方的になり、未来さんのパンチは空振りが多くなる」

 当たりそうなパンチを朝倉から問われ、「アッパーかなと思うんですけど。結構、(メイウェザーが)ディフェンシブになったときに、スウェー、ダッキングとかも使うから、そのときに合わせれたら。ジャブからストレートに。相手が打ってダックしてきたところに上にかち上げるより、前に叩くイメージで。左ストレート、右フックは前から強いけど、アッパーのイメージがあまりない。アッパーが打てたら、(メイウェザーは)ダッキングを警戒するだろうなと。そうすれば(朝倉の)選択肢が増える」と、ミットを持った京口だが、その一方でやはり、教科書通りの綺麗なボクシング勝負は避けるべきだと進言した。

「ボクシングを変にやっちゃうとあんまり良くないかなって。総合の良さを活かしつつやった方がいいと思うんですよね。ボクシングをしよう、しようという先入観が捨てた方がいい。総合のなかにボクシングのエッセンスを入れるという方がいいと思うので。僕だったら、ボクシングしてくれる方がやりやすい。ベタ足で来た方が不気味ですね。総合ファイイターとして挑む方が嫌だと思います。マクレガーも前半は当てていいて良かった。身体も強いし、未来さんなりに出せたら、3Rだけならチャンスは来る」

 朝倉も「中間距離、メイウェザーは天才的ですものね。どんどん近づいて行った方がいいですかね。(普通のボクシングステップだと)俺だけ当てられてこっちは当たらない。メイウェザー(が那須川に使った)戦法を使うしかないですね」と覚悟を語る。

「それが本当に実現できたら」という京口に、朝倉は「ガード上げて、もらいながら顎引いていくしかない」と語ると、京口は、「ブロッキングとか僕は重要かなと思います。パーリングとか空振りさせる意識をし過ぎるとやっぱり速いんで、バッと当てられる。ブロッキングで弾きながらやれる方が良いかもしれないです。ブロッキングしながら、左の相打ちで打つとか。コツは腕の力でブロッキングするのではなく、肩甲骨から腕にかけて絞ってひとつにするメージ。腕だけでブロックすると疲れるし、持っていかれる。アゴ引いておでこで相手を見るイメージ」と、アルマジロのようにガードを固めてブロッキングからの近距離での戦いに持ち込む術を語った。

 しかし、メイウェザーの死角は少ない。

 京口は、「クリンチワークも上手いと思うんですよ。腕をからめてきたり、ゼロ距離にして離れて打つとか上手いんで、そこに未来さんは総合の良さを活かしつつパンチに繋げられるか。メイウェザーが負けるイメージが湧かない。“朝倉未来が身体がデカくて、パンチがあるから当たれば”といわれるけど、その未来さんのサイズの世界トップとやってきて勝ち続けてきたのがメイウェザー。みんなが思っている以上に届く位置の選手じゃない」と京口は、朝倉の目前で歯に衣を着せず語る。

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