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【超RIZIN】どうなる!? 朝倉未来とメイウェザーの3分3R、朝倉がメイウェザーに“触れる”ために──直前予想

2022/09/14 20:09

メイウェザーを苦しめた「僕がやりたい戦い方をしている選手もいた」(朝倉)

 朝倉は空手、MMAでも素足で戦ってきたが、ボクシングシューズは「毎日練習で履いているので大丈夫です。最初からやりやすかったですね。踏み込みが速くなるし、バックステップも。パンチも強くなります」と、いい感触を得ている。

 2018年大晦日の那須川天心vs.メイウェザー戦を「あれは(メイウェザーが)体重にモノを言わせてるんで、そんなの俺でも出来る。下の階級の子のパンチをもらう覚悟でいったら。ほんと参考にならないですね。あんな感じでは俺に対しては出来ないと思いますよ」と語る朝倉は、メイウェザーが那須川に対して行ったことを、逆にメイウェザーに対して仕掛けることもあるという。

 大きく構えてボクシングステップを使わずにノシノシと詰めていく。今回は、いかに「ボクシング」で戦わないか、もひとつのキーになる。

「総合の5分3Rより、ボクシングの3分3Rの方が僕的には疲れる。(パンチだけで戦うため)休憩が出来ないので。ほんとうはもっと短い方がいいんですけど。3分1(R)だったらもっと行けるじゃないですか。だからそのへん(ペース配分は)考えていますけど、12Rじゃなく、3分3Rなので、3Rだからこそできる戦い方がある。たぶんボクシングとは違う競技になる。そこを突いていこうかな」という朝倉は、これまでKO負けしたことが無いというダメージゲージの「貯金」をメイウェザー戦で使う覚悟でいる。

「カウンターとか……メイウェザーのパンチを無視することですね。うまく綺麗に戦おうとしたら相手の土俵になっちゃうんで、最初からフィジカルを使って、結構もらいながらもどんどん詰めて行こうと思っています。綺麗に戦って勝てない相手は初めてですが、今までKO負けしたことないし、打たれ弱くなっているところも無い。このために打たれ強さを取っておいたようなものかなと思っているんで。今回、ちょっと賭けようかなと。ここでどんだけもらってもいいかなと思っています」

 もしも朝倉がメイウェザーを詰めることが出来た先に、鉄壁の防御を誇る“ディフェンスマスター”を相手に、朝倉は“触れる”ことが出来るのか。

「メイウェザーは詰めたときに“丸まる”ので、そのときはもう“総合格闘家っぽい技”を出して行こうかなと」

 イメージは出来ている。それはこれまでメイウェザーを苦しめたボクサーたちの戦いからもヒントを得たという。

 ボクシングスパーリングや出稽古、ボクサーを招聘しての練習は「日本のどのボクサーとやってもメイウェザーと動きが違うので、意味が無いからしていない」という朝倉だが、MMA同様に「動画で研究している。(これまでのメイウェザーの試合で参考になる動きを)見ましたよ。名前は忘れましたけど。僕がやりたい戦い方をしている選手もいましたね。どんどん前に出て、もらいながら前に出て行くやり方です」と、自身の“手札”で出来る戦いで、メイウェザーに一太刀を浴びせるつもりだ。

 試合で鼻血を出すことさえ珍しいメイウェザーは、現役時代、数多の強豪ボクサーと拳を交えているが、いくつかのシーンで、被弾も喫している。

 それは、タフで前進し続ける、決して綺麗とは言えないタイプとの対戦にある。

 マルコス・マイダナ戦でメイウェザーは、前進し続けるマイダナが、ジャブを出したところに下がりながら得意のプルカウンターの右を合わせに行くが、その瞬間、左に頭を下げたマイダナは右のオーバーハンドをヒット。メイウェザーをグラつかせている。このオーバーハンドをメイウェザーはシェーン・モズリー戦でも食らっている。

 あるいはホセ・ルイス・カスティージョとの初戦。肩を故障していたメイウェザーは初のライト級(135ポンド)に臨み、同級屈指の強打者でフィジカルを活かし頭から突っ込んでくるブルファイターのカスティージョの押し込みに苦戦を強いられている。

 また、マーカス・コーリー、ザブ・ジュダー戦と自身より大きなサウスポーを得意としているわけでもない。とはいえ、右手前のコナー・マクレガーを完封しているメイウェザーに、クリーンヒットを入れるのは至難の業なのは間違いない。

「やってみないと分からないですけど、たしかにメイウェザーはすごい実績を持ってるけど、俺みたいなパンチの打ち方の人ってほんとうに特殊なんで、今回、体重も無差別だし、俺のほうが有利なんじゃないかと思います。歳的にも俺の方が有利。一撃の重さは絶対に俺の方がある。変則的なパンチなんで、それが当たったときに倒せるんじゃないかと思います」

「もらいながらも詰める」ことが、3分12Rではなく、3分3Rなら出来るか、と問われた朝倉は、「うーん、3分1(R)なら出来るんですけどね。あとは気合いじゃないですか、もう根性です」と、自身のMMAの距離とも異なる戦いを「根性」と表した。

 戦いを「複数の視点」で見ることを得意とする朝倉は、今回の戦いでも、メイウェザーの動画を、俯瞰から、そして自身の目の前にいるものと想定して見ている。

「(メイウェザーには)癖があるので、そこに合わせる技は2、3個あります。結局、ほんとに(メイウェザーは)目がいいから。それが当たるかどうかは分からないので、あとは空手戦法ですね」

 メイウェザーが好まない戦いがある。しかし、それをするためには、メイウェザーに触れる必要がある。朝倉がMMAや空手を活かして戦う、意味はそこにある。

 左右の区別が無く、歩くようにどちらでも突いて、さらにボクシングのパンチのセオリーとは異なるフォームでのパンチをいかに繰り出すか。しかし、今回は純ボクシングルールのため、ベルトライン以下のダッキング、蹴り上げるようなステップのスーパーマンパンチなどの「足を上げる」行為が禁じられている。そのときに、朝倉がいかにメイウェザーに近づき、パンチを当てるか。

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