9月メイウェザー戦と年末のMMA、相反する動きをひとつに繋げられるか
メイウェザーと拳2つで戦い触れるために、実際にどんな練習を選択するか。
蹴りやテイクダウンのあるMMAでは使えなかったパンチがある。同時に、MMAでは使い辛い距離や体勢のパンチもある。これまでの蹴りとパンチに加え、ボクシングで得た戦いが融合できれば、新たな進化を遂げるだろう。
一方で、ボクシングの練習に時間を費やすことは、朝倉が急速に磨きをかけてきた組み技の練習の時間を削ることにもなる。
「スタイルは変えない」という朝倉が、距離も重心も異なるボクシングに取り組むことで、その後のフェザー級王座獲りに向けて、再びMMA仕様に3カ月で戻すことに不安は無いか、と問うと「メイウェザーは出入りがすごく速いし、総合よりのボクサーなんで、全然ボクシングに寄ることはないと思います。むしろMMAのキャリアに置いてすごい収穫になるんじゃないかと思います」と、メイウェザー攻略が、MMAに活きると断言した。
この日、7月31日(日)「RIZIN.37」さいたまスーパーアリーナ大会の開催が発表された。そこでは、ライバルのクレベル・コイケと牛久絢太郎のタイトルマッチの可能性も浮上している。
「7月か9月に牛久と戦う」というクレベルは現在、UFCバンタム級ランカーのペドロ・ムニョスの紹介により、米国のアメリカントップチームに出稽古中で、そこでは堀口恭司や、ONE Championship王者のアドリアーノ・モラエス、PFLのグレイゾン・チバウらの手助けも得て、かつてKSW時代に敗れた現UFC3連勝中のマテスス・ガムロ(※6月25日のメインでアルマン・ツァルキャンと対戦)とも練習。
2日目の練習後には「何も出来なかった。すごい勉強になった。いい練習です」と語るほど、日々、弱点の打撃とレスリング強化に励んでいる。そして王者の牛久も、得意の組み技に加え、寝技の強化、パワー・オブ・ドリームでの立ち技強化に余念がない。7月か、あるいは9月に牛久とクレベルが戦えば、朝倉と同じ大会でフェザー級の王者が決まることになる。
それぞれがそれぞれのやり方で“大一番”に向かうなか、朝倉にとっての「勝利」は、メイウェザー戦で大きなダメージをもらわずインパクトを残すこと、そして年末のMMAに勝利し、世界進出を果たすことだろう。
その“飛び級”には、チャンスもリスクも潜んでいる。「来年中に海外に移住します、何でかと言ったら格闘技のため」と、米国を拠点とすることも宣言している朝倉は、果たして“危険な賭け”に勝利することが出来るか。