ナマユナスにエスパルザはタックル&トップキープが出来るか
――続いてのコ・メインでは、ナマユナスvs.エスパルザのUFC女子世界ストロー級タイトルマッチが行われます。ストロー級も女子最激戦区と言っていいかと思いますが、王者ナマユナスはライバルのジャン・ウェイリー、ヨアナ・イェンジェイチックを2回ずつ倒して、頭ひとつ抜けた存在になりつつありますね。
「そうですね。安定してきた感がありますね」
──ナマユナスの快進撃の要因はどう見ていますか?
「ナマユナスもオリヴェイラと同じく、もともと組みが強いグラップラーだった選手が、打撃を磨いたタイプですよね。相手からすると当然、組技を警戒しなければならないのに、打撃レベルがかなり高いというのが、やりづらくしている要因だと思います。
その打撃自体、自分からプレッシャーをかけていくんですよね。相手からすると、そのプレッシャーをかわすためには、そこにタックルを合わせたり組みついたりという選択肢が当然あると思うんですよ。でも“組んだらナマユナスは寝技が強いしな”という思いがあるから、そこで相手に迷いが生じるわけですね。
たとえばジャン・ウェイリーなんかは、スタンドでプレッシャーをかけられて、タックルやローキックを警戒して意識が下に向いたところでハイキックを入れられたり。イェンジェイチックもそれで顔面に連打をもらってますよね」
――だからこそ、ウェイリー、イェンジェイチックというトップストライカーが、本来グラップラーだったナマユナスにKOされたわけですね。ただ、今回の挑戦者エスパルザは完全にレスラーです。
「がんがんタックルに入ってくるタイプですよね。だから今回、エスパルザ側からするとタックルが取れる距離を早く見つけることと、その設定ができる状況を作ることが大事だと思うんですよ。そのためには相手を不用意に出てこさせるとか、自分からプレッシャーをかけて足を止めさせるとか、ケージ際まで追い込んだりする必要が出てきますけど、それをナマユナス相手にできるかどうかですね」
――エスパルザは、ナマユナスのグラップリングを怖がらない相手でもあります。
「なぜ極めが強い相手に対してもタックルに行けるいけるかというと、エスパルザは倒してトップポジションを取ったとき、下手に寝技をやらないんですよね。トップキープに専念して、そこから極めに行ったり、下手したらパスガードも狙わずに、そこからパウンドとヒジを落としていく。そのパウンドとヒジが強いし、要は漬けるだけなので隙が生まれにくいんですよ」
――そうして確実にラウンドを取りにいくと。
「そういうシンプルな試合運びをするので、おそらくナマユナス相手にもタックルを仕掛けていくと思うんですけど。要はそのタックルが成功するかどうかですね。逆に言うとテイクダウンを奪えなかったら、厳しい展開を強いられると思います。
また、テイクダウンが取れたとしても、エスパルザはトップキープをしようとして立たれた時、けっこう消耗していることが多いんですよね。ナマユナスは寝技から立つ動きとか、下からサブミッションを仕掛けながらスタンドに戻す技術をいろいろ持っているので、しっかりとトップキープしてドミネートできるかですね」
――ナマユナスにとってエスパルザは、UFCデビュー戦である初代ストロー級王者決定戦で敗れた相手ですから、成長ぶりを証明したいところです。
「だからエスパルザ相手だからこそ見られる、ナマユナスの技術の幅の広さみたいなものが見られるかもしれないし、自分はそこに期待していますね」(聞き手・文/堀江ガンツ)
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UFC 274: Oliveira vs. Gaethje 全カード
WOWOW『UFC -究極格闘技-』放送・配信スケジュール
5月8日(日)午前11:00[WOWOWライブ]※生中継
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
5月13日(金)午後4:00[WOWOWライブ]※リピート
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
【メインカード】
▼UFC世界ライト級選手権試合 5分5R
シャーウス・オリベイラ(ブラジル)32勝8敗(UFC20勝8敗)UFC10連勝中
ジャスティン・ゲイジー(米国)23勝3敗(UFC6勝3敗)
▼UFC女子世界ストロー級選手権試合 5分5R
ローズ・ナマユナス(米国)11勝4敗(UFC9勝3敗)UFC3連勝中
カーラ・エスパルザ(米国)18勝6敗(UFC9勝4敗)UFC5連勝中
▼ライト級 5分3R
マイケル・チャンドラー(米国)22勝7敗(UFC1勝2敗)
トニー・ファーガソン(米国)25勝6敗(UFC15勝4敗)
▼ライトヘビー級 5分3R
オヴィンス・サンプルー(ハイチ)25勝16敗(UFC13勝11敗)
マウリシオ・ショーグン(ブラジル)27勝12敗(UFC11勝10敗)
▼ライト級 5分3R
ドナルド・セラーニ(米国)36勝16敗(UFC23勝13敗)
ジョー・ローゾン(米国)28勝15敗(UFC15勝12敗)
【プレリミナリー】(UFC Fight Pass)
▼ウェルター級 5分3R
ランディ・ブラウン(ジャマイカ)14勝4敗(UFC8勝4敗)
ケイオス・ウィリアムズ(米国)13勝2敗(UFC4勝1敗)
▼女子フェザー級 5分3R
メイシー・チアソン(米国)7勝2敗(UFC5勝2敗)
ノーマ・ドゥモン・ビアナ(ブラジル)7勝1敗(UFC3勝1敗)UFC3連勝中
▼フライ級 5分3R
ブランドン・ロイバル(米国)13勝6敗(UFC3勝2敗)
マット・シュネル(米国)15勝6敗(UFC5勝4敗)
▼ヘビー級 5分3R
ブラゴイ・イワノフ(ブルガリア)18勝4敗(UFC2勝3敗)
マルコス・ホジェリオ・デ・リマ(ブラジル)19勝7敗(UFC8勝5敗)
▼ウェルター級 5分3R
フランシスコ・トリナウド(ブラジル)27勝8敗(UFC17勝7敗)
ダニー・ロバーツ(英国)18勝5敗(UFC7勝4敗)
▼女子フライ級 5分3R
トレイシー・コルテス(米国)9勝1敗(UFC3勝0敗)
メリッサ・ガト(ブラジル)8勝0敗(UFC2勝0敗)UFC2連勝中
▼フライ級 5分3R
クレイドソン・ホドリゲス(ブラジル)7勝1敗(UFC0勝0敗)
CJ・ベルガラ(米国)9勝3敗(UFC0勝1敗)
▼女子ストロー級 5分3R
アリアネ・カルネロッシ(ブラジル)14勝2敗(UFC2勝1敗)
ルピータ・ゴディネス(メキシコ)7勝2敗(UFC2勝2敗)
▼バンタム級 5分3R
ジャーニー・ニューソン(米国)8勝4敗(UFC0勝2敗)
フェルナンド・ガルシア(米国)10勝1敗(UFC0勝0敗)
▼ウェルター級 5分3R
アンドレ・フィアリョ(ポルトガル)15勝4敗(UFC1勝1敗)
キャメロン・ヴァンキャンプ(米国)15勝5敗(UFC0勝0敗)
【出演】
解説:高阪 剛、堀江ガンツ
実況:高柳謙一
生中継前後に出演陣のYouTube「WOWOWofficial」配信
『スタジオ裏トークUFC274』