▼第9試合 DEEP JEWELS 49kg以下 5分3R
◯富松恵美(48,75kg/パラエストラ松戸)
[1R 4分28秒 キムラロック]
×古瀬美月(49.00kg/Y&K MMA ACADEMY)
(前日コメント)
富松「先日、怪しいLINEが来て、相手が病気だと。試合が無くなることも頭に浮かびましたが、DEEPの方々が力を尽くしていただき、そして古瀬選手が──正直、親子であっても遜色ない──こんな短期間で承諾してくれた熱意と、組んでくれたDEEPに感謝します。古瀬選手は格闘代理戦争で準優勝し、この間の試合も間近で見させていただき、これからの女子格闘技を担っていく選手で、上がってきてほしいですけど、まだまだ鍛えていかないと勝てないんだぞというところを見せて、明日は完勝したいと思います。熱い試合を楽しみにしていてください」
古瀬「急きょ参戦、感謝しています。すごい強い相手とは知っている。一生懸命を見てもらえたら」
セミファイナルでは、富松恵美(パラエストラ松戸)と対戦予定だった佐藤絵実(毛利道場)が「病気によりドクターストップ」で欠場のため、代わって古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY)が緊急出場し、富松と49kg契約で対戦(※当初のアトム級は47.6kg)する。
AbemaTVの「格闘代理戦争」で活躍した古瀬は、約1カ月前の5月12日の「DEEP 89 Impact」にも出場しており、ストライカーの樋田智子(カルペディエム福岡)を相手に、要所でテイクダウンを奪い削って判定勝利も、後半のスタミナに強い樋田に苦しめられる場面も見せた。
古瀬と対戦する富松は元ストロー級暫定王者。2018年6月に強豪のパク・ジョンウン、8月にパク・シウに連敗を喫したが、3月9日の「DEEP JEWELS 23」では、レスリング出身の青野ひかるに2R、一本勝ちし、復活を遂げている。
基本はオーソドックス構えの富松とサウスポー構えの古瀬。長い手足を武器に自分の距離で戦いたい古瀬に対し、しっかりジャブから崩す富松は寝技では一日の長がある。今回のスクランブル出場で古瀬はいかにベテランの富松と対するか。前日計量後には、「厳しい戦いになるとは分かっていますが、頑張りたい」と挑戦のひとつであることを語っている。
1R、サウスポー構えの古瀬とオーソドックス構えの富松。前手をぶつけあいながら、前足に右ローは古瀬。富松もモーションの少ない右ストレートをヒット。
打ち合いの中で前ががりにさせられた古瀬。富松はそこにダブルレッグテイクダウン! 古瀬はスクランブルで立つことができず、あるいは選択せず。下から右腕をオーバーフックし、ヒジを頭部に打つ。
しかし、富松は脇差しパスガードへ。いったんは上体を離すと、両足をさばきながら、下から脇を差してきた古瀬を押さえ、上四方へ。最後は頭付きのキムラロックを極めた。
試合後、マイクを渡された富松は、対戦予定だった相手の怪我により、急遽、試合のオファーを受けた古瀬に感謝の言葉を述べると、「私も“熟年”(※前日計量で佐伯代表が富松をそう紹介)なので(笑)、若手に上がってきてほしいですし、若手が盛り上げて“ずっと続く団体”にしてほしい。ただ、まだまだ上が強いというところも証明したかった」と、女子格闘技ブームの前から格闘技に取り組んできた矜持と、ブームで終わらせない強い意志を語ると、「ちょっとはベルトに近づけたかでしょうか」と、再び王座戦線にからむ意欲を見せた。