MMA
インタビュー

【RIZIN】「vs.世界」矢地「負けはしたけど自信がついた。ここから俺の時間だったのに」×ギョンピョ「試合勘を取り戻したので、次はもっといい試合をお見せできる」

2026/03/10 23:03
 2026年3月7日(土)東京・有明アリーナにて『RIZIN.52』が開催された。 「vs.世界」が掲げられるなか、第5試合のライト級では、矢地祐介(フリー)が、キム・ギョンピョ(韓国/Redhorse MMA)と対戦。  試合は、1Rにコーナーに押し込んだギョンピョが四つから回して小外気味にテイクダウン奪うと、矢地は下から左でオーバーフック。ギョンピョは空いた左でヒジ! この1発で矢地は右目周辺をカットして流血。  2Rに四つに組んだ矢地は小内刈テイクダウン。ハーフから腰を抱く。下のギョンピョもヒジ。腰を上げてけんけんでパスガードを狙う矢地だがさせないギョンピョがスイープでトップを奪う。右眉毛横を大きくカットした矢地にドクターチェックが入り、矢地はタオルで拭ってやれる、と示すが、試合ストップ。ギョンピョがTKO勝ちした。 戦える相手とは全て戦いたい ――試合を終えた率直な感想を聞かせてください。 「こんにちは。今日のRIZINの試合は1年4カ月ぶりでした。かなり深刻な怪我をしまして、その間トレーニングができるかどうか、そして試合に復帰できるかどうか、随分心配したんですけれども、また復帰することができまして本当に嬉しく思っています。怪我で休んでいる間に、RIZINのリングの大切さについて改めて分かったような気がします。今日の試合は当初自分が望んでいたような試合展開ではなく、そのせいもあって試合が終わった後はあまり気分が優れませんでした。ただ、先ほどまた映像を繰り返し見る中である程度トレーニングしてきたことが出せていたなという風に思いまして、その点は改めて良かったなと思っています」 ――矢地選手ですが、実際に戦ってどんなファイターだったか感想も教えてください。 「予想通り非常にベテランということもあって、戦略を駆使する能力、試合運びがとても優れた選手だと思いました。もちろんそういう選手だろうということは知ってはいたんですけれども、実際に戦ってみて、体感として実際に彼の素晴らしさを感じることが出来ました。試合が終わった後にお互いちょっと顔を合わせたんですけれども、本当にナイスガイだなという気がしました」 ――今後の目標展望というのを教えてください。 「RIZINのチャンピオンですね。それが最終的な目標ですけれども、全てのライト級の 選手たちが、それを目指しているのではないでしょうか。いきなりタイトル戦というわけにはいかないので、ライト級の選手層が厚くなりつつあるということも聞いています。ですのでタイトル戦への足掛かりとして、戦える相手とは全て戦いたいと思っています」 ――久しぶりの試合ということで、リングに上がる時には不安もあったかと思うんですけども、やってみて思ったより出来たところ、それと不安があって出来なかったところがあったら教えていただけますか? 「先ほども少し触れましたけれども、思っていた通りの試合展開にはならなかったということで、スタンディングでも戦いたいと思ったんですけれども、矢地選手がプレスをかけてきたということで、当初の自分が思っていたプランが崩れてしまいました。もちろんそういう攻め方をしてくるであろうということは考えていたんですけれども、なかなかそれに対応することができなかった。  そしてグラウンドの技もなかなか使えなかった。それ以外に関しましては矢地選手はテイクダウンがとても上手な選手なので、おそらく倒されるであろうということも、ある程度事前には考えていたんですけれども なかなかそういった点で自分が思った通りにはいかなかった。これが出来なかった点ですね。そして出来た点としては、試合前というのはリングに上がる前は不安な気持ちがあるんですけれども、いざリングに上がってみると自分を信じるしかないという、そういった気持ちが強くなってきますので、その感覚を取り戻せたというか、自分を信じる気持ち、それは良かったかなと思ってます」 ――矢地選手が流血したことで、ドクターストップで勝つ試合展開は考えていたんでしょうか? 「ドクターストップという形で試合が終わることは望んではいませんでした。もちろん勝とうと思っている中で矢地選手が切れてしまって流血になったんですけれども、パウンドですとかバックチョークですとか、そういった形でフィニッシュをしようと考えていました。できれば3Rまでやって終えたいなという風に思っていました。ところが、予想外にかなり傷が深かったために、ドクターストップになってしまったんですけれども、最後にドクターがストップをする前にチェックをした時も、まさかこれで試合を終えることはないだろうと心のどこかで思っていました。  全般的に僕の方がちょっと運が良かったのかなという風に思います。思った以上に矢地選手の傷が深かったということもあったので、少し僕の方が運が良かったかなとも思いますし、自分としては3Rまでやってしっかりと勝っておきたかったと思っています。経験もあるので3Rまでやっても勝てたと思います」 ――ライト級で次にチャンピオンとやるわけにはいかないって言ってましたけど、じゃあ次に戦いたい相手は具体的にいますか? 「どの選手ということはまだ考えていないんですけれども、知ってる選手としては、おそらく野村選手はノジモフ選手とやるんじゃないかなと思いますし、そのうちの勝った方の選手、もしくは新たにまた別の選手が対戦相手になればいいかなと思っています。とにかくRIZINでやれと言われたら、試合を組んでいただけたらつべこべ言わずに全部戦いたいと思っています。ただ、タイトル戦というのも、自分の中では欲としてはあります」 ――韓国ではライト級でキム・ギョンピョ選手が最も強いと評価されていますけれども、ご自身はどう思っているでしょうか? あと、全盛期を迎えたという評価もされていますけれども、その点についてもどのように思っていらっしゃるでしょうか? 「自分が全盛期かどうか、はっきり言ってよくわかりません。韓国ライト級の最強者ではないんじゃないかなと。自分では違うと思っています。なぜならば最近ライト級は本当に素晴らしい選手がたくさん出てきていますし、すぐに戦えと言われたら負けるかもしれませんけれども、しっかりと時間をかけてトレーニングをすれば誰にでも勝てると自分では思っています」 ――野球は好きですか? 「嫌いです。格闘技が1番です。RIZINが1番です(笑)」 ――今日は試合開始からかなり優勢だったと思います。しかし、勝利を収めたにも関わらず試合後の表情はあまり満足そうではありませんでした。10点満点のうち点数をご自身につけるとしたら何点でしょうか 「10点満点中3点です。あまりにも久しぶりにリングに上がったということもありまして、試合勘がかなり鈍っていたかなと思います。自分ではこういう風に戦おうというイメージをしてリングに上がったわけですけれども、実際に戦ってみたら自分の動きがイメージしていたものとかなり駆け離れていたという感じがありました。ただ今回試合をしたことによってまた試合勘を取り戻したので、次の試合はもっといい試合をお見せできると思います」 ――少し時間をかけてトレーニングをすれば誰にでも勝てると思うと先ほどおっしゃいましたけれども、RIZINの試合に出るとしたらいつ頃呼んで欲しいと考えていらっしゃるでしょうか。 「来月すぐ来いと言われたらちょっと困ります。3~4カ月後というのが自分の中では希望なんですけれども、僕も35歳になるということもありまして、あまり時間的に余裕もないので3~4カ月後に戦えたらと思います」 ――韓国国内でも凄く盛り上がってるプロモーションがあると思うんですけど、ギョンピョ選手がここまでRIZINにこだわる理由はなぜなのか教えていただけますか? 「韓国のプロモーションもだんだん良くなっています。とても良くなっているんですけれども、やはりRIZINのファンですとか、そういった点からするとまだ韓国よりもRIZINの方が上なのかなと思います。あとは日本の上緒的なものが僕自身に凄く合っているのかなと思います。とても感覚的なものなんですけれども、日本のそういった感覚が自分に合っているということと、あとはやはりRIZINが僕に対していろいろと気遣かってくださる。その点にはとても満足しています」 [nextpage] 3Rで決められる確信ぐらいの気持ちがあった ――試合を終えた率直な感想を聞かせてください。 「いつも悔しいんですけど、今日は本当に悔しさはいつも以上かなっていう気持ちです」 ――本人的にはまだまだ続けられたと。 「1Rあそこまで攻められてるから何も言えないんですけど。正直自分としては相手もガス欠してたのが分かったので、ここから俺の時間だなと。判定に行ったら負けちゃうと思ってたので、3R目でしっかり仕留めに行くぞと、仕留められるぞって思った2Rの最後の四つのテイクダウンだったんで本当悔しいですね」 ――実際に戦ってみてどんなファイターだったか感想も教えてください。 「強いのは当たり前なんですけど、強かったですね。特に力負けとかは全然感じなくて、上手かったですね。最初のテイクダウンも上手でしたし、上手かったっていう印象です」 ――今後の目標・展望を教えていただけますか? 「負けはしたんですけど、自分自身今回ちょっと自信がついたというか、自分に自信が全然なくて、それが試合にも出ちゃってたんですけど、今回の試合は自分の中でけっこう収穫があったというか。このレベルの、アジアできっと上位陣の選手にここは通じるんだとか、これぐらいやれるんだとか。いろいろ今回テーマとして取り組んでたことが通用した部分はあったので。そういう意味で変に自信がついてしまったというか、また早く試合を組んでいただけたら嬉しいなと思います」 ――出血のきっかけになった攻撃は覚えてますか? 「多分1Rの僕がクローズドガードになった時の相手の左ヒジだと思います。割れたっていう感じはしなかったんですけど、気づいたら血が出てたなっていう感じですかね」 ――かなりの出血量にも見えたんですがダメージは? 「もちろん何発かヒジで、グワーンと衝撃はありましたけど、そこまで出血の割にはダメージは正直なくて。意外と冷静に戦えてはいました。あの1Rの場面も」 ――2Rの最後に止められる時、これで止められるかなという感覚はどうでしたか? 「それに関しては自分で見れてるわけでもないし、分かんなかったですけど、これぐらいの流血だったら全然大丈夫かなと思ってたんですけど。ドクターの方たちも大丈夫かっていう雰囲気だったんですけどね。急にやっぱダメだってなっちゃって。血がちょっと出すぎてたみたいですね」 ――その流血によって変えたものとかはあったんでしょうか? 「特にないです。もちろん血が出てんなと思いましたけど、だからと言って何か変えるって感じはなかったかな」 ――作戦のパターンのいくつかで、序盤に劣静になっても最後に巻き換えしていけるという確信とか戦略もしっかり持った上で最後までやりたかった? 「そうですね。1Rも勢いと圧力が強いのは分かってたんで、そこはしっかり慎重に戦わなきゃいけないなって。結果ああやってね、畳み込まれちゃったんですけど、1Rを凌いでそこから自分の蹴りとかも嫌がってた風に感じたし、組んだ時に全然もう力が残ってないなって感じたので。ここから四つでしっかりテイクダウンして、最後下になっちゃったんですけど、ここから俺の時間だな。これ3Rで決められるなっていう正直確信ぐらいの気持ちではありました。なので本当に悔しいですね」 ――RIZINが今年vs.世界ってテーマを掲げて、矢地選手もそこに向かっていくことを考えてたと思うんですけど、負けてしまったことでvs.世界には一歩後退で、もしかしたらまた日本人対決ということになるかもしれないんですけど、それでも戦っていく? 「もちろん。組んでいただければ誰とでもやるっていうスタイルは昔から変わらないんで。組んでいただけたら日本人だろうが外国人だろうが誰とでも戦う気持ちでいますし、準備はしておきます」 ――カットの原因となったテイクダウンは最初に四つで五分だったと思うんですけど、あれを回してテイクダウンされたことに関してはどう感じましたか? 「あれは上手くやられたなという。支え釣り込み足的な、力をうまく逃して。組んだ感じなんか力ってそんな感じなくて、よくも悪くも柔らかい感じだったんで、組んだ時は大丈夫だって思ったんですけど、そこでうまく投げられちゃいましたね」 ――ガードもオーバーフックからクローズドに入れてたとは思うんですけど、反対側のヒジもうまく相手に突かれたっていう感じでしょうか? 「いろいろ反省点はあるんですけど、あそこで立っていく展開にする選択肢も十二分にあったよなっていうのも思ったんですけど。多少効いてたのもあると思うんですけど、ガードで凌いで次につなげようっていう意味で意外と冷静でしたけど、そのラッシュで相手がみるみる疲れていったので…まあまあ。すいません、なんか言い訳がましくなっちゃってマジで悔しい」 ――それだけ悔しいを連呼されてるっていうことは、ドクターストップには不満があるっていうことですか? 「いや、不満はないです。チェックしていただいたドクターの判断は全然アレですけど、もうちょっとやれたんじゃねえかっていう 気持ちはあります。ただそのドクター陣だとかカットマンに不満があるわけではないです」 ――不満を現わにして『俺はもっとできた』ってアピールした方がお客さんにも色々伝わったと思うんですけど、終わってすぐ笑顔でギョンピョ選手とハグとかしてて、矢地選手っぽいなと。 「彼はナイスガイで、試合後もいろいろお話しさせていただいたんですけど、素直にもらったのが悪いわけで。そこに別に不満はないというか、もらった自分が悪い。ただもうちょっとなんかうまくやってくれ、もうちょっとうまく止血してくれても良かったかなとは正直思うんですけど(笑)。RIZINで戦う以上、その決定を覆返すというか、反発するわけにはいかないので。それをしっかり認めて次につなげるっていう気持ちですね」 ――最後下になってなかったら、止められてなかったかもっていう思いは? 「それは思いました。あそこで1回区切りついちゃったんで、そこに関しては失敗したなと思いましたけど。俺もそれドクター陣に聞いたんですけど、(次の)ラウンド入ってもラウンド中の出血具合を見て止めてただろうとみんな言ってたんで、しょうがないかなと思います。ただ本当に、ここから俺の時間だったのにっていう気持ちは消えないですね」
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