「勝てば官軍」結果にこだわる。「100」に戻したい
クレベル戦が飛び、メインの責任感から自らベルトを賭けた牛久との初戦はカットによるストップだった。「やれるよ、やれる!」と叫ぶなか、ゴングが打ち鳴らされ、ベルトを手放した。
「個人的な意見を言わせてもらえると“こんな傷で止めるの?”というのはあったんですけど、ルール上、仕方ないのかなと受け止めるのには少し時間がかかりました。そういう意味では自分のなかで“まだ試合は終わってない”と思いますし“完全決着させたい”という気持ちは強いです」と、半年前の試合にケリをつけるつもりだ。
「時が止まっている」ような気持ちか、と問われ、「タイトル戦ということもあって、勝ち負けがはっきり分かれて、ほんとうにゼロか100、ですよね。やっぱり勝って100に戻したいなという気持ちもありますし、これに勝ってまた防衛戦をやっていきたいと思っています」と、自身があるべき姿を取り戻すという。
王者になれば、再び因縁のクレベル・コイケが王座挑戦に名乗りを挙げることも予想されるが、「どうなんでしょう。クレベル選手についてはちょっとよく分からないことがあるので、僕の発言は差し控えた方がいいかなと思っています」と苦笑した。
守るべきベルトが無い身軽さと、落とせない再戦のチャンスのプレッシャー、どちらもあるという。
「そこまでナーバスになり過ぎてはいない、半々くらいかなと思います。どうしても選手は勝ち負けによって変わってきてしまうので、試合に対して勝ちへの執念というか、その気持ちを持って、最後の最後まで臨みたいと思います」と、斎藤は「執念」という言葉で勝利へのこだわりを示した。
前戦では、試合中に牛久から「来いよ、オラ」と挑発された。自身を鼓舞する意味もあっただろうが、舐められたと感じた斎藤は、RIZIN動画のなかで「ブチ殺してやるぞ、クソガキと思ってた。喧嘩をやったって負けねぇよ」と、勝利にこだわるなかにも退かない構えもあることも語っている。
「完全決着」の理想は「ワンパンチ」だが、そこで楽をするつもりはない。
「1Rで終わるのが一番いいですけど、ワンパンチで終わるのが一番、気持ちいいですけど……まあ勝てれば何でもいいです。勝ちたい気持ちがすごく強いので、試合内容をすごく良くしたいという気持ちも強いんですけど、結果にこだわりたい、勝ちにこだわりたいというところですね。試合に集中しているというか、いろんな思いを背負って戦うのはもちろんですけど、“勝てば官軍”だと思っています」と、勝利こそが最大のリベンジになるという。
最後にファンに向けて、「あと11日。ギリギリまで練習・調整を進めていって、ベストコンディションで戦いに挑めるように頑張りますので、会場でもPPVでもたくさんの応援、よろしくお願いします」と語った斎藤裕。
4月17日、最後にベルトを手にするのは斎藤か牛久か。