(C)Zuffa LLC/maryna_moroz_ufc
「ウクライナに手を出さないで」(モロズ)
2022年2月24日にロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始し、ロシア軍とウクライナ軍の戦闘が続くなか、世界のファイターたちが反応。格闘技大会出場への影響も出始めている。
3月5日に米国ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催される『UFC 272: Covington vs. Masvidal』に出場予定のウクライナ・ヴィルノヒルズク出身のマリナ・モロズ(ATT)は28日、各国メディアのインタビューに応じ、「ウクライナに手を出さないで」と訴えた。
“アイアン・レディ”の異名を持つモロズは、ウクライナでボクシングとキックボクシングの「マスター・オブ・スポーツ」の称号を得て、ウクライナ ボクシング代表チームメンバーから、MMA転向を果たした。現在は堀口恭司と同じ、フロリダのアメリカントップチーム(ATT)で練習を続けている。
「私は自分の国を愛しています。ウクライナに手を出さないで」と語るモロズは、母国について、「ウクライナにとって大変な時期です。私は自分の国、大統領、ウクライナの全軍を応援したいし、戦争はしたくないと言いたい。今は家族のことが心配です。故郷の状況があまりにひどく、父は家で手榴弾を作っています」と、首都キエフに続き第2の都市ハリコフも砲撃を受けている状況に、心配の表情を浮かべた。
MMA10勝3敗(UFC5勝3敗)のモロズは5日、カザフスタンのマリヤ・アガポバ(10勝2敗・UFC2勝1敗)と女子フライ級で対戦する。
2019年にサビナ・マゾ、2020年にマイラ・ブエノ・シルバに判定勝ちし、2連勝中のモロズは、同じくマゾに一本勝ちしているアガポバとのフライ級サバイバルマッチに向け、「私はウクライナの人々が強いことを示し、オクタゴンの中で私の旗を掲げて戦います」と語っている。
5日の『UFC 272』には、モロズと同じプレリミナリーで、ダゲスタンのイーグルスMMAからウマル・ヌルマゴメドフ(13勝0敗 vs.ブライアン・ケレハー)、タギル・ウランベコフ(14勝1敗 vs.ティム・エリオット)の2選手も出場を予定しており、すでにハビブ・ヌルマゴメドフとともに、ラスベガスのUFCパフォーマンス・インスティチュートで調整をしている姿がアップされている。戦時下の両国の選手のパフォーマンスに影響が無いように主催者も務めている。