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2021年9月20日(月・祝)18時から、東京・後楽園ホールにて、プロ修斗公式戦『PROFESSIONAL SHOOTO2021Vol.6 in Supported by ONE Championship』が開催。大会の模様は全試合『ABEMA』格闘チャンネルにて生中継される。
セミファイナルの第7試合では、環太平洋バンタム級タイトル戦(5分3R)として、王者・安藤達也(フリー)が初防衛戦。同級6位の石井逸人(TRIBE TOKYO MMA)を挑戦者に迎える。
安藤は、2020年8月の環太平洋バンタム級王座決定戦で、田丸匠をTKOで下し戴冠。しかし、2020年11月にノンタイトル戦で大塚隆史と対戦し、1Rにカーフキックを受けて右足を負傷、TKO負けを喫しており、今回が再起戦となる。
対する石井は、インフィニティリーグ2020バンタム級優勝者。小野島恒太、野尻定由とドローも、一條貴洋に判定勝ち、よしずみには1R 腕十字で一本勝ちしている。またリーグ戦の途中で、齋藤翼にも判定勝ち。2020年2月以降、修斗で3勝2分と負けていない。
「ベルトを獲る、その発言権を得るためにもインフィニティで優勝する」と語っていた石井がベルトを奪取するか。それとも“怪物”安藤が本領を発揮するか。
安藤「アルファメールに出稽古、技術はもちろん心肺機能が強化された」
──前戦は試合前から大きな話題となりました昨年11月の大塚隆史戦でした。注目の一戦でしたが安藤選手の膝の負傷によりTKOで敗戦。試合後は治療に専念する事になりました。
「あの試合は自分にとっても気づきとなる試合でした。この時は万全の状態で試合に挑めたんですが、万全でもこういう事が起こるんだなって。試合後に病院に行く途中でいろいろと考えさせられたというか。自分を見つめ直す結果になりました」
──どんな状態だったんですか?
「相手のローキックをカットしようとした瞬間にパーンと音がして。それからステップ踏んだ瞬間に足に違和感を感じて、ヒザ関節がおかしい事に気づきました。その後、組まれたんですが足に力が入らないので、もう戦えないとレフェリーに伝えました。自分からギブアップするのはホントに嫌だったんですけどね。相手も狙ってますし、それをあのタイミングであの場所にもらってしまいました。もらってしまう運も実力ですから、自分の負けです」
──怪我が最悪の状態にならなかった事が救いでしたね。
「はい。1カ月は安静にしてたんですけど、手術はなんとか免れて思ったより早く帰ってくることができました。歩けるようになってからは、ヒザのリハビリも兼ねて山を登るようにしました」
──SNSでも拝見しましたが、最近いろんな山に登られてますよね。
「今までも好きで登ってたんです。自然が好きだって事もあるんですが、格闘技のトレーニングももちろん必要ですけど、基本的な歩くという事も必要だと感じています。登山に関しては頂上へ向かうプロセスが好きなんです。下調べして、準備して。目的の頂上へ向けて進んで行く感じが」
──修行先のアメリカでも山にも登られてましたね。
「登りました。8時間くらいぶっ通しで歩きました。日本とは比べ物にならないくらいタフです。死ぬかと思いました」
──そんなに危ないんですか !?
「スケールが違い過ぎました。掴むところも無い結構な岩場で、1分くらい動けなくなって。これはヤバイって(笑)。あれはいい経験でした。あの経験はいろんな事に繋がると思います」
──そのアメリカへはもちろん格闘技の修行にいかれてたんですよね。
「はい。以前にも世話になってたサクラメントのアルファメールに行きました。一緒に練習してた川原波輝選手に声かけてもらって行くことにしました」
──ただこの時期の渡米って結構大変だったんじゃないですか?
「もの凄い大変でした。結果的に移動だけで行きに二日、帰りに二日かかりました(苦笑)」
──そこに検査諸々が入るわけですから、とんでもないですね。
「なのでしっかりプラン立てて行きましたよ。そういう状況も勉強になりましたし、いい経験になりました」
──格闘技の面でもいい経験は得られましたか?
「技術面ではもちろん、調整の仕方、試合への戦術、プランニング全てにおいて新しい事が学べました」
──一番の収穫は?
「フィットネスやコンディショニングの部分です。水泳のトレーニングを結構取り入れて。心肺の強化は特に勉強になりました。これを取り入れる事でかなり心肺機能の強化につながりましたし、いろんな事に気付くことができました。これは日本に帰ってもしっかり取り入れてやっています。もちろん格闘技の技術面でも勉強になりました。また一つステージが上がった感じです」
──俄然、今回の初防衛戦が楽しみになりました。挑戦者は石井逸人選手です。以前からのお知り合いなんですよね?
「一緒に練習をしていました。その時期から“いつか当たる時が来ると思います”とも話ていましたから。インフィニティリーグ優勝したのを見て、そろそろなんだなとは感じていました」
──一緒に練習もされていたということですが、石井選手にはどんな印象をお持ちですか?
「結構頑張っちゃう、素直な選手という感じです」
──石井選手はいつも対戦相手への憎しみスイッチを入れて試合に挑むそうですが、今回はその気持ちが持てない初めての試合になるそうです。
「その気持ちをスイッチにしてるって、めっちゃ素直でいいヤツじゃないですか! 憎しみという感情を持って試合に挑める事自体が凄いと思います。僕にはできない。彼の試合を見てて思うのが、練習の時の方がもっと強いと思います。試合だと緊張しちゃうのかな」
──技術面での石井選手の印象は?
「“打倒極”全体のバランスがいいです。特に寝技が上手ですよね」
──どういう展開を予想していますか?
「なんとなくなイメージはありますけど……特に考えていないです。判定になったら分が悪いでしょうから、決着つけに行きますよ。きっちりと差を見せて防衛します。もっと上を目指している途中ですし、ここで止まっていられません」
──初防衛戦のプレッシャーなどはありますか?
「あるわけないでしょう!(笑)最後まで諦めずに自分に勝って、勝負に勝って。気持ちのいい試合を見せます。格闘技は英語で「MatialArts(マーシャルアーツ)」。やっぱりアートなんですよね。自分の人生賭けたアートの部分を、見て頂く皆さんに感じてもらいたいです。しっかり決着つけます!」