1回戦で終わらない、ベルトを獲ることがゴール
──あらためてアリース・アンダーソン選手をどのようにとらえていますか。
「リーチが長く、Invictaでの試合でもそのリーチをしっかり活かしているなと感じます。寝技の4の字フックを必ずしてくるので……でもそのくらいかなという感じですね。パンチは当ててくるけど、そんなに1発が重いというイメージではないので、それを耐え抜いて自分が組み付いていければいいかなという感じですね」
──その意味では、オーソドックス構えで手足の長いAKARI選手との練習は活きてきますか。
「それはありますね。やっぱり前足で距離を取って下がらないようにしてくるので、その練習をしたり、KRAZY BEEにも同じくらいの手足の選手がいるので、すごく練習をやってもらっています。自分より大きな選手と対戦するのは初めてなので、そこがちょっとどんな感じなのかなとイメージしてやっています」
──2月の試合時に比べ、手応えをかなり得ている状況でしょうか。
「そうですね。前回は(打撃に)こだわり過ぎちゃったので、今回は打撃が出来たらいいなという感じで、出来るんですけど、そんなに固執しないようにと考えています」
──一方でアンダーソン選手は組んで戦いたい選手のようにも感じます。あの長い手足でバックに回られると厄介そうな柔術についてはどう考えていますか。
「そうですね。毎回、バックについているイメージがあるので、バックを取らせないようにしつつもパウンドもありなので、グラウンドのヒザもありますし、いままで組みの選手はあまりいなかったので、逆に組みの部分では勝負できるなと感じています。でも総合格闘技なので、MMAで寝技でも打撃でも戦っていきたいです」
──トーナメントで負けは許されない試合ですが、その中でもどんな試合を見せたいと考えていますか。
「スタンドもグラウンドもいろんなことが出来るようになったので、それを試合で発揮できたらいいかなと思います。やはり、KOか一本で勝ちたい。差を見せつけるじゃないけど、GPで1回戦で終わらないんで、しっかり決勝までベルトを獲ることまでがゴールなので、そこを見据えるとスカ勝ちかなと思っています」
──まずはトーナメント初戦を勝ち上がることのみを考えてきたのか、それとも“その次”も見据えて想定して練習してきたのでしょうか。
「そうですね、先を見て……勝ったらきっと2回戦はスタンプ選手とやるのかなと思っているので、まずはそこまではしっかり見据えていて、寝技も立ち技も出来るように想定しています。スタンプからずっと『やりたい』と言われていたし、自分もやりたかったので。スタンプとやるんだったら、必ず寝技で仕留める、と決めているのでそこだけは……いう気持ちです」
──なるほど、1回戦が正式に決まり、デニス・ザンボアンガvs.ハム・ソヒ、メン・ボーvs.リトゥ・フォガット、アリヨナ・ラソヒナvs.スタンプ・フェアテックスとなりました。誰が勝ち上がってくると予想していますか。
「ハム・ソヒ選手、スタンプ選手、メン・ボーとフォガットは……メンボーじゃないかなと思うんですけどグラウンドはフォガット。でもメンボーの右ストレートがしっかり当たれば、きっとメンボーだと思っています」
──その先にはアトム級王者アンジェラ・リーが待っています。
「きっとチャンピオンはママになってさらに強くなっていると思うので、すごく戦いたい気持ちもあります」
──「ONE: EMPOWER」という大会への想いは?
「女子だけの大会というのはすごく特別だと思うし、この試合を男子の選手が観るというのも新鮮です。そこで“女子”じゃない戦いを見せたいし、女でもしっかり戦ってヒーローになることがカッコイイと思っているので、女の強さを見せられるんじゃないかなと思っています」
──憧れの女性は?
「やっぱりママですね。若いうちにママになって自分もお兄ちゃんも産んで、どんなときも怖かった。自分の今の歳でもう子供がいると思うと、すごいなと思うし、小さいときにママはママを亡くして両親を亡くして。すごい女って強いなと思うことが、ママを見ていてあったので、自分が強い理由はママのおかげだなと思います。何かあったらすぐ、ママに言われたらやろう、と思うし、どんな試合でも『勝たなきゃ、分かってるでしょ?』みたいな感じなんで(笑)。そこだけは自分のなかで一番のヒーローだなって思います」
──そういえば、instagramのストーリーで「女子だって“戦って稼ぐ”んだぞ」と投稿していましたね。
「その日、日本の若い女の子たちは強いんだぞということを自分が代表して見せつけてやろうと思っているんで、若い女の子をナメるなよ、ということでやってやります!」