キックボクシング
レポート

【RISE】寺山日葵が女王の貫禄、無敗の高校生AKARIを退けて初防衛。OFG戦は山口裕人vs松本芳道はドロー、YA-MANは山口侑馬をKO

2021/05/16 17:05
Cygames presents RISEonABEMA(無観客)2021年5月16日(日)会場非公開ABEMAにてライブ配信 ▼メインイベント RISE QUEENミニフライ級(-49kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R○寺山日葵(TEAM TEPPEN/RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020優勝、初代RISE QUEENミニフライ級王者、第8代J-GIRLSミニフライ級王者)判定3-0 ※49-48×3×AKARI(TARGET/ミニフライ級(-49kg)NEXT QUEENトーナメント2021優勝/挑戦者)※寺山が初防衛に成功。 1月に20歳になったばかりの寺山はジュニア時代から数々のアマチュア大会で好成績を残し、高校生になった15歳でプロデビュー。7戦目でMISAKIに初黒星を付けられたが、2018年11月のJ-GIRLSミニフライ級タイトルマッチでリベンジを果たしている。2019年9月に初代RISE QUEENミニフライ級(-49kg)王座に就き、J-GIRLSミニフライ級王座と合わせて2冠王に。2020年の10月・11月に行われたRISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020ではerika(=名前の後にハートマーク)、sasori、紅絹を破って優勝を果たした。前戦は2月に田渕涼香を判定で降している。  AKARIはジュニア時代から第2代RISE QUEENなど5冠王の神村エリカに憧れ、教えを乞い神村の遺伝子を継ぐ女子高生ファイターで、2019年9月大会にてプロデビューを飾り判定勝ち、その後も宮崎若菜、RANとの女子高生対決、ベテランの後藤まきに勝利して7戦全勝。3月大会の「ミニフライ級NEXT QUEENトーナメント 2021」で宮崎若菜、大倉萌を破って優勝。寺山への挑戦権を獲得した。“8頭身”の長い手足を利した攻撃を得意とし、特に神村ゆずりのミドルキックを得意としていることから“美脚炸裂シンデレラ”のキャッチフレーズを持つ。  寺山のセコンドには兄貴分の那須川天心、AKARIのセコンドには神村エリカが就いた。  1R、寺山は右ローを蹴りつつ、得意の前蹴りでAKARIを転倒させる。両者フェイントを懸けつつ、寺山は右ローと前蹴りを多用、AKARIも右ローを蹴る。前へ出るのはAKARIだが、寺山がいいタイミングで前蹴りを放つため押し戻される。そして右ロー。距離を制したのは寺山か。  2R、寺山は高めの左ミドル、AKARIが前へ出ると前蹴りで押し戻す。AKARIは寺山が蹴って来ると蹴りを返すが、自分からの蹴りはなかなか届かない。寺山は右ローを返す。ワンツーの交換。寺山がジャブを出すと必ず右を合わせに行くAKARI。蹴りは寺山、パンチはAKARI。  3R、右ローを徹底的に狙い撃ちする寺山。AKARIは思い切って前蹴りを放つようになり、寺山を捉える。寺山のワンツーにはAKARIが右カウンターを合わせに行く。さらに寺山のローにも右を合わせに行くAKARI。右ローにパンチを連打する寺山。AKARIもしっかりと右ローを蹴り返すようになり負けていない。寺山はパンチから蹴りへとつなげて前へ出る。  4R、右へ回りながら前へ出てくるAKARIに右ローを蹴っていく寺山。そしていきなり前へ出てパンチを連打する。パンチからローにつなげる寺山がスーパーマンパンチ気味に右ストレートをヒット。AKARIは前へ出て右ローを蹴るが、寺山がパンチ・蹴りともにヒット数で上回る。技の回転力を上げる寺山にAKARIは前蹴りを見せるが、手数が減り始める。AKARIにとっては未知となる4Rで寺山がハッキリと差をつけた。  5R開始直後、寺山の前蹴りをキャッチしたAKARIが放すと同時に右フック。これで寺山がのけ反るようになって腰を落とすがダウンにはならず。前に出て前蹴り、右ローを蹴るAKARI。ワンツーも放つが、寺山もワンツーを返す。さらに左フックで前に出るAKARIを迎え撃つ。残り1分、両者の動きが激しくなる。ワンツーと右ローを出すAKARIだが、ここで前に出るのは寺山の方。ワンツー、左ミドルにAKARIが下がる。前へ出ての攻撃でAKARIを下がらせたところで試合終了。  寺山は「AKARI選手が盛り上げてくださったおかげで注目度が高くなったと思います。また課題が見つかったので課題をどんどん克服していって圧倒的な王者になって行きたいと思います。よろしくお願いします」と、さらなる進化を遂げていきたいと語った。 [nextpage] ▼セミファイナル(第11試合) スペシャルエキシビションマッチ 2分2R―原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント優勝、第6代RISEライト級王者)勝敗無し―ブラックパンサー”ベイノア(極真会館/第2代RISEウェルター級王者、元J-NETWORKウェルター級王者)  1R、両者は15kg差ということで体格差は歴然。ベイノアはカカト落とし、後ろ廻し蹴りと蹴り技中心、原口もローやミドルを返し、後ろ廻し蹴りと蹴り合いが続く。原口は内廻し蹴りから後ろ廻し蹴りと華麗な蹴りを繰り出し、ベイノアもハイキック。  2Rも大技を交えながら蹴り合いを繰り広げ、ベイノアが胴廻し回転蹴りを放てば、原口もすかさず胴廻し。原口は前足を引っかけて崩してからのハイキックというテクニシャンぶりを見せ、ベイノアは気合いの声を発しながら飛びヒザ蹴り、そしてパンチの連打。パンチで迫るベイノアに左右ミドルで対抗する原口。最後は原口がワンツーを入れてエキシビションマッチが終了した。  ベイノアは「RISE愛に溢れる2人のエキシビションマッチいかがだったでしょうか? 我々RISEファイターも歩みを止めることなく突っ走って行くのでずっと追いかけてきてください」とメッセージ。  原口は「ベイさん、そういうマイクは一人の時にしてください。しんどいて。僕よりはるか上の現役王者とエキシビションですが拳を交えてめちゃめちゃいい経験になりました。7月18日出場を予定していますし、相手は前回流れたGLORYの世界チャンピオンだと思うので応援してください」と、次回の試合へ向けて意気込みを語った。 [nextpage] ▼第10試合 RISE on ABEMA 特別マッチ -65kg契約 3分3R△山口裕人(山口道場/WPMF世界スーパーライト級暫定王者、元WBCムエタイ日本統一スーパーライト級王者)ドロー 時間切れ判定無し△松本芳道(KICK-DIET吉野町/元新日本キックボクシング協会ライト級王者、K-1 WORLD MAX2010日本トーナメント3位)  レフェリーチェックの際には両者額をくっつけ、松本は睨み、山口は不敵な笑みを浮かべる  1R、体勢を低くして前へ出る山口にサウスポーの松本は右へ回り込む。山口は右カーフキックを多用、松本も右ローを蹴り返す。プレッシャーをかける山口だが、真の狙いはパンチではなくカーフキックか。松本も負けじとカーフを蹴り返す。山口の右に右のカウンターを合わせる松本。残り10秒で松本が右フックをヒットさせ、山口はバックハンドブローで返す。  2Rも低い体勢から圧力をかけていく山口。お互いにカーフキックを内側・外側から蹴る。大きなフックを放つ山口に左のカウンターを狙う松本。山口が打ち合いに持ち込み、松本もこれに応えるが山口は待っていましたとばかりに左右フックを振り回す。打ち合いの中でボディも打つ冷静な山口。しかし、打ち合いの中で松本が狙っていた右のカウンターでダウンを奪う。  3R、前に出るのはやはり山口。ボディ、顔面とフックを打ち分けるが、松本は右のフックを合わせに行く。お互いにボディを嫌がるが、打ち合いは続ける。山口が左フックをヒットさせるが、松本は前に出て打ち合いに行く。 「延長でしょう、延長!」と延長戦をアピールする松本だが、ルールにより判定無しのドローとなった。 [nextpage] ▼第9試合 RISE on ABEMA 特別マッチ -63kg契約 3分3R×山口侑馬(山口道場/スーパーライト級3位、元Innovationライト級王者、第4代DEEP☆KICK60kg級王者)KO 2R 1分53秒○YA-MAN(TARGET SHIBUYA/2018年RISING ROOKIES CUPフェザー級準優勝) 「RISE on ABEMA特別ルール」として、オープンフィンガーグローブ(以下OFG)を着用してのRISEルールの試合が初めて行われる。3分3Rで延長戦は無し、勝敗はKO決着のみでそれ以外は引き分けとなる。  1R、意外にも静かな立ち上がりとなったが、YA-MANが右フックをヒットさせると一気に打ち合いに行く。しかし、右カーフを蹴ったところで山口の右フックをもらってダウン。YA-MANの左ミドルに左フック。YA-MANの左右フックにグラつく山口。しかし、山口も打ち返し、左フックでクリーンヒットを奪う。お互いにダメージがある中、山口が前へ出る。もらっても打ち返す山口。ボディも打つ。ヤーマンは右カーフキック、ヒザ蹴りも。しかし山口は前へ出てのフルスイングフック。打ち合いのまま初回終了。  2R、YA-MANの右カーフに大きくバランスを崩す山口だが、打ち合いに行くと思い切りフックを叩きつける。YA-MANは左フック、山口は左右ボディで応戦。全弾フルスイングの山口だが顔面とボディを打ち分ける。YA-MANも左右フックで反撃し、左アッパーを直撃。そして左右フックをフォローすると山口がダウン。ここでレフェリーがストップした。  勝ったYA-MANもフラフラの状態だったが、「今日KOが少なくて俺が見せてやろうと思って倒される覚悟で倒しに行って倒すことが出来ました。次、松本選手と山口お兄ちゃん、勝った方、どうすか?」と、次の試合の勝者との対戦をアピールした。 [nextpage] ▼第8試合 スペシャルエキシビションマッチ 2分2R―志 朗(BeWELLキックボクシングジム/RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg~那須川天心挑戦者決定トーナメント~優勝、ISKAムエタイ世界バンタム級王者)勝敗なし―石井一成(ウォー・ワンチャイプロモーション/BOMスーパーフライ級王者、WPMF 世界フライ級王者、WPMF世界スーパーフライ級王者、IBF世界フライ級王者、KING OF KNOCK OUT初代フライ級王者)  志朗は当初メインで現RISEスーパーフライ級王者・大崎一貴との対戦が決まっていたが、大崎が欠場。試合中止となったが、石井がエキシビションの相手を引き受けて豪華な顔合わせが実現した。  両者は7月18日(日)エディオンアリーナ大阪・第一競技場から開幕する賞金トーナメント「RISE DEAD OR ALIVE-53kgトーナメント」への出場が決まっており、前哨戦となる。志朗は自主的に行った“非”公開計量で54kgを記録したという。  1R、お互いに強い右ローと右ストレートを放ち、レガース着用ながらガチ感が伝わって来る。志朗が前に出れば石井が右ストレートで迎え撃ち、志朗も右を入れ返す。  2Rも強い右ローの蹴り合い。石井がジャブを連打すると志朗もすぐにジャブ連打。前に出てくる石井をジャブで迎え撃つ志朗。石井も負けじとアッパーを打ちに行くが、志朗は右を返す。前に出る石井がワンツー、志朗は下がりながら右ミドルで迎え撃つ。  エキシビションながら見応えのある技の攻防で合計4分間があっという間に終了。トーナメント本戦に大きな期待を持てる内容となった。  志朗はマイクを持つと「エキシビションマッチを引き受けてくれた石井一成選手ありがとうございました。動きを見てもらえばわかると思いますが、53kgでも通用しますし、7月にはもっとキレが増すと思います出るからには55に続いて53も制覇したい」と宣言。  石井は「RISE初登場ですが急遽オファーをいただいて、同じトーナメントに出る志朗君とエキシビションでしたが、各階級で取ってきただけあって強かったです。気を引き締めていきたい。7月まず勝って準決勝・決勝につないで優勝するのでよろしくお願いします」と、気を引き締めてトーナメントに臨みたいと語った。 [nextpage] ▼第7試合 DoA選抜マッチ スーパーフライ級(-53kg) 3分3R無制限延長R○政所 仁(魁塾/同級2位、WBKF世界スーパーフライ級王者、J-NETWORKフライ級王者)TKO 1R 2分50秒 ※レフェリーストップ×溜田蒼馬(CRAZY WOLF/第2代CMA KAISERバンタム級王者)※政所がトーナメント出場決定  7月18日から開幕する『RISE DEAD OR ALIVE 2012 -53kgトーナメント』最後の出場枠を懸けての対戦。  政所はKNOCK OUTフライ級王者・石井一成にも勝利したことがあり、止まらない手数とバックハンドブローなど相手の意表を突く技を繰り出す。2018年11月にJ-NETWORKフライ級王座を獲得。2019年5月に田丸の初防衛戦で挑戦して判定で敗れているが、11月には一貴の弟・大崎孔稀からダウンを奪い、殊勲の勝利を収めた。しかし、2020年7月大会で大崎一貴とのスーパーフライ級王座挑戦者決定戦で敗れており、今回が再起戦。戦績は11勝(2KO)8敗。WBKF世界スーパーフライ級王者、J-NETWORKフライ級王者。  溜田は関西出身のファイターで現在23歳。戦績は12勝(11KO)7敗と勝つ時は、ほぼKOと相手を倒しきる攻撃力を持つKO率9割を超えるハードヒッター。2月大会でRISEバンタム級王者・鈴木真彦の相手に抜擢され、左フックで鈴木からダウンを奪うと壮絶な打ち合いの末にKO負けを喫した。第2代CMA KAISERバンタム級王者。  1R、溜田の右ストレートに政所が右フックを返してダウンを奪う。一気に詰めていく政所が右アッパーでアゴを突き上げての右フックで鮮やかなKO勝ちを収めた。  マイクを持った政所は「一発目から53kg(トーナメントに)選ばれなくてムカついたのもあって、悔しい想いでしっかりKO勝ちしようと思って。(出場)確定でいいですよね。風音の試合はなくなったけれど、本戦で当たれることで楽しみです。今の試合を見てレベル分かったと思うけれど、僕が圧倒的に優勝するんで」と優勝宣言した。 ▼第6試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R○門口佳佑(EX ARES/同級2位)判定3-0 ※30-29、30-28×2×平野凌我(MTS/同級9位) ▼第5試合 -64kg契約 3分3R延長1R〇秀樹(新宿レフティージム/ライト級1位、K-1 REVOLUTION FINAL -65kg級世界王者)判定3‐0 ※30-29、30-28、30-27×畠山隼人(E.S.G/NJKFスーパーライト級王者) ▼第4試合 ライト級(-63kg) 3分3R延長1R〇麻原将平(パウンドフォーパウンド/同級4位、HOOST CUP初代スーパーライト級王者)延長判定3‐0 ※三者とも10-9×KENTA(HAYATO GYM/同級7位、JAPAN CUP 2016 -65㎏級優勝)※本戦は30-30、30-28、29-29 ▼第3試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R延長1R〇SEIDO(LARA TOKYO/同級5位)判定2-0 ※29-28、29-29、29-28×森下祐樹(SUNNY GYM)※TASUKU(リアルディール)よりリングネームと所属名変更 ▼第2試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R×津田鉄平(新宿レフティージム/同級10位)判定0-3 ※29-30、28-30、29-30〇都筑海杜(キックボクシングジム3K/and lab/第20回、21回オープントーナメントグランドチャンピオン決定戦優勝) ▼第1試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R×鷹介(ようすけ・魁塾/同級6位)判定0-3 ※29-30、38-30、28-30〇大森隆之介(EX ARES/JAPAN CUP 2019 -60kg級優勝)
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