MMA
インタビュー

【ONE】GP覇者として王者に挑戦するデメトリアス・ジョンソン「ミルコやヴァンダレイ、ジョシュがGPで戦う姿に憧れていた。GP王者としてフライ級のトップであることを証明する」=4月8日(木)朝生中継

2021/04/07 16:04

引退したら、子どもたちに「僕は軽量級の中では史上最強だった」と伝えられるように

──ジョンソン選手のONEでのキャリアといえば、これまでもエディ・アルバレス選手と同じ大会のカードに組まれていました。そして今回もそうですね。アルバレス選手の試合について、どんな展開になると思いますか。

僕はいつまでもエディの味方だ。彼のファンでもあるし、キャリアを長年見てきた。UFCのライト級チャンピオンになった時も覚えているし、ONEデビューでティモフィ・ナシューヒンを相手にタフなアプセットを経験(1R TKO負け)し、フォラヤンに勝って復帰した(ダウンを喫するもリアネイキドチョークで逆転勝ち)。そして、今回はユーリ・ラピクスに挑戦する。今までと違うのは、他の選手と同じ隔離生活、その中で身体を動かし続けるのが課題だ。エディの相手も、今までのライト級より身体が大きい選手と戦っている。155ポンド(70.30kg)で身長のある選手と試合し、いろいろ新鮮だ。ユーリ・ラピクス戦が楽しみだよ」

──2012年の9月からタイトル保持者として9年間ずっと挑戦を受けてきたと思います。今回は、タイトル防衛ではなく「挑戦者」として試合をしますが、特に精神面で鍛えてきたことなどはありますか。

「何も変わらないよ。3Rの試合ではなく5Rの試合に向けて準備してきたってこと以外は何も変わらない。ベルトの種類が変わってもマインドセットは変わらない。ただ試合が違うってだけさ」

──ONEのベルトを獲るのは、自分のレガシーにおいて、またはダナ・ホワイトに証明するためにどれだけ重要ですか。

「そんなのは一切関係ないよ。ONEは僕のスキルを認めている。試合で充分見せた。僕はただやるべきことをやる。ダナ・ホワイトに見せること、証明することなんて一切ないさ」

──数年前よりも良い場所にいると思いますか。

「もちろん、そうだ。UFCではやれることは全てやり切ったと思う。もう少し達成しても良かったなと思うのは、2階級でチャンピオンになること。それか、PPVをより多く売ることだね。その2つだけ、UFCでのキャリアを今振り返って、出来たかもしれないね。最終的には、向こうの方から僕の条件に賛成できなかったから、今ここに立っていて、新しい団体でタイトル戦に向かうってところさ」

──ヘンリー・セフードと2回試合し、未だに決着が付かなかったというのを気にしていますか?

「いや、そんなことはない」

──ONE Championshipの最近のSNSで投稿された動画で、ジョンソン選手が「ワールドグランプリのベルトは“クラウンジュエル(宝石がついた王冠)”だ」と言っていたと思います。 今回のONEフライ級チャンピオンベルトを獲ったら、グランプリのベルトより高く評価しますか。

「それは、グランプリに対する感謝だね。成し遂げたこと。若いころ、学生だったころ、グランプリを見続けた。家に帰ってDVDでミルコ・クロコップを見たり、ヴァンダレイ・シウバを見たり、ジョシュ・バーネットを見たり、皆、グランプリを駆け上がっていた。まだプロになっていなかった頃は、DREAMのグランプリでビビアーノを見ていたり、ずっとグランプリに憧れていた。グランプリの魅力は、選手がどれだけ人気かは関係なく、階級のトップ16選手を集め、ただただ強い選手が勝ち抜く。チャンピオンになるためには、全員に勝たなければいけない、っていう形式が好きだ。グランプリで無い場合、選手が人気であれば連敗していてもタイトルに挑戦できる。木曜日にフライ級のベルトを獲ったとしても、グランプリのベルトは一生俺の”クラウンジュエル”だ」

──この試合は、MMA史上最も大きなフライ級の試合になると思いますが、いかがでしょうか。

「当然自分にとっても、とても貴重な試合だ。もしフェザー級のグランプリがあって、僕の身体がそれに対応できるほど健康で、さらにチャトリ(シットヨートン代表)が僕をそこに入れてくれるなら、まあ誰がそこにいるかによるけど、多分できると思う。でも、ビビアーノからベルトは取りたくない。無差別級グランプリで桜庭(和志)を見てきたから、グランプリは本当に好きなんだ。じゃないとただ次の試合を待つだけ。トーナメント表で誰が参戦するか、誰か勝っていくか、いろいろ楽しいと感じるよ」

──MMAファイターの中では、自分をどう評価しますか?

「いつも言うけど、引退したら、子どもに“俺は軽量級の中では史上最強だった”と伝えるつもりだ」

──今回の大会が米国のTNTで生配信されることになり、シンガポールでは午前で試合するとなります。時差の影響はいかがでしょうか。

「午前中に戦う方がいい。試合をするためだけに練習してきて、アメリカのタイム・ゾーンのままで生活している。例えば、昨日のCTスキャンが午後2時だったけど、アメリカの午後11時頃だったから、身体がクタクタだった。毎日午前8時頃に練習していて、アメリカの時間にできるだけ合わせているよ」

──アドリアーノ・モラエス選手が勝利したら、彼は2つの団体で史上最強の一人と呼ばれると思いますか?

「難しいね。俺も『どうして俺のことを史上最強と呼ぶんだ』とたまに聞くんだ。それは『6年間、圧倒的に勝って来たから』とよく言われる。モラエスのキャリアを見ると、彼はベルトを取って、失って、また勝って、また失って、また勝った。チャンピオンでいる間でも負けている。格闘技ファンの意見にもよるし、彼もアメリカのアスリートと対戦していないから分からないね」

──家族とはZOOM(ビデオ電話)で話していますか?

「話しているよ。イースターを祝って、元気そうにしているね」

──135ポンド(61.23kg)の階級は強い選手が多いです。現在、他団体でタイトルを持っている選手たちの中で、一番タフな相手は誰でしょうか?

「恐らくピョートル・ヤンだね。すごいストライキングだよ。ユニークなファイトスタイルだ。前に出て、コンビーションを利用し、スピードもあって、テイクダウンのディフェンスも優れている、そしてパワーも持っている選手だ」

──久しぶりに試合することは楽しみですか。ONEがアメリカで生配信となることで、格闘技ファンはONEについて新しいことを知ってくれると思いますか。

「試合がとても楽しみだ。TNTで試合の中継があることも。色んな選手が参戦し、見所もたくさんあるよ」

──この試合に向けて、練習する期間が長かったと思います。それはジョンソン選手のアドバンテージになるでしょうか。

「まあ、そうかな。コロナ期間でも練習したし、できなかった時は休んだ。気になることは何も無い。最終的には家族を支えるためにこれをやっているから」

ONE on TNT I 対戦カード ※変更あり、アラゾフ出場

日本時間4月8日(木)午前9時30分「ONE on TNT 1」

▼ONE世界フライ級選手権試合 5分5R
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)王者
デメトリウス・ジョンソン(米国)挑戦者・GP優勝

▼ライト級 5分3R
エディ・アルバレス(米国)
ユーリ・ラピクス(モルドバ)

▼ムエタイ 61.5kg(キャッチウェイト)3分3R
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

【リードカード】

▼ウェルター級 5分3R
タイラー・マグワイア(米国)
レイモンド・マゴメダリエフ(ロシア)

▼キックボクシング フェザー級  3分3R
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
エンリコ・ケール(ドイツ)

▼ヘビー級 5分3R
“ログログ”オマール・ケイン(セネガル)
パトリック・シミッド(スイス)

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント