毎回試合する度に負けるかどうかは悩まない。負けることはこの競技の一部だ
──ONEフライ級は水抜き禁止の135ポンド(61.2kg)、135ポンドの選手と言えば、ドミニク・クルーズ選手とも試合(※2011年10月にUFC世界バンタム級王座戦)しましたね。ドミニクの最近の試合(※2021年3月にケイシー・ケニーに判定勝ち)をどう見ましたか。
「いい感じに動いていると思った。スタイルは変わらず、ヘッド・ムーブメントが多く、フットワークに拘り、今も試合が出来ていて、健康的に見えるから良かったよ。アナリストとしても成功していて、格闘家は短い期間でお金が稼げるから、未だに頑張っているということは本当に素晴らしいことだ」
──世界最強であったとしても、デメトリアス選手は、自分自身に対する一番の批評者でもあると思います。MMAにおいて、どこを改善したいと感じていますか。
「全部かな。総合格闘技では常に上達できる部分はある。試合するのと練習するのは、全く違う。個人的に、もう少しパンチを活用したい。立ち技では、一瞬の隙間の中で打撃を利用しなければならない。グラウンドなら、相手の体力と体重の移し方などで分かる。立ち技では、一瞬の間を見つけ出さなければならないからね」
──負けることの恐怖に追われたことはありますか? オクタゴンに入ったら怖さを感じますか。
「いや。いま“オクタゴン”って言ったよね(笑)。“オクタゴン”の中には一生入らないよ。まあでも、僕には“負ける”と言うより、(重要なのは)パフォーマンスだね。最後、ヘンリー・セフードに負けた時は、自分の中では一番良かったパフォーマンスだった。毎回試合する度に、負けるかどうか悩まない。負けることはこの競技の一部だ。僕も負けたことはあるし、何も変わっていない。世間から“世界最強”と言われても、それも周りの考えだ。自分は、努力していると分かっているし、フライ級のトップであること、そのために、ただただ頑張って練習し続けているだけのことだ。負けることなどにはこだわらない」
──個人のプラットフォームを利用しながら、社会問題に関して声を挙げることはしますか? 特に米国で起きていることについて。それとも、MMAのみでSNSを利用していますか。
「MMAだけだね。自分のSNSは自分のことだけだ。一人ひとりの個人的な意見など、自分のSNSでシェアすればいい。僕の信念などに対しては、別に聞かれたら答える。何か言い間違えたら、直ぐに“アンチ”が来るからね」
──このフライ級にはたくさんのコンテンダーがいますね。フライ級でベルトを取ったら次のステップとして、バンタム級のジョン・リネカー選手との対戦なども頭の中にありますか。
「僕とジョン・リネカーはかつて同じ団体の同じ階級(UFCフライ級)で戦ってきたね。でも彼は僕のチームメートのビビアーノ・フェルナンデス(ONEバンタム級世界王者)に勝てるとは思わないし、それに僕はビビアーノと戦うことに興味はないかな」
──ONE Championshipのニュースを見ていると、ビビアーノ選手の復帰も近いのかなと思いますが。同門としてどう見ていますか
「月に最低でも3回くらいしか会話しないから、彼が変わらず調子良くやっているのかあまり分からないけど、彼は41歳になるよね。良い選手だ。彼も次の試合を楽しみにしていると思うよ。ジョン・リネカーの次の対戦相手のことはよく知らないけど、彼が勝てば対戦するだろうし、ビビアーノはいつでもオファーが来るのを待っていると思うよ」
──今回の王座戦に向け、何度か試合が延期されたことについてはどう考えていますか。
「フラストレーションは感じたけど、それ(新型コロナウイルスの影響)は自分でコントロール出来ることではないから仕方がなかった。最初は去年、中国で試合するはずだった。それからジャカルタに変更された。そして2月にまた変更され、最終的に4月に試合することになった。モヤモヤな気持ちはあったけど、ただただ、自分の目的に集中し続けてきた。早く試合したいね」