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【ONE】エディ・アルバレス「これはもう“俺のショー”だ」=4月8日(木)朝生中継

2021/04/07 23:04
 2021年4月8日(木)シンガポール・インドアスタジアムで開催される「ONE on TNT I」に向け、4月6日にグローバル・メディアデーとして、コ・メインイベントのライト級戦でユーリ・ラピクス(25・モルドバ)と対戦するエディ・アルバレス(37・米国)が囲みZOOM取材に応じた。  アルバレスは、2013年にマイケル・チャンドラーを破りBellator世界ライト級王者となると、2016年にはUFCでハファエル・ドス・アンジョスをTKOに下し、UFC世界ライト級のベルトも腰に巻いた。その後、ジャスティン・ゲイジーをKOに下し、ダスティン・ポイエーに敗れ、ONEに移籍。  2019年3月のONEデビュー戦でティモフィ・ナシューヒンにTKO負けを喫するも、2019年8月の前戦ではエドゥアルド・フォラヤンを逆転のリアネイキドチョークで極めて一本勝ちしている。  対するラピクスはライト級2位のコンテンダー。イタリアの「チーム・ペトロシアン」で打撃を磨くオールラウンダーで、これまでのMMA戦績は14勝1敗。15試合中1ラウンドを超えて戦ったのは1度きりというフィニッシャーだ。唯一の黒星が2020年10月の前戦で王者クリスチャン・リーにパウンドで敗れている。  ラピクスは、公式のインタビューで「リーとの試合は思った通りにいかなかったし、みんなもそう見ていたと思う。もちろん、タイトル獲得を期待していたので辛かったが、それが人生だ。時には勝つこともあるし、負けることもある」と自己分析。  次戦で「もし、アルバレスに勝てば、自分のキャリアの分岐点になる。相手はMMAの“生きるレジェンド”だ。彼は、最高の相手と対戦してきた選手でその名を轟かせてきた。世界王座が欲しくてたまらないし、タイトルマッチをするにはこの方法しかない。自信はある」とアルバレスを破り、再び王座挑戦権を得るつもりだ。  MMA30勝7敗のアルバレスは、12歳年下のラピクスについて、「経験が浅いということは、それだけで力になることがある。思慮や過去の経験がないため、考えすぎずに高いレベルで戦うことができる」と警戒。  しかし、「欠点もある。そこを試して、弱みを突くのを楽しみにしている。そして最終的には、なぜ自分がライト級の最高のファイターなのか、どうして自分が世界タイトルに相応しいかを示したいと思う。それが自分の仕事だ」とアルバレスも、ラピクスを倒して3本目のメジャータイトルに挑戦する意欲を示している。  かつて“ジ・アンダーグラウンド・キング”と呼ばれた男は語る。 「もうすぐ20年。ケージだってリングだってストリートだって、関係なくどこでも練習するし試合もしてきた。時には何かを犠牲にして、努力してきたことを自分で分かっている。毎日、気が乗っても乗らなくても練習してきた。世界を渡り歩いて戦い、チャンピオンになって、またチャンピオンになって……一つの場所に留まらず、どんな挑戦者も受け入れて来た。3つの異なる団体でベルトを獲得するために。今回、アメリカのテレビでライブ放送されて、自分がコ・メインイベントに抜擢されるなんて、それはもう“俺のショー”だ」と。 「ONE on TNT I」は、日本時間の4月8日(木)朝9時30分からABEMAにて放送される。 [nextpage] ケージでもリングでもストリートでも、どこでも試合してきた ──アルバレス選手、試合まであとわずかとなりました。今の調子はいかがでしょうか。 「調子はいいよ。すごくいいね。とても有意義なトレーニングキャンプをして来た。減量も問題ないし、準備はできているよ」 ──以前、「この試合に勝てば次はタイトルマッチだ」と言っていました。タイトルマッチ(現王者はクリスチャン・リー)に名乗りを挙げるのに、勝ち方に何かこだわりはありますか。完全決着でこの試合を終えることでしょうか。 「もちろんだよ。もし完全決着で勝てば、次は当然タイトルショットだろう。ただ俺はプロモーターではないから。俺は、ただ勝つために来たんじゃない。勝つっていうことは、ファンを魅了させるってことだ。だからケージに入ったら考えるのはいつもそのことさ。ファンの注目に値する試合をすることだ。ファンのために完全決着で試合を終わらせることを望んでいるし、準備はできている」 ──37歳で、ある意味限られた時間の中で、コロナのパンデミックで1年の時間を失いました。再び試合に戻ることについてどんな気持ちでしょうか。 「俺はクリティカルな人間でね。俺が37歳であろうとそれがキャリアの限界を示すものではない。好きなことをやって来て、もうすぐ20年のキャリアを迎える。その中で、この期間はある種、自分への癒しの時間でもあった。さっきも言ったようにもうすぐ20年、少し時間が空いただけで、何も傷つくことはないよ。(時間が空いたことは)それは自分の問題ではなく、みんなが同じく直面した世界的な問題だ。ただ、世界王者なら逆境に直面した時はいつだって、それに順応して方向転換するだけさ。方向を変えて自分の手段の範囲内で出来ることを実行するんだ。俺にとっては、家族の面倒を見ること、子供を養うこと。第一に、俺は父親であって夫である。より良い父に、夫になるチャンスをもらっているとも考えたよ」 ──ご自身のキャリアにおいて、3つの異なる団体(UFC、Bellator、ONE)でベルトを獲得するということはどんな意味がありますか。 「3つの異なる団体でベルトを獲得するっていうのは、ライト級MMAでは初めてのことだと思う。5年くらいの(短い)期間、エネルギーを持って最高のアスリートで居続けることはある意味で可能なこと。でも俺にとっては、もうすぐ20年。世界を渡り歩いて戦い、チャンピオンになって、またチャンピオンになって。一つの場所に留まらず、どんな挑戦者も受け入れて来たよ。最終的に俺の“履歴書”がそれを物語るだろう」 ──3つめのベルトキャリアを狙い、ライト級で最高の選手に相当すると思いますが、他のライト級選手でハビブ・ヌルマゴメドフ、BJ・ペン、ダスティン・ポイエーなど、最高と言われている選手と比べるとご自身はどうでしょうか? 「(自分が1番で)みんな2番目だね」 ──前回、米国で試合が放送されたのは3年前のダスティン戦(2018年7月のUFCで2R TKO負け)でした。3年経って再び米国のテレビで中継されることはご自身にとってどんなことでしょうか。 「幸せなことだし楽しみだよ。母国のファンを失いたくないしね。アジアで戦うことは大好きだ。ある種、アジアで戦って来たこの経験は、俺が何者なのかを証明してくれたようなものだし。さいたまスーパーアリーナや両国国技館……アジアに行って、ファンのみんなに向けて戦うことは夢だったしそれが叶った。でも最終的に自分の母国のファンに向けて、自分のファンや友達や家族が俺の試合を見ることが出来るTNTの大会で試合をするのは、ONEとサインした時からの夢だったし、その可能性について話し合ってきた。それが今、現実になっているよ」 ──TNTで放送される大会ということで、アメリカのファンに自身の存在を忘れさせないようする良い機会になると。それはモチベーションになりましたか。 「もちろんだよ。アメリカのテレビでライブ放送されて、自分がコ・メインイベントに抜擢されるなんて、それは見せ場だよ。もう俺のショーだよ、そう感じるね。若返らせてくれるし、活力を取り戻せるよ。もう一つ上のレベルでトレーニングをするモチベーションになったね」 ──試合は平日と週末のどちらががいいですか。 「何曜日でも試合をするさ。火曜日でも土曜日でも。週に2、3試合して来たこともあるし、ケージだってリングだってストリートだって、関係なくどこでも練習するし試合もしてきた」 [nextpage] ラピクスにプレッシャーをかけて、触り続ける ──ONEでの3戦目(ティモフィ・ナシューヒン、エドゥアルド・フォラヤン)ということで、何か証明したいことはありますか。 「誰かに証明することはない。自分に証明しなきゃね。最高の試合をすること。ハードにトレーニングを積んできて改善してきたし、時には何かを犠牲にして、努力してきたってことを自分で分かっている。毎日、気が乗っても乗らなくても練習してきた。そういう自分を誇りに思うよ。誰かに証明する必要はなくて、自分自身に証明するさ」 ──今回のユーリ・ラピクス戦で勝つためにしなくてはらないことは何でしょうか。 「俺がやらなきゃいけないことはもう終わったよ。あとは試合に行って見せるだけさ。これまでの数カ月でやって来たことを同じようにするだけ。相手にプレッシャーをかけて、触り続ける。俺には、相手を負かすボクシングとか色んなアドバンテージがある」 ──ONEに参戦した時から高い期待値を背負って戦い、ONEデビュー戦では残念ながら負けてしまいました。そして今、3戦目ということでさらに期待値が上がっていると思います。このプレッシャーについてどうように感じていますか。 「プレッシャーは毎日だよ。俺の頭の中では自分自身が最悪の敵であって、誰かに言われなくても自分が自分に対して批判的なタイプだから。これは自分が高いレベルでトレーニングをし続けるために役立っている。だからプレッシャーはない。毎日やっているようにハードにやるだけだ。“自分が世界で一番だ”って自分に言い聞かせて、試合に行けば“誰も俺を倒すことはできない”ってね」 ──ONEでベルトを獲ることはキャリアを退く前に成し遂げたい最後のことでしょうか。 「そうは言えないね。そうは言えないよ。辞めるつもりだなんて絶対に言えないさ。何かを計画して来たことはない。自分の気持ちに従って来たから。今、そんな計画を始めるつもりはないよ。キャリア18年目、あと2年で20年になるしね」 ──これまでライト級で多くの選手と戦って来ました。今回の相手、ユーリ・ラピクスは何か特別なものがある選手だと思いますか。特に対策が必要な何かを持っていると? 「同じ階級でも相手の方が大きいならそれは自分にとって既にチャレンジだよ(アルバレス175cm、ラピクス180cm)。それにラピクスはたくさんのスキルを持ったオールラウンドな選手で、ベテランのようにリラックスして戦う。このチャレンジが楽しみさ。どんなミスをするかも見えるし、どこがこの試合の穴かも見えている。戦績も14勝1敗で良い選手だ。彼をリスペクトするよ」 ──UFCとBellatorの両ライト級でベルトを獲っているアルバレス選手ですが、もしもONE Championshipでもベルトを獲ることができたら、アルバレス選手のことをなんて呼べばいいでしょうか。 「“エディ・アルバレス”と呼んでくれればいいよ」 ──今大会でも、デメトリアス・ジョンソン選手とアルバレス選手は同じ大会でカード組まれていますね。デメトリアスvs.モラエス戦は、どっちが勝つと思いますか。 「俺はいつでもデメトリアスを選ぶね。だって彼が一番だから。彼がして来たことは誰も成し遂げていない。彼より多くベルトを持っている奴はいない。これまで記録を破って来た選手だ。勝ち方を熟知している、彼は最高のMMAアスリートの1人だ」 ──これまで大きなマーケットで何度も戦って来たと思いますが、このONE Championshipが、アメリカのプライムタイムで放送されることは、北米市場に対してどれだけ大きなことだと思いますか。 「この大会は“ONEが何者なのか”をアメリカに披露できるものだと思うよ。色んなマーケティングをして来たと思うし、プロダクション、メディアも含めて、アメリカのファンたちはONEに対して新しい意識を持つと思う。ファンがこの大会を見て、4月7日が過ぎたら、ONEのことをもっと気にするようになるはずだ」 ──今のご自身のレベルにおいて、何か改善しようと毎日心がけていることはありますか? 「俺にとっては、新しいスキルを学ぶというより、自分が持っているスキルを磨くようにしている。全てをね。キックもパンチも、テイクダウンも柔術も。オールラウンドの選手でいたいから。持っているスキルを全部出したい。だから自分の持っているスキルをトレーニングルームでも全部出すようにトライしているよ」 [nextpage] 俺のスタイルはヘルシーを維持できるようなものじゃない ──UFC、Bellatorで戦ってきて、今はONEのステージで戦っているなかで、アメリカのファンにONEを観るように何と伝えますか。 「俺が初めてアジアのMMAを体験したのはPRIDEだった。子どもの時だったね。かつて最高の総合格闘家がいたよ。イベントも、ファターも、ショーの見せ方も、素晴らしかった。初めてONEのイベントに行った時、チル(落ち着いた)な気分だった。プロダクション、ウォークアウト、オールドスクールなアジアのMMAを感じた。子どもの頃、俺がPRIDEを楽しんだ時のように、アメリカのファンたちもONEを見てアジアのMMA団体がどんなものなのか分かるだろう。PRIDEのファンだったMMAのハードコアファンたちは特に。ONEがトップ団体だって思うだろうし、アメリカのファン達をかっさらうだろうね」 ──同じライト級のクリスチャン・リーvs.ティモフィ・ナシューヒンの試合(4.15 ONE on TNT 2)をどう見ますか。ナシューヒンとは2019年3月に対戦していますね。 「接戦になるだろうね。クリスチャンは自分の試合をするのが上手い。正しいやり方でグラップリングに持ち込んでティモフィを疲れさせる。ティモフィを早い段階で疲れさせたいなら、レスリングだ。もしそれが出来ればサブミッションで勝つだろう。ティモフィがスタンドの状態をキープできたとしたらクリスチャンにとっては危険だね。試合が楽しみだよ」 ──もしその試合の勝者と戦うならどっちの選手と戦いたいですか。 「誰でも構わないさ。もしティモフィが勝てば、タイトルを奪って、自分と再戦でタイトルマッチになるから面白いかもしれないけど。逆にクリスチャンが勝ったならそれはそれで良い。もしクリスチャンと俺が戦えば、俺が勝つと、周囲も分かっていると思う。まあ、どっちが勝ったとしても、そいつを狙いに行くよ」 ──トーナメントスタイルのグランプリが色々な団体で行われていますが、将来的に自分がそこに参戦するとしたら、トーナメントのベルトを持つことはどんな意味があると考えますか。 「俺は何度かそのチャンスを逃して来た。2008年(DREAMライト級GP)とか、2年前(ONE世界ライト級GP)とか、アジアでそのチャンスがあったけど逃し続けてきた。何でかは分からないけど。怪我で出られなかったり、運が悪かった。ハードワークし過ぎないようにやってみたけど、自分に合わないものもある。ライト級ワールドグランプリの時は、ラッキーだと思っていたけど、結果的に怪我をして出られなかった。トーナメントはタフで、“ヘルシー”でないと行けない。でも俺のスタイルは“ヘルシー”を維持できるようなスタイルじゃないからね」 [nextpege] ONE on TNT I 対戦カード ※変更あり、アラゾフ出場 日本時間4月8日(木)午前9時30分「ONE on TNT 1」 ▼ONE世界フライ級選手権試合 5分5Rアドリアーノ・モライシュ(ブラジル)王者デメトリウス・ジョンソン(米国)挑戦者・GP優勝 ▼ライト級 5分3Rエディ・アルバレス(米国)ユーリ・ラピクス(モルドバ)▼ムエタイ 61.5kg(キャッチウェイト)3分3Rロッタン・ジットムアンノン(タイ)ダニエル・ウィリアムス(豪州)【リードカード】 ▼ウェルター級 5分3Rタイラー・マグワイア(米国)レイモンド・マゴメダリエフ(ロシア) ▼キックボクシング フェザー級  3分3Rチンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)エンリコ・ケール(ドイツ) ▼ヘビー級 5分3R“ログログ”オマール・ケイン(セネガル)パトリック・シミッド(スイス)
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