▼第10試合 ミネルヴァライトフライ級タイトルマッチ 3分3R
△sasori(テツジム/PRIMA GOLD/ミネルヴァライトフライ級王者)
ドロー 判定1-1 ※29-30、30-29、29-29
△喜多村美紀(テツジム/ミネルヴァライトフライ級1位・挑戦者)
※sasoriが初防衛に成功。
sasoriは2019年9月、ミネルヴァ王座を獲得。2020年2月にはシュートボクシングに参戦し、5勝3KO無敗の快進撃を続けていた女神と対戦。サウスポーから繰り出す左ボディ&左フックを中心に、パンチを全く止めずに打ち合いへ行くアグレッシブなファイトスタイルで女神からダウンを奪い、延長戦で判定勝ち。7月にはRISEに初参戦すると寺山日葵に延長戦で敗れるも大きなインパクトを残した。10月に開幕した「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」では、独特のキャラクターで大ブレイクを果たし、11月の準決勝へ進出するも寺山との再戦で判定2-1の惜敗。戦績は10勝(1KO)4敗2分。
喜多村は、“魔人”と呼ばれ90年代に活躍したキックボクサーであるガルーダ・テツの弟子。約7年のアマチュアキックでの下積み時代を経て、2015年、29歳にしてプロデビュー。遅咲きながらもメキメキと頭角を現し、これまでに小林愛三、寺山日葵などのトップ選手と対戦経験がある。ガルーダ・テツ譲りの決して折れないファイトスピリット、テクニックに定評がある。戦績は9勝9敗3分。
両者はテツジムの同門(ただしsasoriはテツジム姫路支部所属)だが、2019年9月にミネルヴァ・ライトフライ級王座決定戦で対戦し、勝利したsasoriが王座に就いている。
1R、喜多村はサウスポーのsasoriの前足の外側にポジショニングしての右ストレートを狙う。この右をもらうsasoriだったが、狙いを呼んだか返しの左ストレートを当てていき、終盤30秒では前に出て連打を見せる。
2R、笑うsasoriが前へ出る。喜多村は左右フック、ワンツーを繰り出し、ミドルを空振りしてのバックハンドブローをヒットさせる。喜多村は右ストレート、sasoriは左ストレートを繰り出すが、互いにスウェーでかわして空振りを誘ってのパンチを返す。sasoriが喜多村の右を真正面からもらう場面も。
途中経過はジャッジ2名が20-19で青コーナーの喜多村、1名が20-19で赤コーナーを指示してここまで喜多村がリード。
3R、喜多村は右、sasoriは左を顔面とボディへ打ち分けるが、喜多村の右が連続ヒット。下がるsasoriを追いかける喜多村だが、sasoriも反撃して今度は左を顔面とボディへ打ち込んでいく。喜多村も一歩も退かずに足を止めて打ち合い、両者その場で足を止めての打ち合いを展開。
判定は三者三様のドロー。sasoriが苦しい試合ながらドロー防衛に成功した。
試合後のコメント(セコンドの飛竜会長に耳打ちするいつものスタイル)でsasoriは「ちょっと調子に乗ってカップ焼きそばの湯切りして申し訳ない。ドローという結果ですいません」と謝る。カップ焼きそばの湯切りとは、入場時にsasoriが自軍コーナー下で行ったパフォーマンス。
「得意料理がカップ焼きそばの湯切りなので、皆さんに見ていただきたいとのことでした。いや、僕は止めたんですが本人がどうしてもすると言うもので…」と言い訳する飛竜会長。ドローという結果には「ドロー(どうも)もすいません。初めの湯切りで気が抜けてしまったのが失敗でした」と苦戦した理由もそこにあるという。
喜多村に関しては「前回に比べても格段にレベルが上がっていた」と評価したが、「(右ストレートは)ギリギリで見切っていたので大丈夫でした」とクリーンヒットはしていなかったとした。3R前のオープンスコアではsasoriが2-1で負けていたが「そうでしたか。聞いていませんでした」とのこと。
「久しぶりの出場で何でも(N)かんでも(K)ぶっこみすぎ(B)のNKB最高!」というsasoriは「何でもかんでもぶっこむNKBなのでどの団体からのオファーでも躊躇せず受けます」と、今年も様々な団体で活躍したいと言い、RISE王者・寺山日葵との再戦について聞かれると「もちろんしたい。あと、カップ焼きそばの湯切り対決をしたい」と希望した。また、TEPPEN GYMで出稽古した感想を聞かれると「那須川天心選手に会えて嬉しかった」とニヤリ。
そして今年の目標を聞かれると「今年こそは私を振った相手に復讐したい。今年こそはシバきます」と最後までキャラを貫いた。