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2021年2月22日(月)東京・渋谷TSUTAYA O-EASTにて、ONE Championship「CLASTY Presents Road to ONE:4th Young Guns」が開催される。大会は「ABEMA 格闘チャンネル」にて完全生中継。「ONE Super App」にて世界同時ライブ配信が予定されている。
メインイベントでは、ONE Championshipで3連勝中の平田樹(フリー)と、プロ3勝3敗の中村未来(MARS GYM)が女子アトム級で対戦する。
柔道強豪校からABEMA「格闘代理戦争」優勝を経て、いきなりONE本戦デビュー、非公式戦&公式戦の6試合すべてを一本かKOでフィニッシュしている平田に対し、中村は格闘技経験が無いまま北海道でジムに入会し、アマチュア修斗、プロでも白星と黒星を繰り返してきた。
フルタイムファイターではなく、日中はネイリストとして働き、仕事を終えてからジムに向かう。24時に練習を終えて、朝には仕事場に向かっている。新型コロナウイルス感染の拡大が顕著だった北海道で、単独練習にも取り組み、2020年に4試合を戦ってきた。中村未来は、試合に向かう日々が好きだという。
もう“ガキ”じゃない社会人にも“未来”はある。多くを語らない「完全な噛ませ犬」は、平田戦で「爪痕を残す」と語った。
西川大和くんから独特の打ち込みを学んだ
――2月22日のメインイベント、女子アトム級で平田樹選手と対戦する中村未来選手です。まずは、今回の試合のオファーを受けたときのお気持ちをお聞かせください。
「ちょうど1カ月ちょっと前ですかね、試合のお話をいただき、嬉しかったです。凄いチャンスをもらったなという思いでした」
――対戦相手の名前を聞いてもそう感じましたか。
「そうですね。驚きはしましたけど。平田選手は、かなり有名な選手で実力もある方なので、まさか、その平田選手の相手として自分が選ばれるというのは考えていなかったです」
――即答でしたか? それともちょっと考えてから……。
「電話で聞いたんですけど、その場で『受けたいです』と答えました」
――中村選手は、このコロナ禍でもコンスタントに試合をされていますよね。2020年に4試合は、なかなかない試合ペースだと思います。
「この時期にオファーしてもらえるんだったら、できるだけ試合をしたいという感じでした。MMAを始めて2年半。格闘技を始めたのも遅いので、なるべくたくさん試合をして、どんどん経験を積みたいと思っています」
――北海道でのいまの練習環境というのはマルスジムで行うことがほとんどですか。
「そうですね。あまり出稽古とかは行かないです。ただ、マルスジムに出稽古に来ていただくことがあって、練習させてもらっています」
――東京と違ってプロ選手の絶対数が少ないなか、ましてや女子選手となるとなかなか大変だと思います。
「ジムに入ったばかりの頃は、女子の練習相手自体が全然いなくて、スパーリングとなると、だいたい男子の近い階級の選手が練習相手になっていました。でも、ここ1、2年で女子でも総合格闘技を目指してやっている選手が3人いるんです、私を含めて。いまはその選手たちとも練習をしている感じです」
――中村選手の活躍を見て入ってきた人もいるのではないでしょうか。
「そうですね。女子格闘家がいるというのを知って入会してくれた方もいますし、元々アマチュアキックボクシングをやっていた方が、去年から総合格闘技に転向して練習に加わってくれてもいます。練習相手が強くなることは、自分が強くなることに欠かせないので、本当に一緒に成長していっている感じです」
――男子選手ではプロ選手というのは……。
「今はインストラクター兼選手でやっている阿仁鬼選手が所属しているのと、西川大和選手や、PANCRASEやPFCで活躍して、アマチュア修斗からプロになった田中智也選手も来てくれています」
――そういえば、西川選手も中村選手同様に、2020年に4試合(MMA3連勝、キックで緑川創に判定負け)をこなした選手ですね。70kgのライト級で試合をする西川選手は、1月の試合では、76.5kg契約でマックス・ザ・ボディ選手に2R TKO勝ちでした。あの試合をどのようにご覧になられましたか。
「あのときは自分も平田選手との試合が決まったときで、凄く勇気をもらいました。マックス選手も平田選手のように実績があって、階級的にも上の選手でしたが、西川選手は臆さず、どんどん攻めて勝ったので、凄いなと思いました」
――前半、階級上のマックス選手は思った以上にパワフルで、西川選手はテイクダウンを切られていました。でも、シッティングガードなど、ガードポジションで自身を護って反撃した。最近のMMAでは稀有なスタイルも見せる選手だと思いました。そんな西川選手との練習のなかで参考にするところもありますか。
「ありますね。大和くんは年下でも格闘技においては大先輩というか、仙人みたいな感じなので、本当にいろいろ教えてもらって、学ぶことが多いですね。知識も豊富で、コーチやトレーナーみたいな感じで、いろいろアドバイスもしてくれます。プロ経験も重ねているのに、いまだに打ち込みをすごくしていますし、いろいろな種類の打ち込みをひたすらやっていたりするんです。その動きを教えてもらって、同じように練習したりとか、真似をする部分は多いですね」