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インタビュー

【ONE】平田樹「ケージの中に放り込まれたらやっと“自分だけの世界”」「思う存分突き放してやろう」「ハム・ソヒ選手が上だとしても、全然噛み付ける」「試合後のアレだけは譲れない」=2月22日(月)渋谷で1年ぶり試合

2021/02/08 17:02
 2021年2月22日(月)東京・渋谷TSUTAYA O-EASTにて、ONE Championshipが「CLASTY Presents Road to ONE:4th Young Guns」を開催。メインイベントで、平田樹(フリー)が中村未来(MARS GYM)と女子アトム級で対戦する。  全9試合中、10代選手が3人、20代選手が11人と若手選手たちが抜擢された日本大会のメインで、1年ぶりの試合に向かう平田は、K-Clannを離れ、フリーとなり、和術慧舟會HEARTSでの出稽古、内山高志のボクシング指導なども受け、「格闘技に対する思い、練習に励む思い」が変わったという。  2021年に予定されるアトム級GPに向け、負けられない試合に臨む平田は、「打撃が出来るところをGPのメンバーにアピールしたい」と意気込む。スタンプ・フェアテックスの敗戦、スタンプに一本勝ちしたアリヨナ・ラソヒナの台頭、ラソヒナに完勝しているハム・ソヒのGP参戦も噂されるなか、平田は、群雄割拠のアトム級GPをいかにとらえているのか。「ガキには、未来しかない」という平田に真意を聞いた。  同大会は「ABEMA 格闘チャンネル」にて完全生中継。解説を青木真也が務める。また、「ONE Super App」にて世界同時ライブ配信が予定されている。 フリーになって最も変わったのは「格闘技に対する思い」 ――2月22日の「Road to ONE:4th Young Guns」メインイベントで中村未来選手と対戦する平田樹選手です。まずは、今回の試合への意気込みをお願いします。 「初めてのメインイベントなんですけど、やっと試合ができる環境で試合が決まって、去年の夏過ぎからずっと試合の準備はしていたので、やっと試合ができるという気持ちと、メインだからとかじゃなくて、この日は“自分が一番目立って、一番いい試合をしたい”と思っています」 ――前回、ONE Championshipで試合をしたのはちょうど1年前の2月7日のジャカルタ大会でした。今回、試合の話がきたとき、どんな思いでしたか。 「一番は日本で試合が出来るということが嬉しかったです。シンガポール大会もいいなとは思っていたんですけど、1年間空いて、いざ試合というときに日本で出来るというのは結構、嬉しかったです」 ――日本での調整などの部分で楽になるところもありますか。 「環境もそうですけど……うーん、でも海外でするというのもけっこうモチベーション高く持てるので良かったんです。ただ、一昨年の日本大会のときに、試合終わってからすぐにみんなと会えるというのが一番大きいなというのがあって。あと、見に来たいと言ってくれている人がけっこう多かったので、それで久々の試合で直に見てもらえるというのが一番嬉しいです」 ――シンガポールでやるよりも、時差的にも日本のファンにより試合を見てもらえるし、存在感をアピールできる場所でしょうか。 「でも、やっぱ(アピールの場は)日本だけとは考えていないので、アジア・世界で、と考えているので、とりあえずアトム級GPが開催されるまでは日本の試合に出て、終わったらもう1回シンガポールに行ったり、世界に向けて自分を売り込みたいなと思っています」 ――この「Young Guns」の大会は、21歳の平田選手より年下の選手も対戦カードに入っています。ONE本戦で戦っていると、年上の選手が大半だったと思うんですけど、「Young Guns」というコンセンプトの大会のメインを張ることについての思いはありますか。 「いつもは自分が一番下みたいな感じだったんですけど、今回は同い年とか年下の子もいたり、年齢が近い方ばっかりなので、逆に気合が入るというか、年下がいることによって自分の見せ場が重要になる、今までよりも張り切れる立場になりました」 ――そんな中で、最近の練習や戦うモチベーションに何か変化はありましたか。 「“やっと試合だ”という実感はだんだん、こういう記者の方とか取材が増えることによって実感は湧いてきて。さっきポスターももらったんですけど、そういうのが出来てくると、ようやく試合だなという気持ちにはなります」 ――ところで、髪の毛がインスタで見たときはちょっとカーリーヘアっぽかったんですけど、どんな気持ちでパープルに染めたのにでしょうか。 「試合が無かったときは刺激というか、暇だなと思って髪の毛を染めたり。今までずっと金髪だったんですけど、今回は違う意味で、いろいろなことがあったので、今までとは違う形でもいいかなと思いはじめて、髪の毛を染めました」 ――“いろいろなことがあった”ひとつに、所属がK-Clannからフリーという形になりました。最近の練習環境について、出稽古も含めて教えてください。 「大沢(ケンジ)さんの和術慧舟會HEARTSに行かせてもらったり、内山高志さんのボクシングジム(KOD)に行かせてもらったり、あとはフィジカルはHALEO代官山でトレーニングをさせてもらったり、レスリングとかの寝技の部分では、KRAZYBEEに行かせてもらったりしています。  フリーになったことによって、自分でやらなきゃいけないことが増えたんですけど、そこの部分では成長できたかなと。今までは人に任せっきりじゃないけど、出されたメニューをこなすだけだったんですけど、今は自分でメニューを組んで、練習に励むので、そういう部分では、自分が苦手な部分も、得意な部分も両方出来ているから、いい環境になっているなと思います」 ――逆にトータルで見てもらえる人はいなくなって、そこの部分では誰かからアドバイスをもらったりもしているんですか。 「大沢さんとか、いろいろな人にビデオとかを見てもらって“こうしたほうがいい、ああしたほうがいい”というアドバイスをいろいろな人から聞いています。この人だけとかそういうのじゃなくて、いろいろなところからいい情報を集めて、自分のものにするという。やっぱそれはフリーならではじゃないかなと思っています」 ――そんななかで1年前の自分と比べて、最も変わったなと自分で手応えを得ているところは何でしょうか。 「格闘技に対する思いじゃないけど、練習に励む思いとか。前までは、ただ試合をするだけだったんですけど、今では試合をするだけじゃなくて、次に繋げる試合とか、今まで練習でやってきたことを出せる試合にしたいなという今の思いはけっこうあります」 ――今回の大会コピーに使われた「ガキには、未来しかない」という言葉は、平田選手自身の言葉だと聞きました。どんな思いからでしたか。 「よく『若いね』とか、『やっぱ若いから』とか言われたりしたこともあって、しかもデビューも『格闘代理戦争』から上がって、いきなりONEの本戦という、周りからしたらあんまりいいようには見られないことが多かった。でも、自分的には、若いとなんでも吸収できるし、いい未来しかないじゃないか──ずっとそう思ってたので。自分と同い年とか下の子と試合や練習をすると、どんどん上を抜かすことしか考えないので、それっていい未来しか考えられないなと思って、言いました」 ――「周りから『若いね』と言われる」というのは、“まだまだ早いんじゃない”というニュアンスが入っているように感じることがあるということでしょうか。 「ありますね。『格闘代理戦争』からONEの本戦に出させてもらうというのは、やっぱり普通じゃ考えられないことだし、誰もがそのチケットを手にすることができるわけじゃないので。でも、逆にこれは自分だけの道だし、自分にしかできないものだと思っているので、そこは胸を張って、『若いから……』と言われても、だからこそできるんだというのは見せたいです」 ――今回の大会で、同世代とか年下の選手もいるというところで、ライバル心で“負けていられない”という感じなのか、それとも“一緒に盛り上げよう”という感じなのでしょうか。 「“一緒に盛り上げよう”というよりかは、“誰が一番目立つかの勝負”じゃないかなという感じです」 ――その中で誰よりも目立つ自信があると? 「もちろんメインだし、まさかここで自分より目立つやつがいたらそれを超すじゃないけど、それも試合前のモチベーションにも繋がると思うので、それまでしっかり試合を見て、最後は自分で締めて、『この日は平田樹の日だったな』と言わせたいですね」 ――試合の実際のイメージというのは、いつもどのように考えていますか。 「イメージは楽しいというか、試合をするのは自分なので、あのケージの中に放り込まれたら“やっと自分だけの世界だ”というのは毎回、実感しています」 [nextpage] 中村未来との対戦「思う存分突き放してやろうと思います」 ――次の相手は中村未来選手に決まりました。試合映像を見て、どんな印象をお持ちでしょうか。 「コメントでも言っていた通り、打撃の選手かなとは思うんですけど、自分もそんな打撃にはこだわらず、自分の得意なことをして、試合のリズムも全部自分で作れたらいいなと思っています」 ――「得意なこと」と言えば、柔道仕込みのテイクダウンから寝技で極める展開ということでしょうか。 「いや、もしかしたら違うかもしれないです。1年前とは別人になっている打撃が見れるんじゃないかなとは思っています」 ――この1年間でスキル的に成長した部分はどのあたりになりますか。 「寝技は元々得意だったので、あとは細かい技術と壁レスとか、ケージ際の細かい技もやったりしつつ、一番は打撃の距離感とか、ステップとかが(成長した)。この1年間、ずっと自分の試合を見返すことが多かったので、今の自分と比べると、全然変わったんじゃないかなと練習では思っているので、それを試合で見せられたらと思います」 ――より総合格闘家として、トータルでバランスが上がっている選手に近づいているという感じでしょうか。 「そうですね。やっぱり寝技だけとか立ち技だけというよりも、“寝ても良し、立っても良し”というのが、自分の考えだったので、毎回、“打撃、打撃”と言っていてあんまり成長してなかったので、この1年間でだいぶ成長したので、そこは今回、見てもらいたいなとは思っています」 ――試合の入りをどのようにイメージしていますか。 「様子を見るというより、相手のビデオも見てるので、どう組み立ててどう潰すかというのは、1R目開始の2、3分でもうすぐ分かると思うので、そこからどう試合を組み立てるかというのは考えています」 ――今回は特に、相手の中村選手が上を食いに来るような感じがあると思うんですが、そのへんの感覚は今までと違いますか。 「今までは自分が上の人を引きずり下ろす立場だったので、今回、自分のほうが狙われているんだったら、もう思う存分突き放してやろうと思います」 [nextpage] 内山高志の指導「打撃でのフィニッシュも狙っている」 ――今回、打撃に固執する、意識して出そうという感覚があるのですか。 「1年間ずっとほぼ打撃をメインで練習していたので、どれだけできるのか試す、どれだけ試合中、頭を使って打撃を使えるのかなというのは、試合でやってみたいなとは思っています。せっかくこんなに練習したのに、いつもどおり組んで終わっちゃうというのは、もったいないというか、圧倒的に勝ちたいというのがあるので、打撃でも差を見せつけたいなとは思っています。このレベルじゃないというのは見せつけたいです」 ――打撃の進化という部分でボクシングジムに通われていると。MMAのなかでどんなボクシングを採り入れているのでしょうか。 「内山(高志)さんのボクシングジムで、ボクシングというより“手数を増やすミット”を重視してもらっています。あと、ボクシングと総合では距離感がちょっと違うので、そこは大沢さんとかに調整してもらったり、試合のビデオを見たり、相手選手のビデオを見たりしながらやっています。本当にまったく打撃専門のジムに行ったことがなかったので、初めて行ったときは習ったこと全部、吸収できるような勢いでした」 ――内山さんのボクシングを見ることもあるのでしょうか。 「一番最初に行ったときにシャドーを見せてもらったんですけど、めちゃくちゃ速くて。“ブンッ”と風の音とかが聞こえるくらいのレベルで、それが一番衝撃を受けました」 ――内山さんは平田選手の打撃をどのように評価していますか。 「最初どれくらいできるか分からないと言ってて、ミットを持ってもらったんですけど、『結構できるじゃん』って褒められて、“ああ、できてるんだ”って思いました」 ――内山さんからのアドバイスで変えたことなど、言える範囲で教えていただければと思います。 「今までの試合も全部そうなんですけど、“強く打とう”とか、“相手を倒そう”と思いすぎると、力んでなかなかパンチが出せなかったり、大振りになっている場面がそうとうあったと思うのですが、打撃のミットの練習をするようになってからは、その部分で動きが変わったなと自分なりに思っています。今までは打撃の細かい部分を習ってなかったので、あまり結果には出せなかったんですけど、今回は細かい部分も習ってきたので、打撃でのフィニッシュも狙っているので、ちょっと期待はしていてもらいたいです。  先日のスタンプ選手の試合もそうですけど、ONE本戦には打撃が強い選手が多いので、そこは、自分のまだ弱みである打撃が出来るというところを、GPに向けても、アトム級の選手たちにアピールしたいですね」 ――SNSにも上げていた足の裏の写真は、単純に打撃でステップワークを使う量が増えたのか、それとも重心が変わってきているのか、どちらでしょうか。 「柔道ベースのベタ足なので、今までやっていなかった打撃のステップも増えたし、足の使い方がちょっと違ってきたり、キックボクシング、ムエタイの試合を見るようになってからは、ステップ重視と考えて練習をするようになって、シャドーをするようになってからは、足の裏がマメができて潰れました。ベタ足だけやっていると、絶対対策をされるので、いろいろな動きができるように練習はしています」 [nextpage] アトム級GPにハム・ソヒが参戦したら「もしかしたらすごい差があるかもしれないけど──」 ――さきほど、平田選手が仰った通り、ONE本戦では、アトム級GPの開催が企画されています。そこは意識はしてますか。 「していますね。5日のONEの試合にスタンプ選手とかもいたんですけど、“絶対負けちゃいけない試合”というのがあるので、GPが開催されるまでは、絶対負けたくもないし、ずっとそこに向けての身体づくりだったので、自分の中ではそのGPで優勝するという目標があるので、それまでは必ず勝ち続けます」 ――2月5日の試合で、スタンプ選手は初参戦のアリヨナ・ラソヒナ(ウクライナ)選手に敗れ、佐藤将光選手もランク外のファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)選手に敗れています。いまのONEでは、いつどんな強い相手が出てくるか分からないなか、GPまでどう作っていくか、という緊張感とか危機感もありますか。 「スタンプ選手の相手もそうですけど、逆に今までは自分がそういう“若くてみんなが知らない選手”だったので、そういう選手が増えて新陳代謝するのは普通じゃないかなと思っています。そこをどう自分が先頭に立って上まで行けるかということだと思います」 ――アトム級GPを見据えるうえで、5日の試合の実感を伺いたいです。スタンプ選手とラソヒナ選手が試合をして、あの試合でスタンプ選手は、オモプラッタなど寝技の成長と同時に、ギロチンチョークで極められるなど、粗さも見えたと思います。今のご自身と比べて、スタンプ、ラソヒナと対戦したら、どう戦えると感じたでしょうか。 「ラソヒナ選手、やっぱり打撃もインパクトあるし、寝技も上手なんですが、少しずつ隙はあったと思うので、そこの隙をどう潰して、パウンドでも寝技でも極めていけるかというところが鍵だと思いました。フィジカル負けはしないです。  あと、スタンプ選手はやっぱムエタイ、首相撲は強いと思うんですけど、足へのタックルは切れないんじゃないかなと、あの試合ではけっこう見えた部分がありました。それに、寝技もまだ持っているものが少ないんじゃないかなと。防御の仕方もちょいちょい危ないところがあったので、自分がもっともっと寝技を極めていけば全然チャンスはあると思います」 ――なるほど。あのラソヒナ選手に、今回、アトム級GPに参戦すると言われているハム・ソヒ選手はROAD FCで圧倒して勝っています。あの試合もご覧になっていますか? 「2014年の試合ですよね。あれはまだ見ていないです」 ――スタンプ選手に判定勝ちしたラソヒナ選手を圧倒するハム・ソヒという存在について、ご自身との今の距離をどのように考えていますか。 「もしかしたらすごい差があるかもしれないですけど……やってみなきゃ分からないし、先日の佐藤将光選手もそうですけど、ランキングが上となっていても、噛み付いてくる選手がたくさんいるので、ハム・ソヒ選手がランキングが上だとしても、自分が全然まだまだ噛み付ける立場でもあると思うので、そこはどう自分が追い上げていくか、楽しみです」 ――以前、「浜崎朱加選手に勝つハム・ソヒ選手はどれだけ強いんだろう」と話していました。ハム・ソヒ選手は抜けているかもしれないけど、ご自身の今後の伸びしろに期待してほしいと。 「ハム・ソヒ選手とは、どこで戦うにしろ、勝つことを考えるのは変わらないです。でも強い人とやりたいという気持ちは結構あるので、自分がどれだけ出来るのかが、今は気になります。ランキングに入っている人ともまだやったことがないので、ランカー相手にどれだけ自分のいいところを出せるのかも試したい。  とりあえずGPが開催されたら、もう誰とでもいいからどんどん上を目指すだけなので、その中で“どんなキツい練習があるんだろうな”という楽しみもあります。それに“勝ったときの喜びもそうとう大きいんだろうな”という楽しみもあるので、そこはずっと楽しみにしています」 ――そういう中で、平田選手は放送中に「メン・ボーに興味がある」と名前を出しました。2013年のMMAデビュー戦で、現UFC世界女子ストロー級王者ジャン・ウェイリに判定勝利しているメン・ボーですが、1月のサマラ・サントス戦では、シンプルな打撃と、右一本で差して崩す強引さも見せて、少し実像が見えてきたなと感じました。その強打者メン・ボーとやってみたいと感じたのはどんなところからですか。 「今までのメン・ボー選手のイメージだとワンツーが強いというイメージだったんですけど、前回の試合を見て、逆にワンツーだけしかないんだと思い始めてからは、自分が打撃にこだわらず、得意の投げも寝技もあるので、(メン・ボーの)フィジカルが強くてもそこをうまく使えば全然チャンスはあると思っています」 ――そのアトム級GPに臨む前に、今回この試合を1試合挟めるということでは、平田選手にとってはとても意味がある試合になるのではないでしょうか。 「そうですね。ずっと試合が組まれない中での、この2月のやっと1年ぶりの試合なので、いきなり本戦のONEに出るより、1回挟んでからのほうがいいとずっと考えていたので、試合を組んでもらったことは本当に感謝です」 [nextpage] 試合後のこれだけは「譲れない」 ――ところで、日本での試合は、いつもだったら勝負メシみたいなご飯もありますか。 「毎回減量終わると、計量終わってすぐに……ペヤングを食べるんですよ」 ──えっ、計量後に、インスタント焼きそばってことですよね? 「はい(笑)。無性にペヤングが食べたくなるんですけど(笑)。最近、本当に身体づくりというか、身体のことを考えることが増えて、前回の身体づくりもけっこう良かったんですけど、周りから、“もうちょっと考えたほうがいいんじゃない?”と言われて、身体に優しいものにしようかと。でもまだガキだから(ジャンクな食べ物も)いけんじゃねえかなと思ってるんですけど(笑)」 ――逆に普段練習しているときに食べたいけど我慢している食べ物、あと、計量後じゃなくて、試合後に絶対食べるものなどもありますか。 「試合後に絶対食べるのは、炭水化物大好きで、菓子パンとかチョコレートとかは、試合後には一生食ってます(笑)。もう本当に100円とかで売ってるメロンパンとかドーナツとか。甘いもの大好きなので、試合後はずっとそれを食べて、毎日顔をむくませて過ごしています(笑)」 ――若いのでまだ胃も強いんでしょうけど、上を目指すうえで栄養面なども考え始めていたりするんですか。 「普段身体を動かして、その動いた分だけリカバリーでいいものを食べないと、お菓子とか食べたらもったいないなというのはあります。でも、計量後のペヤングは譲れないかなというのは(笑)」 ――まあ確かに海外にも簡単に持っていけますけど……。 「お湯があれば完璧なので(笑)」 ――ペヤングとか菓子パンとか、胸やけしませんか。 「ガキは胸やけしません!」 ──それは失礼しました(苦笑)。 [nextpage] 心配されるより背中を押してくれる家族の方が強くいられる ――この20歳前後の1年間は、試合をすればするほど強くなるような時期だいう意見もありました。その時期に試合が出来なかった焦りと、逆にじっくり腰を据えて新しいことに取り組めたメリットとデメリットはご自身ではどう捉えていますか。 「周りが試合をしている中で、なかなか自分の試合が出来ないというのは、結構焦りじゃないけど、悔しい部分もあったんです。でも、逆にみんなが見たい、樹がどれくらい出来るのか見たいという意見がどんどん多くなったので、そこは溜めておいて良かったなとは思います。自分の悪いところと良いところがよくわかったこの1年間の期間だったので、ずっと練習に励むだけでも自分の中ではだいぶ成長できて、いい機会になりました」 ――平田選手というと家族の応援をすごく感じます。3月13日の『DEEP TOKYO IMPACT 2021』では、お兄さんの直樹選手の試合(横山京亮と対戦)も決まりましたし、今回メインに抜擢されたことで、家族の皆さんからどんな言葉を伝えてもらっていますか。 「2月22日の自分の試合、お兄ちゃんも試合が近いんですけど、『樹はこんなだから大丈夫でしょう』みたいに、家族は自分の心配よりお兄ちゃんの心配の方ををよくして(笑)、でも、逆にそっちのほっとかれるほうが自分的には、心配されるよりかは背中を押してくれる家族のほうが強くいられるのでいいです。  今回の試合も、(家族から)メインだからどうこうとかは別に何も言われなくて、『好きなように、今までこの1年間我慢した分を試合で見せつけられたらいいね』というくらいで、そんなプレッシャーにも思わなくて、でも家族の前で試合が出来るというのは一番嬉しいし、応援してくれている人も来れるので、そこは本当に嬉しい部分です」 ――ここを見てほしいというのはありますか。 「今まで単発で、打撃も寝技もそうですけど、一つの技しかできないという頭だったんですけど、1年間ずっと一つの技をやったら、打撃も寝技も、次の技、次の技と、2個、3個とどんどん繋げるというのはけっこう意識しています。そこは前回と違うんじゃないかなと思っています。それに、今回、初めて自分の試合を見るという人も多いと思うので、画面だけじゃなくて生で見る迫力も味わってほしいです」
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