1人でも応援してくれる人がいてくださるなら戦うべき
――復帰の舞台はRIZINで、その相手はサマンサというのは決めていましたか?
「いえ、私に選ぶ権利はないですし、私から何か要求するつもりも一切なかったので、ただオファーを待つのみでした。だから今回のオファーをいただいたのはありがたかったですし、感謝しかないです。望まれることはありがたいことなので断る理由はなかったですね」
――どれくらい落ち込んだのでしょう?
「引きこもっていたわけですが、昔、何年も引きこもっていたのでそれ自体は苦ではなかったですね。心のスイッチを切っていました。それに家にいるのは好きなので、ずっと家で過ごしてました。でも、それを心配して友だちが連絡をくれたりわざわざ家まで来てくれたりして…。そうやって励まされたり元気をもらっているうちにこのままではいけないって思えたんです。年末からこれまで、本当に周りに助けられました。スポンサーや先輩から厳しいお言葉もたくさんいただきましたが、それも上げて温かい気持ちがあるからこそなので有難いと感じていました。どん底に落ちれば当然人は離れていくものですが、どんな状況でも変わらない人は本当に変わらないんだってあらためて感じることができましたし、そういう人たちに恩返ししたいと思ったから復帰を決めました」
――何年もかけて今まで築き上げたものがあって、それが一気にどん底まで落ちてしまったかのようです。ここからまた挽回していくには大変なパワーを必要とすると思います。しかも、世間の風当たりも強いでしょうし。
「世間のマイナスな意見に左右されるなんて時間がもったいないです。私は今までプロとして自分自身で話題を生んで流れを作ってきた自負がありますし、予想以上の結果で盛り上げることもあれば、逆に大事なところで負けてしまって期待を裏切ることもありました。そこに賛否は生んできたつもりです。今回もある意味、絶対負けられない流れを自分で作ってしまったので、ちゃんと楽しめるように自分に喝を入れてチャンスを掴み取るだけです」
――今までで最大級の逆境ではあると思います。
「どうなんでしょうね。こういうのって逆境というよりチャンスなんじゃないんですか。誰にも関心を持ってもらえなくなったらプロとしての存在意義はなくなりますけど、私は1人でも応援してくれる人がいてくださるなら、それは全力で戦うべきだと思います。昔よりは精神的に図太くなったので大丈夫だと思います」
――必ず這い上がってみせますか?
「その気持ちがなかったら試合に出ません」