日本のバンタム&フェザーは「盛り上がってる。格闘技が普及してきているから、ONEも頑張りたい」
――ところで、修斗のベルトを返上したのは様々な思いがあったかと思いますが、あらためてお聞かせください。
「修斗のベルトに関しては、ずっとこのままでいいのかなと思いながら持っていたのがあって、何回か坂本(一弘・サステイン代表)さんに相談させてもらって、『将光が持っていたいんだったら持ってていい』という感じで、悩むところがありました。今、振り返ると、ONEで行くと決めた段階で返上しておくべきだったなとは思いますけど、そのときはそのときで、タイミングを見て、修斗でも試合をしたいなとも思ってたんです。でもONEで勝ちが続いていけばいくほど、なかなか修斗で試合がしにくい状況になって。
僕はONEの方に向いていたので、そんな中で、岡田(遼)選手と倉本(一真)選手がタイトルマッチをやったときに、岡田選手が勝って、あのときに(暫定ではなく)正規のベルトをかけてやっていれば一番良かったんだろうなと思ったんですが……僕がそう言うと無責任だし、“お前が言うなよ”というのもあると思うので、自分からはあまり発言しないようにしていて、そこのジレンマはずっと持っていました。今はもう返上したので気持ちは軽くなりましたけど、このままでいいのかなというのはずっとありましたね」
――MMAで今、バンタム・フェザー級がかつてないほど注目されている状況です。意識はしますか。
「盛り上がってるな、いいなと(笑)。あっちに行きたいとかは特にはないですけど」
――そんな中で、一番世界と向き合っている日本人は俺じゃないかという思いもありますか。
「堀口(恭司)選手じゃないですかね、一番盛り上がってるのは。僕はもうONEでトップを目指しているので。その後のことはまったく考えてないです。“俺でしょう”という気持ちはないですね」
――とはいえ、海外サイトのランキングで、フェザー級(※ONEバンタム級は水抜き無しの65.8kg)で日本人トップは佐藤選手です。今回、世界レベルの佐藤将光というところを示す試合になるでしょうか。
「そうですね。もう振り向かずに行けるところまで行くのが自分の使命だと勝手に思っているので、今年ベルトを持ってこようかなと、思っています」
――ONEの中で日本代表の強さを見せなきゃいけない、という部分もありますか。
「そこはめちゃめちゃ感じていますね。さっき話した通り、日本の格闘技がちょっと下に見られている感じがあるので、また全盛期を、あの頃には戻れないですけど、でも、どこかやっぱり古い人間なので取り戻したいなと思ってしまいます。日本からも、もっとどんどん出てくると思うんです。今、子どもの頃から格闘技をやっていく子たちがいっぱい出てきてるので」
――そういう選手たちの目標になれるような存在にと。
「そうですね。やっぱり日本人が活躍しないと、日本で格闘技が盛り上がらないと、子どもも格闘技をやろうとは思わないでしょうから。日本でもRIZINとかがあるおかげでけっこう格闘技が普及してきている感じはしますから、ONEもそこは頑張りたいですよね、僕らも」
――SNSでは「人生を最高のものにするために格闘技をやっています」と書いておられて、今こうして試合が決まって練習をするということの充実感はいかがですか。
「めちゃめちゃ疲れていますけど、それが最高ですね。やっぱ試合が決まると日々が彩りあるものになるというか、豊かになっている感じはすごくします。イキイキと生きていられる感じはしますね」