2021年1月31日(日)、竹芝ニューピアホールにて「PROFESSIONAL SHOOTO 2021開幕戦 Supported by ONE Championship」が開催された。
第2部の夜大会では、メインで環太平洋フェザー級王者のSASUKE(王者・初防衛戦/マスタージャパン)が、佐藤ルミナの愛弟子・内藤太尊(同級5位/roots)と対戦。
極真カラテ全米選手権覇者の内藤の蹴り技に対し、カーフキックで対抗したSASUKEが、ジャブ&ロー、組んでも柔道の投げ技、シングルレッグテイクダウンも決め、最後はリアネイキドチョークで一本勝ち。環太平洋フェザー級王座初防衛に成功した。
試合後、「修斗の王者は1人だけじゃない。あっちが降りて来ないならこっちから(RIZINに)行く。路上の伝説? K-1の申し子? 全部眼中にねえよ。(修斗世界フェザー級王者の)斎藤裕を最初から狙っていたのは俺。その腰に輝く金の(RIZINの)ベルトが世界への手土産に必要」と、RIZIN参戦をアピールしたSASUKE。
バックステージでは、「(内藤の)左の蹴りに注意してパンチを合わせる作戦だった。相手は粘り強いので、最後はパウンドで効いたと思ったらサブミッションで極めようと思っていた」と、打撃では諦めない内藤を一本で極めるつもりだったことを明かした。
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SASUKE「ジョーカーとやっても余裕で勝てるけど意味がない」
また、リング上で語ったRIZINまで世界王者・斎藤裕(パラエストラ小岩)を追いかけることについては、「今まで日本の斎藤選手のことを知らなかった選手まで斎藤裕と言っているけど、一番最初に狙っていたのは俺だから、格の違いを見せたかった。いまのこの(コロナ禍の)状況下で海外を狙うのは難しいから、向こうが欲しがる選手にならないといけない。斎藤選手は実力的に世界と交渉するだけの力があっても(UFCから)取られなかったということは、斎藤選手がやってこなかったことをやれば世界は欲しがると思う。そのためには国内のフェザー級の団体の垣根を超えて強さを示さないといけない。それが集まるのは四角いリングで、このベルトと一緒に乗り込んでやろうと思っていた」と、思いを語った。
RIZINフェザー級での対戦相手について、「1発目で(斎藤裕戦)はまず無いと思う」と語ったSASUKEは、想定している相手として、「せっかくなら強い奴とだけ言っておきます。ジョーカーは引かないですよ。ジョーカーとやっても余裕で勝てるけど意味がない。このベルトを持つ者は安い試合をしない」と答えている。
また、第1試合では、UFCから修斗に復帰を果たし、「狙うのはひとつだけ」と日本から世界への再起を目指していた石原夜叉坊(KING OF FREE)が、コロナ感染対策による当日計量の65.8kg契約で、元環太平洋王者の祖根寿麻(ZOOMER)に判定負け。打撃を効かせる場面も見せたが、練習環境の変化と2年間のブランクは厳しく、3Rを通した祖根のアタックに競り負けている。
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どうなる!? フェザー級GP
本誌の取材で榊原信行CEOは、2021年にRIZINフェザー級GPの開催を予告しており、海外勢も招聘するGPに向けて、国内では厳しいサバイバルマッチが組まれる可能性もある。
RIZIN&修斗世界フェザー級王者の斎藤裕への挑戦権を得るのは誰か。
今回、RIZIN参戦を表明した修斗環太平洋王者のSASUKEのみならず、リヴェンジを誓う朝倉未来(トライフォース赤坂/元THE OUTSIDER二階級王者)、カイル・アグオンを下した元KSW王者クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)、ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)もコンテンダーに名乗りを挙げている。
また、2月21日の「DEEP 100」でノンタイトルで対戦する王者・牛久絢太郎(K-Clann)と中村大介(夕月堂本舗)、朝倉未来に敗れた前DEEP王者の弥益ドミネーター聡志(teamSOS)、斎藤裕に敗れたRebel FC王者・摩嶋一整(毛利道場)の存在も無視できない。
国内王者では、PANCRASE王者のISAO(NEVER QUIT)、ZST王者の関鉄矢(SONIC SQUAD)、GRACHAN二階級王者の山本琢也(パラエストラ千葉)らも控えるなか、
RIZINで萩原京平(SMOKER GYM)に一本勝ちしている元DEEP王者の芦田崇宏(BRAVE)、平本蓮(THE PAN DEMONIUM)にTKO勝ちした萩原は朝倉未来戦を熱望。修斗では「ONE Warrior Series」に参戦中の工藤諒司(TRIBE TOKYO M.M.A)がMMA10勝1敗1分の6位と急上昇中で、唯一の黒星だった山本健斗デリカットにも「TTF Challenge」で1R TKO勝ちとリヴェンジを果たしているのも見逃せない。
一方、RIZINと関係の深いBellatorではフェザー級ワールドGPを開催中で、AJ・マッキーJr、パトリシオ・フレイレvs.エマニュエル・サンチェスの3選手が勝ち上がっている。GP勝者以外でも、敗れたダリオン・コールドウェル、アダム・ボリッチ、悪夢の2連敗から3連勝中のアーロン・ピコなど、タレントが揃っている状態だ。
バンタム級に続き、「魅力的なラインナップになってきた」(榊原CEO)フェザー級戦線でRIZINに参戦するのは誰になるか。日本人選手にとっては、海外参戦機会が滞るなかで、凌ぎ合いが激化している国内マットで、熾烈なサバイバルマッチを生き残る必要がある。
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扇久保が修斗フライ級王座返上「一番を証明してまた戻ってきます」
そんな中、1月31日の修斗第2部メインの前に、RIZINバンタム級に参戦中の扇久保博正(パラエストラ松戸)がケージに登場し、修斗世界フライ級王座の返上を発表。
「修斗のチャンピオンはその階級で一番だと思っています。それを証明できなかったので、このベルトを返上します。それを証明して、また必ず修斗に戻ってきますので、そのときまで期待して待っていてください」と挨拶し、堀口恭司、朝倉海へのリヴェンジを誓っている。
扇久保は、修斗環太平洋バンタム級王者からUFC、現在RIZINに参戦中の佐々木憂流迦(セラ・ロンゴ・ファイトチーム ※大晦日に瀧澤謙太に判定勝ち)から対戦要求を受けており、3月に予定されている開幕戦でのシューター対決は実現するか。
王者・堀口恭司(アメリカントップチーム)をトップとするバンタム級戦線では、2本目の王座奪還を目指す堀口が、Bellator王者フアン・アーチュレッタとの王座戦を目指すなか、大晦日に佐々木と同門の井上直樹が元谷友貴(※2月21日DEEPで昇侍相手に再起戦)に一本勝ちしており、朝倉海(トライフォース赤坂)との対戦を希望。斎藤裕の参謀として勝利に導いた石渡伸太郎(CAVE)も復帰間近となっている。
また、大晦日に中原太陽に1R TKO勝ちした倉本一真(修斗GYM東京)に加え、ONE参戦中の佐藤将光(FIGHT BASE ※2月5日ファブリシオ・アンドラージ戦)の王座返上により、修斗世界バンタム級正規王者となった岡田遼(パラエストラ千葉/環太平洋王者)、修斗で安藤達也を下した大塚隆史(T-GRIP TOKYO)らの動向にも注目だ。