▼セミファイナル(第6試合)Krushバンタム級 3分3R延長1R
×松本日向(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
判定0-2 ※30-30、29-30、27-30
〇壬生狼一輝(力道場静岡)
松本は「格闘代理戦争4thシーズン」(ABEMA)の卒業生でK-1カレッジ2018 -55kg王者。2019年9月のプロデビュー戦と11月の2戦目で共に橋本実生を破り、今年3月には多久田和馬に初KO勝ちして3戦全勝と勢いに乗っていたが、練習後に頭痛を訴え、検査した結果、脳内出血が見られると診断されたためドクターストップ。7月大会を欠場していた。
壬生狼は8月の『Krush-EX 2020 vol.1』でK-1 JAPAN GROUP初参戦。出場選手の負傷欠場を受けた大会直前のオファーながらKRESTの新鋭・倉田永輝から左ボディ、左フック、右ローを中心としたアグレッシブな手数で判定勝利を収めた。その勢いで11月のK-1福岡大会に参戦、7月に松本と対戦予定だった第4代Krushバンタム級王者・晃貴を破る金星を得た。戦績は8勝(2KO)無敗。
1R、お互いにスピードのあるローを蹴り合う展開で松本が右ローをヒットさせていく。松本は左ボディを多用するが壬生狼はそのリターンに連打を返す。蹴りから間合いが詰まると両者フックを繰り出し、どちらのパンチが当たってもおかしくない展開。松本はハイキックやヒザ蹴りを交えていく。
2R、お互いに蹴りからパンチにつなぐ。松本は左ボディと左フックを打ち分けてヒットを奪い、ハイキックも蹴る。壬生狼も負けじとワンツー、左フック。松本は壬生狼のパンチをもらうとクリンチ。松本に先に手を出させてカウンターを打つ壬生狼。
3R、松本がステップインしてのジャブ、打ち終わりの左フックとヒットを奪うが、終盤には前へ出て打ち合いを挑んだ壬生狼のパンチが松本を捉えた。壬生狼の右ストレート、左フックをもらってクリンチする松本。勝負を懸けた壬生狼が打ち勝ったか。
判定はジャッジ1名が30-30でドロー、1名が30-29、そしてもう1名が30-27と大きくバラつき、判定2-0で壬生狼が無敗対決を制した。
▼第5試合 Krushライト級 3分3R延長1R
〇大月晴明(NEXT LEVEL渋谷)
KO 3R 1分53秒 ※右フック
×明戸仁志(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
大月は1999年10月デビュー、46歳(試合時には47歳)の大ベテラン。これまでWPKC世界ムエタイライト級王座、第3代Krushスーパー・フェザー級王座、全日本ライト級王座、ISKAムエタイ・インター コンチネンタル・スーパーライト級王座などを獲得し、戦績は42勝(29KO)13敗。“爆腕”と呼ばれる強打を武器に、14連続KO勝ちを飾ったこともある。Krushには2009年3月の『Krush.2』から参戦していたが、2015年1月のレオナ・ペタス戦を最後に離れていた。
明戸は空手仕込みのハイキックや後ろ廻し蹴りを武器に、平塚大士、剣闘士“俊”、島野浩太朗に勝利するも、その後はまさかの5連敗。2018年8月に剣闘士“俊”との再戦に延長戦で勝利したが、2018年11月に“バズーカ”巧樹に敗れ、2019年5月の林将多戦では延長戦の末に判定勝ち。11月のBigbangでは谷山俊樹に判定2-0で惜敗している。戦績は10勝(4KO)12敗。
1R、大月は左右に構えを変えつつロー、ミドルを蹴って誘い、右フックを打ちこんでいく。明戸は蹴りを多用して左ハイを狙う。明戸の左フックを空振りさせた大月は右フックを打ちこみ、明戸はバランスを失うようにして倒れダウンとなる。
2Rは明戸がパンチで前へ出る。大月も迎え撃つが、フックをもらってグラつく場面も。打ち合いになっても明戸は負けておらず、逆に大月をコーナーやロープ際に詰める場面も。明戸のパンチをもらう大月は蹴りで対抗。
3R、前に出てくる明戸にジャブと前蹴り、そして右ローで対抗する大月。明戸の右に右のカウンターをドンピシャで合わせてダウンを奪う。大月はノーガードになって声を上げ、パンチを打ってこいと誘う。執拗に右ローを蹴り、最後はガードを固めた明戸が前へ出てきたところで身体を入れ替えざまに右フックを振り抜き、大月がKO勝ちを飾った。
マイクを持った大月は「久しぶりの試合で1R、だらしないところを見せましたが、47歳ですけれど昭和40年代生まれの人間も練習してやる気さえあれば若いヤツに絶対に負けないので、そういう人たちに夢を与えられればと思っています。おっさんと言われるおっちゃんに…何も考えてない(笑)。今日はありがとうございます」と、最後はグダグダになりながらもメッセージを送った。