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レポート

【ONE】青木真也がジェームズ・ナカシマに一本勝ちで「いまが一番幸せです」、緊急参戦・川原波輝はリト・アディワンにKO負け

2021/01/22 21:01

▼ライト級(77.1kg)
○青木真也(日本)75.50kg, 1.0023
[1R 2分42秒 ネッククランク]

×ジェームズ・ナカシマ(米国)76.70kg, 1.0091

 ONEライト級(※77.1kg)戦。青木のONEウェルター級(※83.9kg)ファイターとの対戦は2017年11月のベン・アスクレン戦以来。当時は青木がウェルター級に挑戦し、「ONE世界ウェルター級選手権試合」としてアスクレンと対戦も1R TKO負けを喫した。

 しかし、その後、青木はONEライト級でラスール・ラキャエフ、シャノン・ウィラチャイ、イブ・タン、そして2019年3月のエドゥアルド・フォラヤンとの再戦での一本勝ちを含む4連勝でライト級王座を奪還。

 2カ月後にクリスチャン・リーに敗れベルトを手放したものの、2019年10月にホノリオ・バナリオにダースチョークで一本勝ち。2020年4月の「Road to ONE:2nd」では、世羅智茂とのグラップリングマッチにも臨み(時間切れ・判定無しドロー)、2020年9月の『ROAD to ONE 3rd:TOKYO FIGHT NIGHT』で江藤公洋に判定勝利している。

 今回は青木にとって4カ月ぶりのMMAで、日本大会以外の試合はリー戦以来、1年8カ月ぶり。このコロナ禍のなか、10日間の隔離期間を経てシンガポールで戦うことになる。

 対するナカシマはMMA12勝1敗。米国在住の父が日本人一家の養子として育ったため、日本姓を持つファイター。

 全米短期大学体育協会(NJCAA)のレスリング全国王者に輝き、2015年にMMAデビュー。LFAでは二階級制覇を成し遂げ、ONE初戦ではロシアのライモンド・マゴメダリエフ(MMA7勝1敗※唯一の黒星がナカシマ戦)に判定勝ち、2戦目では阿部大治をKOに下しているルイス・サッポにTKO勝ち。


 さらに2019年8月には、元UFCファイターの岡見勇信と対戦し、ダウンを奪う判定勝利で、ONE3連勝をマークした。2020年11月には12連勝の戦績を引っ提げ「ONE世界ウェルター級選手権試合」として、王者キャムラン・アバゾフに挑戦。中盤に粘り強いテイクダウンを奪うも、4Rにヒザ蹴り&アッパーを受けてTKO負けし、ウェルター級王座戴冠はならなかった。

 今回は階級を下げてのONEライト級(※77.1kg)転向初戦となる。ライト級4位の青木を下し、一気に上位戦線進出を狙う。

 MMAの「ユニファイド・ルール」では、ライト級は70.3kg、ウェルター級は77.1kgが上限となる。ONEの場合は体重チェックのみならず尿比重チェックも導入しているため、減量時の「水抜き禁止」の上で、ライト級は77.1kgが上限となっている。

 ナカシマはRFA、LFA時代も含め、一貫してウェルター級を主戦場としており、ウェルター級の中では大柄ではない。「水抜き禁止」のONEライト級=77.1kgでどんな動きを見せるか。

 ナカシマは、ホイス・グレイシーの黒帯ジョン・クラウチ率いるMMA Lab所属。レスリングベースに加え、ベンソン・ヘンダーソンらとの練習で鍛えた強力な組み技を武器とし、岡見を極めかけたハイエルボーギロチン、パスガード、マウント&パウンドなどの寝技に加え、ミラノではジョルジオ・ペトロシアンから打撃を学び、力強いワンツーの左で岡見からダウンも奪っている。組み技を軸にする同じサウスポー構えの青木にとって、タフな相手となる。

 宇野薫をセコンドにつけた青木。『バカサバイバー』を口ずさみながらケージイン。ナカシマは上半身の厚みがうかがえる。

 グローブタッチ。1R、ともにサウスポー構え。相手の左ストレートを潰す右ミドルハイから入る青木はローキックも。ナカシマも右の蹴りも、青木は右の蹴りからヒザと上体を触り、組み付く。差し上げたナカシマは金網に押し込みヒザ蹴りを見せて離れる。

 ナカシマの右の入りに右フックを当てた青木! ナカシマの圧力を押し戻す。ナカシマの左をかわして両脇を差して組んだ青木は脇を潜ってバックテイク! 左脇を取り右足でハーフバック。両腕を左に手繰り、前に落とそうとするナカシマだが、落とされず腕を戻した青木は、さらに背中に跳び乗って両足は4の字ロック。アゴ上から首をひねるようにネッククランクへ! スタンドで青木を背負ったままナカシマはタップした。


 勝利した青木は、すぐにケージの外に出て宇野とハグ。ライト級4位の青木は、勝利者インタビューで「次はタイトルショットか?」と問われ、「ベルトとか考えてないです。ほんとうに怖くて、でもすごく幸せな時間で、あの……俺も格闘技、別にやんなくてもよくて、それでもやることで喜んでくれる人がいるんで」と、ABEMAプロデューサーの北野雄司氏、GOの三浦崇宏氏らの名前を挙げ、涙ながらに「俺たちはファミリーだ!」と絶叫。

 続けて「もう(格闘技が)好きなだけ。日本にはいっぱい応援してくれる人がいて、37歳で、37年間生きてきて、いまが一番応援を受けていて、いまが一番幸せです。ありがとう!」と感謝の言葉でサークルケージを後にした。

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