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インタビュー

【ONE】青木真也「僕の存在感は消せない」=1月22日(金)シンガポールで強豪ジェームズ・ナカシマと対戦

2021/01/13 11:01
 2021年1月22日(金)に、シンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Championship「ONE: UNBREAKABLE」にて、12勝1敗の強豪ジェームズ・ナカシマ(米国)と、ONEライト級(※77.1kg)で戦う青木真也(日本)が11日、公開練習&囲み取材を行った。  公開練習としては異例の「3分5R」のミット打ちを披露した青木は、飯村健一・大道塾吉祥寺支部長が持つミットにパンチ・蹴り、ヒジ・ヒザをコンビネーションで、そしてラウンドの最初と最後には20連打で打ち込む、ハードな動きを見せた。  2020年9月の『ROAD to ONE 3rd:TOKYO FIGHT NIGHT』で江藤公洋に判定勝利して以来、4カ月ぶりの試合。そして、日本以外での試合はクリスチャン・リー戦以来、1年8カ月ぶりとなる国際戦に向け、青木は「今、このご時世で試合があることで生活にハリがあるし、何かできるという喜びもある」と語る。  しかし、対戦相手のナカシマは、岡見勇信をギロチンチョークで極め、ダウンを奪うなど、元UFCファイターを追い詰めて判定勝利している実力者。2020年11月の前戦では、ONE世界ウェルター級王者キャムラン・アバゾフにも肉薄しており、今回はウェルター級からライト級に転向しての初戦で、ランク4位の青木と対戦する。  転向初戦の大物をマッチアップされた青木は、「窓際になるとこういう仕事しか来ない」とボヤいて見せながらも、「僕の存在感は消せませんから。なめんなよという気持ちは常に持っている」と、滾る気持ちものぞかせた。  青木との一問一答は以下の通り。 若さも勢いも彼の方があるのかもしれないけど、こっちはハタチ前後から生き残っている。足は掬ってあげたい ――公開練習で、3分5Rを見せるのは珍しいと思います。 「一番真面目にやった公開練習なんじゃないの(笑)。お茶を濁すのが得意だったんだけど。まあ、真面目にというか、もう(試合まで)時間もないので、普段の練習の中の一部、練習を出した感じです」 ――いつもの練習ということですけれど、ストライカーではない青木選手がいつも飯村さんのところに通ってヒジ&ヒザありのムエタイのミットを行うことは、どういう意味を持っていますか? 「総合格闘技はやっぱり試合に出さないところが大切だと思っていますから。そういう意味で、試合に出さないこの懐の深さというか、テストに出ないけど教養として持っておくものというか。だからグラウンドもいけるし、これ(打撃練習)があるから不安なく戦える部分はあるので、試合前だけじゃなく、試合がなくても常に教養として大切な要素ですよね」 ――コロナ以降では青木選手は初めてシンガポールで戦うことになります。10日間ほどの隔離生活に入るかと思いますが、特に不安はないですか。 「不安はないですね、別に」 ――今回、ウェルター級のジェームズ・ナカシマがライト級に来て、その1発目に対戦相手になったことに関しては、青木選手はどういう印象を受けましたか。 「わりと窓際ですからね、言っても。窓際になるとこういう仕事しか来ないですよね。それはもうそこにいるONE JAPANの広報さんがよく知っていますよ」 ――厳しい相手を当ててきたなと感じます。 「まあだんだん肩を叩かれていくんだろうし、こういう年齢だし、どんどん排除されていくのが正しいというか、健全だと思いますから、こういうのは全然仕方がない。来るべくして来ますよね」 ――このカードを受け入れたということは、そこに抗うという気持ちと、戦えるという思いからでしょうか。 「そうですね。抗うというか、結局言うても僕の存在感は消せませんから。消せないから、別に抗うとかじゃなくて、ナメんなよという気持ちは常に持っていますけどね」 ――青木選手のnoteを拝見したところ、12月19日に対戦相手がナカシマに決まったことについて「潰しにきてるのかな」と書く一方、「試合はご褒美」「好きなことをやってそれを表現する場がある。幸せなな時間」とも記していました。今回、ナカシマ選手相手に、どういった形で自分が楽しめる試合を見せていこうと思っていますか。 「試合は生活にハリが出る。単純に生活にハリがあるということに意味があって、ナカシマだからとか、あんまり関係ないですよね。試合があることが今のこのご時世の中でハリがある。何かできるということは喜びで、だからあんまり相手がどうこうはないです、特に」 ――いまジェームズ・ナカシマうんぬんではないと言いましたが、RFA・LFAからONEに来て、キャムラン・アバソフとのタイトルマッチまで負け無しだったナカシマの強みをどうとらえていますか。 「まあ硬いよね。ほとんど判定でフィニッシュしたのは(ルイス・サントスが試合中に)1回怪我したくらいだから硬いと思いますけど、どうなんだろう。ちょっと不利っていうオッズが出るのかななんて思いながらも、若さも彼のほうがある(ナカシマ32歳、青木37歳)だろうし、勢いも彼のほうがあるのかもしれないけれども、こっちはなんだかんだでハタチ前後くらいから生き残ってきていますから、その強さは、経験で負けないよというところはあるからね。足はすくってあげたいなとは思ってますよ。そういう強さかな」 ――ONEの水抜き禁止の減量のなかで、上から下げてくる選手が77kgにするというのはどのくらいアドバンテージがあると考えますか。 「どうなんだろう……逆に聞きたいかも。現状落としづらいわけじゃないですか。でも落とせちゃうわけでしょう。なんかあるんじゃないの。極論だけど、人が作ったものだから、なんかしらの抜け穴が絶対あるはずで。だから、(クリアできる)やり方があるのかもしれないですけど……そもそも僕の理屈として、人と人がやるものだから、数字で語れないものって多分にあると思うので、あんまりそこも気にしても仕方がないのかなと思います」 ――ナカシマ選手のあのボディロックからテイクダウンさせて上を取る強い組み、組み技・寝技に関しての相性はどう考えていますか。 「わりと僕も得意だし、トップレベルの選手ともやってきてるから、そんなに恐れてないのかもしれないですね、僕自身」 ――この試合を超えることが青木選手にとって、どんな2021年に、これからの格闘技人生に繋がると考えていますか。 「ONEで青木真也の試合があるんじゃなくて、青木の試合があるということですよね。たまたまそれがONEだった、みたいな。青木の試合があるということが大事なのであって、団体を盛り上げるとか、格闘技界を盛り上げるという人いますけど、基本的にみんな思ってないじゃん、そんなことは。だから、自分自身の物語を大切にやっていきたいなと思っています」 これから一生懸命みんなカーフキックを蹴って、蹴ったほうがカットされて足折れてきますから ――今回は宇野薫選手がセコンドとのことですが、ほかに誰かがつくのでしょうか。 「セコンド、1人かな」 ――コロナ対応も大変ですが、1人でも特に問題ないですか。 「海外の場合みんな1人なんですよ、(連れて行ける)セコンドって。アゴアシ出ないから仕方ないんだよね(苦笑)」 ―─一緒にシンガポールで拘束期間を過ごすわけですね。 「申し訳ない限りですよ。自分にできることはちゃんとしなきゃいけないなと。それって人間関係じゃないですか。僕も彼が何かあったときにそこまでちゃんと向き合うつもりではいるし。逆に何かできてるから返してくれるんだろうし、人間関係だとは思うので、そういう人間関係が構築できていたことがありがたいなと、良かったなと思います」 ――ところで、今回の試合と少しずれるかもしれないのですが、大晦日の堀口恭司vs.朝倉海戦のフィニッシュがカーフキックで、青木選手もDDTで取り上げていましたが、この盛り上がりを青木選手はファイターとしてどう思われますか。 「カーフキックみたいな論争ですか?」 ――そうですね。危険だという話も一方では挙がっている中で。 「こんなのずっと格闘技を見て勉強していれば、今に始まったことじゃないですか。結構、『俺はカーフキックを知ってるぞ』というのは、皆さんの自己承認欲求というか、自己顕示欲みたいなものを満たすんじゃないですかね。みんな格闘家とか、格闘技コーチとか、ここぞとばかりに仰っているじゃないですか。やっぱあれは恥ずかしいことですよね。そう思いません?『俺カーフキック知ってるよ』みたいな感じかなと思いますね。格闘技選手がみんな『カーフキックは~』って言うのは、まず気持ちいいんじゃないかなと思います。『反則にしたほうがいい』という声は……たぶんこれから一生懸命みんなカーフキックを蹴って、蹴ったほうがカットされて足折れてきますから。なので、そんな反則にしたほうがいいとか、カーフキックがどうこうみたいなのを言ってるのが、ちょっと笑っちゃいますね」
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