MMA
インタビュー

【ONE】青木真也と対戦するジェームズ・ナカシマ「ライト級の僕は今までで一番強い、そう感じている」=1月22日(金)シンガポール

2021/01/21 11:01
 2021年1月22日(金)午後9時30分から、シンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Championship「ONE:UNBREAKABLE」にて、ウェルター級からライト級に階級を変更して、青木真也と戦う元ONEウェルター級世界タイトル挑戦者のジェームズ・ナカシマ(32・米国)のコメントが現地から届いた。  ウェルター級では元UFCの岡見勇信も下しているナカシマは、ホイス・グレイシーの黒帯ジョン・クラウチ率いるMMA Lab所属で、同門で元UFC世界ライト級王者のベンソン・ヘンダーソンとトレーニングを積んできた。ともにグラップリングを武器としながら、極めの青木に対してコントロールの圧力の強いファイターだ。 「もともとライト級の方が自分に合っていると思う」「筋力はキープできている」「アオキはユニークな選手で、寝技は強くとても危険だが、何にでも対処できるよう備えて来た」「アオキの経験が特にアドバンテージになるとは思わない」「試合がスタンドで進んでいけば、スタンドでフィニッシュする」と、淡々と冷静に語るナカシマ。  MMA12勝1敗。唯一の黒星は2カ月前にウェルター級王者キャムラン・アバゾフに敗れた試合のみ。危険な相手が37歳・青木の前に立ちはだかる。 一瞬の判断で大きなインパクトを残すことになる ──前回の試合(2020年11月にウェルター級王者キャムラン・アバゾフに挑戦)から時間を開けることなくシンガポールに戻って来ました。今の気持ちは? 「とても楽しみだよ。特にこのコロナ禍の中で、長く戦えなかった期間を乗り越えて、こうして今、前回の試合から時間をあけず、アクティブに試合をできる機会はありがたい」 ──青木真也選手との対戦に向けてどのような準備をして来ましたか。 「アオキはやっぱりサブミッション・スペシャリスト。この試合はとてもユニークなマッチアップだなと思う。彼がグラップリング・スペシャリストであるからこそ、自分のポジションを意識して、危険な状態になったらきちんと対応できるよう、サブミッションのディフェンス、アームバーのディフェンス、チョークのディフェンス、足関のディフェンスの対策をして来た。それ以外には、自分の戦略に基づいて、自分のペースで進め、彼にプレッシャーを与えるつもりだ」 ──階級をウェルター級からライト級に落とした背景について教えてください。 「階級はもともとこっち(ライト級)の方が自分に合っていると思う。前回の試合でも割と軽かったけど、ONEに入ってからずっとそのままウェルター級に残ると思っていた。なぜなら、契約した当時はONEのハイドレーションと計量についてさほど知らなかったので、ウェルター級で楽に170ポンドまで落としていたんだ。ウェルター級でそのまま勝ち続け、タイトルまでたどり着いたけど、失敗(王座戦で4R TKO負け)したので階級を落とすことにしたんだ」 ──前回のアバゾフ戦で、MMAキャリア初の敗戦を喫しました。その経験は、ご自身にどんな影響がありましたか。 「かなり影響を受けたね。でも、それを力に変えて、時間をあけずに練習に取り組んだ。あの試合は、自分のパフォーマンスに自信を持っていたし、途中まで勝っていたと思っていたけど、最後の一発(ヒザ蹴り)が効いてそこから転落してしまった。次の日の朝からは気持ちを切り替えてすぐに前を向いたよ。日常生活とトレーニングを少しずつ変えて3カ月が経ったけど、今のコンディションは最高だよ。今までで一番強い、そう感じている」 ──ライト級に階級を落として、フィジカル面、メンタル面の両方において調子はいかがでしょうか。ライト級での自分の方が強いと感じますか。 「今までより健康的に感じるよ。食生活も良くなり、心拍数を高めることも出来るし、安静時の心拍数はより低く出ている。外見的にはあまり変わらない、とよく言われるけど、個人的には体脂肪が落ちた気がしている。丁寧に体重を落とせたので、筋力などはキープできているし、調子もいいよ。先ほども言ったけど、この階級の方が合っていると思う」 ──元ONEライト級世界王者である青木真也選手に勝利した場合、ライト級のトップ5に入ると思いますか。 「ランキングに関してはあまり気にしていないんだ。クリスチャン・リー(王者)、エディ・アルバレス、ティモフィ・ナシューヒン(3位)などのタフな相手と試合をしたい。学んで成長して、そのうちまた、タイトルマッチに挑戦したい」 ──レジェンドの青木真也選手と対戦することで、ファイターとしての青木選手をどのようにとらえていますか。 「彼はユニークな選手で、彼の寝技は強くとても危険だと理解している。だからこそ自分のポジションニング、ディフェンス、グラップリングなどを練習して来た。僕も優れているグラップラーだとは思うけど、誰かを祭り上げるつもりではなく、素直に彼はユニークな選手であることを意識して、何にでも対処できるよう備えて来たよ」。 ──この試合での勝負はスタンド、グラウンドどちらが鍵になるでしょうか。 「もちろんスタンドでの戦いに持っていく方が自分には有利だと思っているよ。でも、寝技での戦いになることも確率としては高いと思うから、どんな展開になっても対応できるように、またより強いグラップラーであることを見せたい。一番大事なのは、どんな試合展開になっても(冷静に)安定して対応していくことだと思っているよ」 ──青木真也選手が経験豊富であることは、この試合において、彼のアドバンテージになるでしょうか。 「特にアドバンテージになるとは思わないね。確かに彼は長年戦って来ているけど、自分も今のジム(MMA Lab)のお陰で十分に練習を重ねて来た。ベンソン・ヘンダーソン(元UFC世界ライト級王者)がメインのトレーニングパートナーで、今回はロバート・エマーソン(元UFC&Bellator)がセコンドについてくれる。他の練習相手もBellatorなどのレベルの高い格闘技団体で活躍していて、練習経験には自信があるよ」 ──青木真也選手はグラップリングのスペシャリストです。ナカシマ選手は、今回の試合で彼のグラップリングを避けていきますか。 「そうだね。無理にグラップリングで勝負することはないと思う。ただ、MMAはキックボクシングのようにクリンチしたらレフェリーが止めるわけじゃないから、グラップリングの展開は避けられないとは考えている」 ──どんな試合展開になると考えていますか。 「自分の得意な技が輝く試合になると思う。プレッシャーを与えて、戦略的にそしてよりテクニカルに動き、一瞬の判断で大きなインパクトを残すことになる」 ──青木真也選手をフィニッシュできると思いますか。 「イエス。試合がスタンドで進んでいけば、スタンドでフィニッシュするよ」 ──メンタル面での準備はいかがでしょうか。試合に集中するためにどんな準備をしていますか。緊張や不安があったとすれば、それをどのようにして解消しますか。 「メンタルについては、リラックスすることが一番大切だと考えているよ。生きることにおいて、リラックスすることが(不安や緊張を)癒す鍵であり、幸せを感じるための鍵だ。パフォーマンスに向けてもそれが鍵となる。だから僕の準備と言えば、リラックスすることは、僕が毎日を有意義に過ごすためにやっていることでもあるね」。 ──この試合に勝ったら誰と戦ってみたいですか。 「ナシューヒン、アルバレス。でも正直なところあまり気にしていないな。今はアオキのことしか考えていないから」
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