未来「俺が興行主だったらシバターを出します」
弟の海も含め、自他ともに認める“負けず嫌い”の朝倉未来は、「今回は勝負。視聴率も取って、試合も勝って、そこで驕らず、リヴェンジマッチまで気を引き締めていく」と、兄弟で興行を背負うつもりだ。
「RIZINが成立する仕組みを考えたら、ただ強いだけじゃダメ。もちろん格闘技ファンは強い人を見たいじゃん。ただ、格闘技の選手側が言うのは違うと思う。だったらそんだけ注目されるような強くて見たいと思われる選手に自分がなればいい」という朝倉は、大会のラインナップで“足りない”ものがあるという。
「(朝倉)海と堀口(恭司)選手の試合は視聴率すごくいくと思うし、天心君も出場を決めてくれた。五味隆典選手と皇治選手も。あとは最後一人……シバターが出れば来年も続くんじゃないかな。起爆剤として。俺が興行主だったらシバターを出します。そういう頭の柔らかさも入れないと格闘技界って視野が狭くなる。ほかの格闘技選手はシバターに負けないような求心力を持ってもらいたいですね」と締めた。
ネットも含めたテレビのなかでは、視聴者にとっては格闘技も同じ「コンテンツ」のなかの一つに過ぎない。
視聴率やPPV売上が最優先となる番組では、プロとして視聴者をひきつける技量、何らかの求心力を持つ者がその場に立つことになるのは明白だ。モータースポーツの最高峰のF1でさえも、レギュラーシートを獲得するのにスポンサーからの多額の「持参金」が必要となるのはよく知られた話だ。
しかし、どんな競技でも普段その競技に取り組んでいない者が、いきなり1年の総決算のメジャー大会に出場することなどありえない。なぜ格闘技ではそれがまかり通るのか。
また、話題性のあるカードに惹かれ格闘技を見た人が、一過性のものではなく大晦日以外の日も格闘技に興味を持つことになるかどうかは、そこで見た格闘技に魅力を感じるかどうかが重要だ。物語も無く勝負論に欠ける試合でファンになってくれるほど、エンターテインメントは甘くない。
試合までに興味を持たせ、「本戦」である格闘技の最大の魅力である「勝負」をいかに見せるか。マットに上がれば、その時点で、YouTuberもレスラーも、剥き出しのファイターとして見られることになる。果たしてRIZINは大晦日、何を見せるか。