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2020年12月12日(日本時間13日)、米国ラスベガスのUFC APEXにて「UFC 256」が開催された。
UFC 256: Figueiredo vs. Moreno
2020年12月12日(土)、日本時間13日(日)
米国ネバダ州ラスベガス「UFC APEX」
【メインイベント】
▼UFC世界フライ級選手権試合 5分5R
△デイブソン・フィゲイレード(ブラジル)124.5lbs/56.47kg・王者
[判定1-0] ※47-46, 47-47, 47-47
△ブランドン・モレノ(メキシコ)124.5lbs/56.47kg・挑戦者
※フィゲイレードが2度目の王座防衛に成功
メインイベントは、わずか3週間前、11月22日の『UFC255』でアレックス・ペレスにギロチンチョークで一本勝ちしフライ級王座の初防衛に成功したばかりのデイブソン・フィゲイレード(ブラジル)が、ナンバーシリーズ2大会連続出場。UFC史上最短の連続王座戦に臨む。同じく『UFC255』で強豪ブランドン・ロイヴァルを下した同級ランキング1位のブランドン・モレノ(メキシコ)相手に2度目の防衛戦を行う。
モレノは、2018年5月のアレッシャンドリ・パントージャ戦の判定負け後、一度、UFCをリリースとなるもLFAを経て、2019年9月にオクタゴン復帰。3勝1分けで王座挑戦権を手にした。フィゲイレードが唯一敗れているジュシー・フォルミーガに2020年3月に判定勝利しており、メキシコ人初のUFC王者を目指す。
前日計量では王者デイブソン・フィゲイレード(ブラジル)が124.5ポンド(56.47kg)、挑戦者ブランドン・モレノ(メキシコ)が124.5ポンド(56.47kg)でともにパス。
フェイスオフでは、先に両手でハートマークを作った笑顔のモレノに対し、フィゲイレードは右手で首を刈っ切るポーズを見せ、挑戦者と目線を合わせると厳しい表情でモレノを見据えた。
1R、ともにオーソドックス構え。いきなり後ろ蹴りを見せたフィゲイレードがカウンターの右をヒット。さらに左ジャブで組み付くが、差し返したモレノが左で差し上げてバックテイク狙い。今回もスクランブルから立ち上がるフィゲイレードは右ボディ打ち。さらに右クロス!
モレノの左に右をかぶせるフィゲイレード。モレノは左ハイもブロック。フェイントをかけながら右ロー、左ジャブでアゴを上げさせるフィゲイレード。モレノの左ハイを空振りさせ、バランスを崩したモレノにパウンド狙い。しかしモレノも蹴り上げで立つと、ジャブ、左ミドルで押し返す。
左ジァブの差し合いはモレノ。ダブルレッグはフィゲイレードが切る。左ハイを打つモレノ。ブロックするフィゲイレードも左ハイ! ブロックの上に当たるとモレノの身体が流れる。詰めるフィゲイレードだがモレノも凌ぐ。
Drop those scorecards ⤵️ #UFC256 pic.twitter.com/pGa7K8qxZu
— UFC (@ufc) December 13, 2020
2R、サウスポー構えのフィゲイレード。オーソドックス構えに戻すとモレノのジャブをかわして右ローをカーフに打つ。
モレノのジャブに右ストレートを返すフィゲイレードはノーガードで詰めると低い位置からの前手で左ジャブを突く。さらに右ヒジで詰めるが。ボディロックテイクダウンはモレノ。顔を押して立ち上がるフィゲイレードだが、指が目に入り中断。
フィゲイレードが下のポジションで再開。縦ヒジを打つフィゲイレードがは背中を見せて立ち上がると、ついてくるモレノに正対し、右ロー。そこにモレノは右を突く。遠間から左フックを突くフィゲイレードは若干疲労したか。
CAUGHT HIM. #UFC256 pic.twitter.com/EnKA1KRc8Q
— UFC (@ufc) December 13, 2020
左ミドルを当てるが、フィゲイレードの入りに右ストレートはモレノ! 右ストレートでフィルターの頭を上げさせる。ボディ打ちから前に出るフィゲイレードにボディロック&小外がけテイクダウンはモレノ! しかしフィゲイレードはここもスクランブルで立ち上がる。
3R、フィゲイレードはオーソドックス構えから。スイッチし左ミドルもモレノが蹴り足をつかんで前へ。しかし、ここも強いフィジカルで前に出るフィゲイレードは、サウスポー構えになり左の蹴りで前進。モレノは組み付くが離れる。
後ろ廻し蹴り、パンチが大きくなるフィゲイレード。モレノは左右で前進。左をガード上に振る。互いに厳しい時間帯。ここでフィゲイレードの前蹴りがローブローに。モレノは嗚咽し亀になるも立ち上がる。フィゲイレードに減点1がかせられる。
前に出るフィゲイレード。蹴り足を掴んで倒すが、モレノも足を手繰り立ち上がる。スイッチするフィゲイレードは左前手を伸ばし、圧力をかける。4Rへ。
4R、左の相打ちはフィゲイレード。しかしモレノも右を返す! 右ハイをガード上に当てるモレノ。フィゲイレードもジャブを交わして前に出るが、モレノが体を入れかえテイクダウン! そこにギロチン狙いのフィゲイレードだが、すぐに頭を抜くモレノ。フィゲイレードも金網背に立ち上がると右アッパー! しかし押し戻すモレノは一気に左右ラッシュへ! 被弾したフィゲイレードは身体が泳ぐが、前へ。ジャブを突くモレノ。フィニッシュのジャブの打ち終わりにジャブ!
前に出て来たフィゲイレードも左右を当てるがそこにボディロックテイクダウンはモレノ! スタミナが苦しいフィゲイレードにハーフからパウンド狙い。下からヒジを打つフィゲイレードに体を離して右のパウンドで飛び込むモレノ! 立ち上がるフィゲイレード。モレノのラウンドに。
WHAT A FIGHT! WE ARE NOT WORTHY 🏆 #UFC256 pic.twitter.com/2HRN9eBhtz
— UFC (@ufc) December 13, 2020
5R、勝負の最終ラウンド。ともにオーソドックスから。サウスポー構えから左ミドルを2度打つフィゲイレードに左フックを振るモレノ。モレノの左に左を合わせるフィゲイレード。詰めるモレノはどこでラッシュするか。フィゲイレードの大きな左は空振り。互いにジャブはブロック。サウスポーになり左ミドルを打つ王者。モレノの左も単発。左で飛び込むフィゲイレードに左右を返すモレノ。右カーフキックはフィゲイレード。その左えをかわして左を振るモレノは遠い。
右で差して組んだモレノ。金網まで詰めるがフィゲイレードは左で小手に巻きデフェンス。そこから払い腰はフィゲイレード! 最後をパウンド連打で印象づけた。
All heart on display tonight 🏆 #UFC256 pic.twitter.com/Ai6Sx7JZ8N
— UFC (@ufc) December 13, 2020
互いに右目を腫らせた両者。判定は1-0(フィゲイレード47-46, 47-47, 47-47)で王者がドロー防衛。苦しんだ王者はセコンドとのハグに涙を見せた。
僅差で2度目の王座防衛に成功したフィゲイレードは、チャンピオンキャップをかぶり、「昨日、午前2時に胃の調子が悪く病院で検査をしたんだ。(ローブローについて?)レフェリーはレフェリーの仕事をした。故意じゃなかったからコメントできない。(リマッチも?)もし次の試合で自分の前に立つなら、ダナの決断次第だ。いまは少し家族との時間を過ごしたい」と語った。
#UFC256 Official Result: Deiveson Figueiredo (47-46) and Brandon Moreno (@TheAssassinBaby) fight to a majority draw (47-47, 47-47).
— UFC News (@UFCNews) December 13, 2020
All Results: https://t.co/t5Qf0fqKnh pic.twitter.com/nffVJPWKIX
バンタム級世界王座戦、ピョートル・ヤン(ロシア)vs.アルジャメイン・スターリング(米国)、ウェルター級王座戦、カマル・ウスマン(ネイジェリア)vs.ギルバート・バーンズ(ブラジル)、女子世界フェザー級王座戦アマンダ・ヌネス(ブラジル)vs.ミーガン・アンダーソン(豪州)のすべてが流れた今大会で、3週間間隔で、王座戦に臨んだフィゲイレードは、最後に、「ショーを見せるためにここにいる。自分がオクタゴンにいるときは最高のショーになる」と、語った。
Took the champ to the deepest waters possible.
— UFC (@ufc) December 13, 2020
Respect to @TheAssassinBaby 👊 #UFC256 pic.twitter.com/2sBntObAXO
また、敗れた挑戦者は「左手は骨折はしてないと思うけど、左肩に違和感があって打てなくなった。接戦だったから分からないと思っていた。肩を痛めたけど、すぐに練習を再開したい。いや、家族のもとに帰りたいかな。この時間を愉しんだよ。もちろんベルトをとりたかった。まずは家族のもとに帰って子供たちを強く抱きしめたい。もちろんリマッチしたい。ファンのためにも僕のためにも、このスポーツのために。(フライ級史上最高の試合だった)ジョー、ありがとう、光栄だよ」とコメントした。
試合後、フィゲレイドとモレノはダメージが大きく会見を欠席。フィゲレイドは試合前日に続き病院へ搬送されている。