MMA
インタビュー

【ONE】“野生獣”手塚裕之、キャリア最大の難敵に挑む「自分のやることは、拳で眠らせること」=11月13日(金)配信

2020/11/13 10:11

自然体になるには自然を理解していないといけない

――フィジカルから思考へ、“雀鬼”ですね。

「はい。麻雀の勝負の世界で20年間無敗なんてそうとう凄いし、全然競技は違いますけど、どういうことを考えてるのかなと思って。けっこう本が出ていたので、ちょっと買って読んでみたら、桜井さんも自然をすごい大切にしてたんですよ」

――おおっ、思考からフィジカルに繋がりました。

「やっぱり力いっぱい動こうと思っていると人間は変なところで力むから硬くなって遅くなる、と書いてあって。脱力するためには自然体でいなくちゃいけなくて、自然体になるには自然というものを理解していないといけないから、自然の中に身を置いているほうが強い、というのでした。実際に試合前に自然の中に行ったり、試合中の動きとかも、川を流れる水のようにとか、落ち葉が落ちる自然な動きをイメージしながらやっていた、と書いてありましたね」

――「自然体になるには自然を理解しなくてはいけない」、まるで剣豪のような境地に手塚選手はなっていると。「勝負」の面でも参考になりそうですね。

「勝負どころについては、不利な状況に陥ったときが勝負どころと言っていました。あとは、勝ちを欲するなと。美しく負けることを考えて試合に臨むと勝つと。いい勝負をしようというふうに気持ちを持っていくことが大切と言っていました」

――圧倒的に不利なときに勝負どころが訪れる、と。しかし勝ちを欲するな、というのは難しそうです。

「勝とうと思うことは人間の傲慢さからきていて、自然界では野生動物は負けないという気持ちなんだと。食われないために。だから、勝とうと思っている動物っていなくて、死なないために負けないという気持ちなんだと」

――確かに格闘技の本質はサバイブすることですから、生き残ることが競技のなかでも勝つことに繋がれば……。桜井さんは「弱い人は修正力がない」とも言っていますね。

「そうですね。それも生き残ることに繋がりますね。試合のなかで不利な状況になっても修正し、自分のベストを尽くす。不確実なことはあまり言いたくないので、これまでも絶対勝ちますとまでは言わなかったんですけど、桜井さんも、負けないぞという気持ちで臨むといいと書いてありました」

――では最後にファンにメッセージをお願いします。

「今回、当初のアギラン・タニ選手から急きょ相手が変わって、ラマザノフ選手とやることになったんですけど、自分のやることはいつもと変わらず、拳で眠らせることなので、それに集中して倒します。そして……筋肉と米は裏切らない!」

――あっ、シンガポールの食事は大丈夫なんでしょうか。

「それが……ごはんが毎回運ばれてくるんですけど、ごはんというか、弁当が3食。米が無いんですよ。大体芋かオートミールとかなので」

――えっ、“野生獣”のもととなる米が無いのはピンチじゃないですか。

「炊飯器も持ってこなかったのですが、自分でデリバリーも出来るので、ウーバーイーツみたいな感じで頼んでます!」

――じゃあ米は食べたんですね。

「安心してください、米は毎日食べるようにしてます! 」

――オートミールでしぼんでいく手塚選手を見なくて良かったです(笑)。試合、楽しみにしています。

「日本からも応援、よろしくお願いします!」

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