日本大会があるなら、秋山さんとウェルター級の頂上対決をやっても面白いんじゃないかと
――ラマザノフですけど、ウェルター級のトップ10ファイターと目され、秋山成勲選手の上あたりに位置するのではないかと思われます。そのラマザノフと戦うことは、手塚選手の中でどんな位置付けで考えていますか。
「ウェルター級の中では無敗ですし、かなりベルトにも近い存在なんじゃないかな、という認識はしています。タイトルマッチでアバゾフと無敗のナカシマが対戦する(※アバゾフがTKO勝ち)、そんな中で、僕の場合は一戦一戦与えられた試合を勝っていく。日本大会とかがあるのであれば、そこで秋山さんとウェルター級の日本人の頂上対決をやっても面白いんじゃないかと思っています」
――おおっ、岡見選手がミドル級に復帰したいま、日本のウェルター級のトップを決めたいと。
「盛り上がりそうかなと思って。やりたくないカードかもしれませんけど(笑)」
――なるほど。そんな展望を抱くなか、ダゲスタン共和国vs.下野国……ちょっと比較の規模を間違えましたが、栃木っ子も負けられませんね。しかし、だんだん外が寒くなってきましたので、手塚選手が日課とする屋外トレーニングの機会が減ったのでは、と思いました。さすがにいまは川で泳いだりは……。
「寒中水泳は本当に一番寒くなったときとかにしますね」
――一番寒くなったとき?(苦笑)。
「はい。屋外では走り込みとか、ジャンプ系とか、フィジカル強化をやってきました。僕らの練習だと、サーキットとかをやるにしても『うわーっ』と大きい声を出したり、人目を気にせずに裸で出来る環境は外になっちゃうので」
――「人目を気にせず裸になれる外」というのは都会だとビーチくらいに限られると思うのですが(笑)、やっぱり裸なんですね。
「裸で自然を感じながらやっています!」
――コールドトレーニングは?
「夏場の間とかは毎日冷水のシャワーは浴びるようにしていて。それは毎日続けてます」
――アイスバス代わりで疲労回復になる?
「そうです」
――身体的に新たに取り組んできたトレーニングもありますか。
「フィジカルの面なんですけど、これまでボディビル的なトレーニングばかりしてきたんですけど、それを筋肉を肥大させるというよりは、持っている筋力をうまく連動させて、動きに繋げるような、本当のアスリートのトレーニングを教えてもらうようになりました」
――筋力を連動させると。
「身体全体をうまく効率的に使って、動きを最速化させたり最適化させるという。例えば普通の筋トレって、筋肉自体に大きく負荷をかけないといけないので、一つの関節をロックして、例えばここの二頭筋だったりを鍛えるんですけど、それって不自然な動きじゃないですか。自然界でいうと、重いものを腕で持ち上げようと思ったら、足から連動させて反動を使って上げるほうが自然な動きになる。僕の場合、もうウェルター級としての身体も出来てきたので、これ以上、肥大させる必要がそろそろ無いかなと思ってたので、より競技に特化した身体になっていこうかなと思って。自分でも勉強をしたり、パーソナルの方に頼んだりするようになりました」
――専門の方について、筋肉を連動させて、地面からも自分の力を伝える感じでしょうか。
「そうですね。けっこう地元で空手の選手とかを教えたりしてるパーソナルトレーナーの方に習っています。あとは……けっこう本とかを読むんですけど、麻雀の世界で、20年間無敗だったら桜井章一さんの本をけっこう読んでいます」