キックボクシング
レポート

【NO KICK NO LIFE】石井一成がヒジ打ち連打でTKO勝ち、福田海斗が技術存分に見せつけ圧勝、小林愛三は打ち合い制す、森井洋介が逆転KO

2020/10/29 19:10

▼セミファイナル 55kg契約 3分5R
〇福田海斗(ウォーワンチャイ・プロモーション/キング・ムエ)
判定3-0 ※50-45、50-44、49-44
×馬渡亮太(治政館/元チェンマイスタジアム認定バンタム級王者&前ジャパンキック バンタム級王者)


 馬渡は長身から繰り出すしなやかなミドルキック、切るだけでなく倒すヒジ、首相撲からヒザと、ジャパンキック屈指のテクニックを有する。昨年5月12日のプレ興行でチェンマイスタジアム王座の初防衛戦、8月4日の旗揚げ戦でジャパンキックバンタム級初代王座に就くも、さらなる高みを目指すべく、両王座を返上。8月のジャパンキックではダウサコンと引き分けている。


 福田はタイで活躍を続ける日本人選手。中学1年生でタイにてプロデビューし、タイで試合を重ねてルンピニーとラジャダムナンのランキングに何度も名を連ねる。2015年3月、WPMF世界フライ級王座獲得。同年11月には藤原敏男以来となる、日本人2人目のルンピニー&ラジャダムナン2大殿堂同時ランクインを果たし、12月にはタイ国プロムエタイ協会フライ級王座も獲得。同年の最優秀外国人選手に選ばれた。


 2018年9月にTrue4Uスーパーフライ級王座を獲得、2019年10月には日本の『Suk Wanchai MuayThai Super Fight vol.6』でルンピニースタジアム認定スーパーフライ級王者ルンナライをKO撃破し、True4Uバンタム級王座を奪取するなど、本場タイのムエタイで最も活躍する日本人選手として知られる。10月の『BOM』ではユットを圧倒KOした。


 この試合は今大会唯一のつかみ(首相撲やキャッチ、引っ掛けなど)無制限で行われる(他の試合はワンキャッチワンアタック)。

 1R序盤は互いにローと前蹴りで様子見。中盤を過ぎると福田が圧力をかけ始め、パンチをまとめて右ローを蹴る。馬渡が蹴りをキャッチしてコカそうとするも、福田はバランスを保って“どうだ”と言わんばかりの表情。


 2Rも圧力をかけるのは福田。単発ではあるが一発一発パンチを顔面とボディへ当てていく。顔を抑えながらのヒザ蹴り、コーナーへ詰めての右ストレートもヒット。ヒジの打ち合いも見せる。飛びヒザでコーナーへ詰めた福田が右の縦ヒジをアゴにヒットさせてダウンを奪う。


 3R、前に出てくる福田に馬渡が右ストレートを当てると福田は不敵な微笑み。カウンターのテンカオを突き刺すとヒジで攻めていく。さらにヒジ、フックを叩きつけていく福田。首相撲に持ち込むとヒザ蹴りの連打。左ボディも打って行く。馬渡もヒジで応戦し、ボディを打つ福田をヒジで流血させるが、福田はパンチとヒザでボディを攻めてすぐにヒジ打ち。福田が攻めに攻めたラウンドに。


 4R、下がりながらパンチとヒジを打つ馬渡に福田は前へ出続けてヒジ、組んでのヒザ蹴り。馬渡は右ストレートをヒットさせるが福田は下がらずヒジを打ち、組んでのヒザ蹴りに持ち込む。このラウンドは徹底的に削りにいった福田。


 5Rは徹底して組みにいく福田。ヒザ蹴りだけでなく、相手の腕を抱えてのヒジも繰り出す。馬渡がヒジを打つと福田が右ヒジを返し、馬渡がフラフラとダウン。馬渡は最後の力を振り絞ってパンチ、ヒジでの逆転を狙うが、服だがヒジ、首相撲からのヒザで主導権を握り続けての判定勝ち。福田が本場のテクニックを存分に発揮しての圧勝を見せつけた。

▼第4試合 52.16kg契約 3分3R
△HIROYUKI(RIKIX/前・新日本キックボクシング協会バンタム級王者&元フライ級王者)
ドロー 判定1-1 ※30-29、28-29、29-29
△花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級王者)


 HIROYUKIは目の良さと身体能力の高さを活かし、打たせずに打つ試合を持ち味とする。時折、派手な蹴り技も見せるが、得意技はヒジ打ち。新日本キックボクシング協会の第6代日本フライ級王者&第12代日本バンタム級王者で、近年では他団体選手との試合を望んで実現させてきた。8月のジャパンキックボクシング協会主催大会ではジャパンキック フライ級王者・石川直樹にカーフキックでKO勝ち。


 花岡はアマチュアで28冠王を達成し、122勝20敗15分という驚異的な戦績を引っ提げて2019年春に中学卒業後すぐにプロデビュー。8月のINNOVATION主催興行で王座認定戦を行い、勝利して5勝(2KO)無敗で王座に就いた16歳(高校2年生)。関係者からの評価も高く“平成最後の怪物”と呼ばれている。紹介VTRでは“打倒・那須川天心”を口にした。


 1R、花岡はロー、前蹴り、ボディブローと攻撃を散らして顔面へパンチを当てに行く。特に前蹴りが効果的にHIROYUKIを崩す。HIROYUKIのパンチをかわして自分の右を入れる場面も何度か見られた。HIROYUKIは右ローを蹴ってまずは動きを止めにいく。


 2R、後ろ蹴りやバックハンドブローなど回転系の技を見せる花岡。HIROYUKIも負けじと胴廻し回転蹴りを放つ。なかなかパンチを当てることができなかったHIROYUKIだが、右フックをヒットさせるとそこから左フック、右ストレートも当てに行く。今度は花岡のパンチを空振りさせ、HIROYUKIが右ロー、右フックで攻めていく。


 3R、花岡が左ミドルを蹴って左フックで攻めれば、HIROYUKIの左ミドルを返す。お互いに蹴りをキャッチして攻撃につなぐ。花岡は後ろ蹴りを繰り出す。花岡が前蹴りをキャッチして流すと、HIROYUKIはその勢いで回転しての後ろ廻し蹴りで軽く花岡を捉える。さらに後ろ蹴りも放つHIROYUKI。


 お互いにテクニックを見せつけた試合は三者三様のドローとなった。

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