秀樹は左ハイキックで最初のダウンを奪い、最後は飛びヒザ蹴りでTKO勝ち
「RISE 141」
2020年8月23日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第8試合)ライト級(-63kg) 3分3R延長1R
〇秀樹(新宿レフティージム/同級1位、K-1 REVOLUTION FINAL-65㎏級世界王者)
TKO 3R1分18秒 ※左飛びヒザ蹴り
×麻原将平(パウンドフォーパウンド/同級4位、元HOOST CUPスーパーライト級王者)
秀樹はフィジカルの強さを活かしたパワフルな打撃でRISEライト級のトップクラスに君臨。2019年2月には白鳥大珠と第5代ライト級王座決定戦を争っている(白鳥がTKO勝ち)。また、『KNOCK OUT』のスーパーライト級トーナメントでも準優勝を果たした。今年1月、原口健飛と白鳥が返上したRISEライト級王座決定戦を争ったが、1R2分23秒、KO負けを喫して悲願だった王座獲得ならず。今回が再起戦となる。
麻原は正道会館空手出身で、RISEライト級のトップランカーとしてタイトル挑戦経験もある。『K-1 WORLD MAX』にも出場した2008年プロデビューの34歳ベテラン選手だ。ローキックと飛びヒザ蹴りを得意とし、新人時代からK-1ヘビー級で活躍した武蔵の指導を受けている。RISEには昨年7月の大阪大会以来の参戦となった。
1R、サウスポーの秀樹は右へ回り込みながら左ミドルと左右のロー、麻原は右ストレートから入り込んでくるが、秀樹はジャブと蹴りで押し返す。
2R、秀樹はジャブをしっかり突きながらの右回り。左ミドル、左ローと蹴っておいていきなりの「左ミドルと同じ軌道で蹴った」左ハイをクリーンヒットさせてダウンを奪う。立ち上がった麻原に飛びヒザ蹴り、飛び二段蹴りと大技を仕掛け、右フックもヒットさせる。打ち合いの中で再び左ハイをヒットさせた秀樹は左右の連打でダウンを追加。
3R、左ミドルと左ハイで攻める秀樹に麻原は左右フックで抵抗も、最後は左フックで下がった麻原に左飛びヒザ蹴りを命中させ、麻原が片膝をついてダウンしたところでレフェリーが試合をストップした。
メインを締めくくる豪快なKO劇を見せた秀樹は「メインいかがでしたか? KOにこだわって練習してきました。トーナメントの残り一枠、僕で文句ないですよね!」と、トーナメント出場をアピールした。
試合後のコメントでは「今までにないくらいプレッシャーがあった。ここで負けちゃったらただの選手、ただのランカーになってしまうところでした。僅かですが僕がトーナメントに出るべきだと言ってくれる人がいる以上、結果を残さないといけないと思っていてプレッシャーになりましたが、その分いい練習ができました」と打ち明けた秀樹。
1月の原口戦の反省点から「ガードを意識しました。僕は倒れなければ勝てると思っているので。倒れたら終わり。絶対もらわないように気を付けてディフェンスを意識していました。でもディフェンシブになりすぎるとメインの仕事ができないので、かつ倒しに行くというハードルが高いことを自分に課しました」という。
そして、白鳥大珠(TEAM TEPPEN)、原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)、直樹(BRING IT ONパラエストラAKK)が出場する-63kgワンデートーナメント(10月11日または11月1日)へ向けて「ここまで来たらやるしかないと思っている。僕のいい部分をまだ2人(白鳥と原口)に見せていないので僕の可能性に期待して欲しい。僕はこんなもんじゃないって全員に言い聞かせたいです」と、最後の一枠には絶対に自分が選ばれたいと語った。
▼セミファイナル(第7試合)-64kg契約 3分3R延長1R
〇北井智大(チームドラゴン/ライト級3位)
判定3-0 ※30-28、30-28×2、30-27
×マサ佐藤(名護ムエタイスクール/英雄伝説64kg級アジア王者、西日本統一ライト級王者)
北井はチームドラゴンのニューリーダーとしてRISEで活躍。後半戦の強さを活かして勝利することが多く、パンチでの猛攻で逆転勝利を飾ってきた。RISE随一の激闘派として知られるが、2019年2月に各団体で暴れまわる山口裕人を初回KO、9月にKNOCK OUTで活躍した水落洋祐を初回KO、2020年1月にはNKBライト級王者・高橋一眞を2RでKOするなど“RISEの門番”としての一面も持つ。
その北井が今回迎え撃つマサ佐藤はRISE初参戦。東京出身ながら沖縄や西日本で活躍し、2018年2月のKNOCK OUTにて水落洋祐に大逆転TKO勝ちを収めてその名を轟かせた選手である。試合で見せるタフさから“不沈艦”との異名も持つ。
1R、ローの蹴り合いからスタートし、それがしばらく続いたが、佐藤の左ローに北井が右ストレートを合わせて佐藤が崩れる。すかさずラッシュをかける北井が単発ながらヒットを奪って優勢に初回を終えた。
2R、北井はジャブを多用し、打ち合いに持ち込む。佐藤も打ち合いに応じるが北井のパワーに押され気味。ならばとバックキックをヒットさせたが、北井のプレスに押されている印象。
3Rは両者至近距離での左右フックで打ち合いを展開。接近した距離でお互いのフックが乱れ飛ぶ。北井が尻もちをついたがこれはスリップ。立ち上がると猛然と打ち合いを挑んでいき、佐藤もこれに応える。打ち合いではやはり北井のパワーと右の精度が上回り、判定3-0で北井の勝利となった。
打ち合いを制した北井は「佐藤選手、いつもなら倒れると思うんですが凄い打たれ強くて。でも倒せなかったので倒せるパンチを鍛えます」と、佐藤のタフさを称えると同時に倒せなかったことにやや不満が残っているようだった。